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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・心理描写を楽しみたい
・読み応えのある話か好き


あらすじ・内容
婚活サイトを利用した連続不審死事件に
関与したとして殺人容疑がかかる円藤冬香
しかし、冬香には完璧なアリバイがあった
共犯者の影も見当たらない
並外れた美貌をもつ冬香の人生と犯罪動機
に興味を抱いたライターの由美は事件を
独自に追い始める
そこで明らかになる信実とは?
一気読み必至の驚愕サスペンス!

 


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ネタバレ・感想
結婚詐欺やアリバイ崩しを推理していく
話と思いきや虐待、無戸籍、共依存など
様々な社会問題をテーマにした作品だった


柚月作品は心理描写が丁寧で良い
その為、読ませる力がある作品になる
いつも思うがオッサンを上手く描く
片芝がいいアクセントになっていた


序盤からどんどん話に引き込まれる
ライター・由美の目線で真相に迫っていく
由美と片芝は円藤冬香が児童養護施設
で育ったことを突き止める
施設を出た冬香は介護職に就いており
何故か東北出身の入居者の東北なまりを
聞き取ることができていた
そこから冬香と東北の繋がりを疑います
そんな中、事件の日に冬香の携帯電話に
着信があった事が判明する
電話を掛けたのは江田知代という女性
江田は冬香との関係は否定するが江田も
東北出身ということが判明する
ここからは先の展開が気になり一気読み


由美は東北に行き調査を進める
過去の未解決事件を調べていくと
沢越早紀という少女が父親を刺した後
行方不明になっていたことが分かる
早紀の妹の名前は偶然にも「冬香」だった
しかし、円藤冬香と年齢が合わない


円藤冬香の婚活サイト不審死事件と
東北で見つけた過去の未解決事件が
結びついた時に真相が明らかになる!



何と!・・・



沢越早紀=円藤冬香
沢越冬香=江田知代
早紀は周囲の協力で戸籍を偽造していた!

円藤冬香→関東の児童養護施設へ
沢越冬香→東北の児童養護施設へ
姉妹は離ればなれになってしまう
冬香は姉・早紀は死んだと思っていた
その後、冬香は更生した父親と暮らすが
しばらくすると以前のような虐待を受ける
そこへ早紀が現れて冬香を支え励ました
そして、一緒に父親を殺してしまう
その後は極力連絡はとらない約束をした


時は流れ知代(冬香)はレストランのオーナー
と結婚して幸せな生活を送っていたが
過去の父からの虐待の記憶に苦しむ
それから逃れるためにパチンコを始める
→次第にギャンブル中毒になる
→生活費や家の貯金を使い果たす
→出会い系サイトで結婚詐欺をする
→円藤冬香の名前を使う(バレないように)
→円藤冬香にアリバイができる


また、途中から「あなた」が出現する
この二人称は誰なのか?
新たな登場人物かと思いきや
冬香(知代)の別人格だった!
過去のつらい経験から生じた人格で
冬香(知代)と対話していた


互いに心の支えだった姉妹の絆は
いつしか共依存状態になっていた
それが殺人事件を引き起こす原因になる
読んでいて真相が明らかになるほど
悲しい気持ちになった(;´д⊂)
つらい生い立ちの子供たちを助ける
方法は何かなかったのか?
どうすれば防げたのか?


東尋坊で保護された時に相談していたら
妹と一緒に父親から逃げていたら
父親がアルコール中毒じゃなかったら
知代がパチンコにのめり込まなかったら
たらればを言っても仕方がないが
狂った歯車は元には戻らなかった


暗く思いテーマだったが面白かった
点と点が次第に繋がり線になる展開
サスペンス要素だけでなくミステリーと
しても読み応えがある満足な1冊でした

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こんな人にオススメ
・騙されたい
・一気読みしたい
・ミステリーが好き


あらすじ・内容
15年前、京都で男子学生と19歳の女性が
殺され、一人の男が逮捕された
元弁護士の八木沼悦史は死刑囚になった
息子の冤罪を信じ活動期していた
しかし、息子の慎一は面会を拒絶して
弁護士に無罪を訴える手記を手渡す
一方、殺された女性の妹・菜摘には
真犯人を名乗るメロスから電話があった
メロスは悦史に自首の代償として五千万
を要求するが─。
横溝正史ミステリ大賞の傑作ミステリー!




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ネタバレ・感想
死刑囚の息子・慎一を救おうと奮闘する父
冤罪を晴らそうと協力してくれる若者たち
「雪冤」というタイトルから事件は冤罪で
その謎を解いていく社会化ミステリー


慎一はなぜ父に会わないのか?
何かを隠している様子の慎一
真犯人は誰かと読み進めた


死刑囚の身内に自首の代償として身代金
を要求する展開はハラハラした
息子の父への思いが分かった後からは
先の展開と真犯人が気になり一気読み


死刑囚だった慎一の死刑は執行され
メロスも自首する事はなかった
展開が二転三転して物語から目が離せない


ラストには衝撃の事実が待っていた
靖之を殺したのは恵美だった!
慎一は恵美を守るために自らの意思で
犠牲者になっていた
大切な人を守りたい気持ちは分かるが
慎一の行動によってはたくさんの人の
人生が大きく変わってしまった

・息子の冤罪を訴えていた父
・悲しみや怒りに苦しんだ被害者遺族
・慎一の行動に心を痛めたメロス
・慎一を救えなかった弁護士の石和


もちろん一番下悪いのは靖之で
彼の行動から全てが狂ってしまった
恵美は自殺せずに警察に行っていれば
正当防衛になっていたかもしれないし
緊急避難が適用されれば、情状により
その罪を軽減又は免除されていた


そして、慎一が父に会わなかった理由は
“自身の決意が揺らぐ事が怖かったから”
そこまでして庇うほど恵美を想っていた
八木沼親子の思いが切なかった


最後の最後まで犯人が読めず
本当によく作り込まれた話だった
帯通りに見事に騙されました(=_=)
読み応えがある満足な1冊です

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こんな人にオススメ
・サクサク読みたい
・ミステリーが好き
・面白い短編集を探している


あらすじ・内容
患者の搬送をなぜか避ける救急隊員の
事情が胸に迫る「迷走」
娘の不可解な行動に悩む女刑事が
我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」
女性の自宅を鎮火中に、消防士が驚き
の行動に出る「899」
元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」
全く予想のつかない展開と人間ドラマが
見事に融合した4編か描かれる
2008年日本推理作家協会短編部門受賞!





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ネタバレ・感想
短編集なのにストーリーがしっかりして
どの作品も伏線回収が見事だった
丁寧に作り込まれていて面白かった
ミステリー要素だけじゃなく人間ドラマ
もあるし満足な1冊になっています


「迷走」
室伏が電話を掛けている相手は誰なのか?
なぜ葛井を病院に搬送しないのか?
ミステリー要素があって面白かった
検事の葛井と医師の増原の間では増原が
起こした事故の事で何らかの取引をして
いるのは明らかな状況だった
葛井と蓮川の緊迫したシーンや救急車が
迷走するシーンは展開が気になり一気読み


室伏は復讐の為に救急車を迷走させて
いたのではなく、電話の相手である
増原を助ける為だった!
(増原は発作で倒れていた)
救急車を運転していた永野に同じ道を
通るなと指示をしているヒントもあり
伏線回収もしっかりしてスッキリした


ラストの蓮川のセリフ
「隊長、あんまりかっこつけないで下さい」
「マニュアル無視の責任を一人で負って
もらえば、それはありがたいですよ。
ですが、ずっと黙っていられるのは
やっぱり困ります
には上旬と部下の関係以上の繋がりを
感じたし、明るい未来が想像できた
室伏はおそらく笑っていたし
蓮川を公私共に認めた瞬間だった
室伏の正義を貫く姿が最高に格好いい



「傍聞き」
タイトルにもなっている「傍聞き」
確かに直接物事を聞くよりも人伝えに
聞く方が不思議と信憑性がある
ストーリーの展開が読めずハラハラしたが
見事に作り込まれた良い作品で面白かった
 

主人公の羽角と娘・菜月の親子ケンカ
はただの親子ケンカでは無かった
菜月の手紙での時間差攻撃には参るが
それは母への手紙ではなく


フサノへのメッセージだった!!


「何時まで泥棒おっかける気なの?」
「なんでで空き巣がそんなに好きなの?」
「コソ泥と娘どっちが大事なの?」


一見、フサノに対して無関心に見えたが
実はとても気を掛けていた
フサノを安心させる為にわざとフサノの
家に手紙が届くように住所を細工していた
菜月の策士ぶりと優しさが良かった
今後の菜月の成長が楽しみすぎる


また、ネコ崎の不安を煽る誘導が巧みさ
が作品のいいアクセントになっていた
自分が斉藤警官だったらハラハラして
同じようにしていたかもしれない
心理描写も十分に楽しめて良かった



「899
消防士が火災現場で遭遇した不可解な
出来事が描かれる


諸上は火事になった新村の家の中で乳児
のあいりを捜索するが、姿はどこにもない
4ヵ月の乳児が自分で動ける訳でもなく
不思議に思う
しかし、後から部屋を捜索した笠間が
あいりを発見し救助した
あいりはどこにいたのか?
諸上が浮き足立って見落としたのか?


後日、諸上は新村が働いている蕎麦屋
を訪れる
新村はあいりを連れて働いていた
その時、偶然にあいりの指と指の間の腫れ
を見つけ諸上は全ての真相に気付いた


新村はあいりを虐待していた
それに気付いた笠間は“あいりの価値”を
新村に教える為にあいりを安全に細工して
クローゼットの上に隠した

・ビニール袋
・トルクレンチ
・夜中の異常な泣き声

伏線も回収されてスッキリした
新村は娘の大切さを理解した
虐待が二度と起こらない事を願いたい



「迷い箱」
出所直後の元受刑者に住居を提供する
再生保護施設を営む結子が主人公の話
元受刑者・碓井がいなくなった理由は
何だったのか?
結子が1週間テレビに出るという場面から
碓井がテレビを見ている事は推理できた
碓井自身がテレビ番組という「迷い箱」
の中で結子を眺めていた
そして、自分自身をこの世界から捨てる
という“死”を選択をする
碓井や結子の気持ちが切なかった


どの作品も物語に引き込ませる力があった
短編集なのでサクサク読めるのも良かった
ミステリー要素も十分満足な1冊てした
他の作品も是非読もうと思います!

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