読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

forest-438432__480




こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・一気読みしたい
・緊迫感がある物語が好き



あらすじ・内容
長野県安雲野で半年前に山で行方不明
になった妻の頭蓋骨が見つかった
三井周平は悲嘆に暮れながらも
遭難場所から遠く離れた場所で
発見されたことに疑問を持つ
用心深かった妻に何が起きたのか?
数週間後、沢で写真を撮っていた
女子大生が行方不明になった
捜索を行う周平たちを嘲笑うように
第三の事件が起こる
山には一体何が潜んでいるのか?
超一級のパニック・ストーリー!!



     




―――――――――――――――――――――――




ネタバレ・感想
遭難するような場所じゃない山道で
相次いで女性が行方不明になる
唯一生還した少女は何かに怯えて
しゃべる事ができない状態が続く
事故なのか?事件なのか?
序盤から物語に引き込まれてた
得体の知れない不気味な雰囲気があった


凛子が猿の専門家で猿害の調査をしていた
ので凶暴化した猿の仕業と推理したが……
犯人は何とヒグマだった!!
なぜヒグマが本州にいるのか?
なぜ女性ばかり襲うのか?
犯人がヒグマとわかった後の展開も
緊張感と臨場感があって良かった


手に汗握るシーンが多くハラハラした
特に捕獲檻の定期巡回でヒグマに
遭遇したシーンは目が離せなかった
木の上に避難したがヒグマが接近する
ヒグマは木を登りそうな様子で周平や
凛子も被害者に遭うのかと思ったが
形態していたクマ撃退スプレーを使って
何とか助かった((( ;゚Д゚)))ガクブル


人間を襲ったヒグマは銃殺して問題は
解決したかに思えたが双子の牝クマが
いる可能性を残し物語は幕を閉じる
全ては人間が原因の人災だった
ラストで凛子はヒグマ目線で“命”を思い
自然や山を畏怖した
周平は秋吉がヒグマに“命”を吹き込み
彼女の怨念が事件を起こしたと考える
どちらの考えも一理あり自然界の偉大さ
や怖さを認識されられた


ヒグマの習性も丁寧に書かれていた
一度食糧の味を覚えたら貪欲になり
動きも素早く凶暴にもなる
山で遭遇したらと考えると恐ろしい


他にも猿害に悩ませ駆除したい農家
極力駆除はしたくない研究者や行政
それぞれの意見があり溝が深かった
自然の生き物との共存がテーマだった


犯人がヒグマと判明するまではミステリー
その後はリアルな描写のパニックホラー
なぜヒグマがいたのかもしっかり書かれ
ていたのはリアリティーがあり良かった
三毛別羆事件を彷彿とさせ怖かったが
ハラハラしながらも一気読みだった
面白く満足な1冊でした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

rain-315446__480




こんな人にオススメ
・伏線を楽しみたい
・せつない話が好き
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
同棲中の彼女・桃里から無差別殺傷事件
を起こした犯人に似ていると言われた
蒼太はどこが似ているか気になり
殺人犯との類似点を探っていく……
蒼太と桃里が交互に語る二人の日常は
一見平穏に思われたが、次第に不穏な
ものになり蒼太の違う一面が見えてくる
果たして桃里はどうなるのか?
巧みな心理描写で描くミステリー



    



――――――――――――――――――――――





ネタバレ・感想
アルバイトや派遣で生計を立てている
健気なカップルの日常かと思いきや
全く違う方向に物語が展開して驚いた
Bule(蒼太)とPink(桃里)視点で交互に
描かれていく
前半は二人のすれ違いを上手く描いた
恋愛小説のようだった
しかし、中盤以降は不穏な空気が漂う
先の展開が気になり一気読みだった


蒼太は幼い頃から誰からも愛されず
情緒不安な母親からされた事で心に
闇が出来て人の顔色を伺うようになった
桃里との生活は居心地が良かったが
無差別殺傷事件の犯人・三澤兼人との
共通点を見つけると次第に変わっていく


Pink7では桃里の「臭い」が引き金になり
蒼太が暴走し桃里の首を締めてしまう
桃里と蒼太が気になったがBule8で
桃里が生きていたので良かった


それからは次第に蒼太の過去が
明らかになり可哀想でせつなかった
美人で明るく周りの人が羨む母
しかし、その裏では虐待が横行する
父は他人事で無関心だった
母が一番悪いが父も悪かった
母がおかしくなった原因は描かれて
いないので何とも言えないが父は
何かしらの理由を知ってそうだった
そんな家庭で生活した蒼太に同情した


そして、驚くべき事が・・・
母の呪縛から開放されない蒼太だったが
何と、15歳の時に母親を殺害していた!
幼少期の影響で暴力に支配されていて
蒼太自身も精神的に狂っていた
蒼太も三澤同様に殺人犯だった


しかも、それだけでは終わらない
桃里と付き合う前は母親譲りの容姿を
活かし年上女性とヒモ生活をしていた
その中で蒼太をずっと好きでいてくれた
女性を殺害し山に埋めていた!
その女性の財布がパイソンだった
蒼太は2人の女性を殺していた
桃里の洞察力には鋭く驚いた


そして、ラストにどんでん返しが・・・
桃里は生きていたと思ったが
首を絞められた時に死んでいた!!
死んでいる桃里と普通に生活する蒼太が
狂っていて怖かった((( ;゚Д゚)))ガクブル

読み返したらBule8から桃里は蒼太を
「そーた」と呼んでいない
いくら手が痛いとはいえスマホを蒼太に
操作させていたのには違和感を感じたが
桃里が死んでいたのには気付かなかった


物語は蒼太が桃里の部屋から出ていく
シーンで幕を閉じる
まだ捕まる訳にはいかないと思って
いるので自分の中で“答え”が出るまでは
同じような女性の被害者が増えるだろ
最後まで救いがない展開でつらかった


殺された桃里も可哀想だった
桃里は蒼太から優しく扱われて
愛されていると思っていたが
蒼太には恋愛感情は全く無く桃里が
して欲しい事をしていただけだった
タイトル幻霙とは“幻のみぞれ”
蒼太も桃里も互いに都合の良い幻想を
見ていただけだった
雪でもなく、雨でもない“みぞれ”
蒼太の不安定な精神状態を表現していた


父が蒼太に対して無関心で無ければ…
心を許せる友人が一人でもいれば…
つらく、やるせない読後感で
蒼太の心境そのものだった
Bule、Pink ではなく心の闇が描かれた
“Black ”な物語でした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

pforphoto-7181903__480



こんな人にオススメ
・不思議な話が好き
・ミステリーが読みたい
・考察しながら推理したい



あらすじ・内容
神振市に勃発した連続猫殺し事件
芳雄が憧れている同級生・ミチルの
愛猫も殺されてしまう
町が騒然とする中、謎の転校生の
鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる
鈴木は自称「神様」で世界のことは全て
お見通しだというのだ
鈴木の予言通りに起こる殺人事件
芳雄は転校生を信じるべきか?
それとも疑うべきか?
神様のシリーズ第1作



      



――――――――――――――――――――――




ネタバレ・感想
光一が怪しいので疑って読み進めが
物語は全く違う展開になった
最大の謎はミチルの共犯者は誰なのか?
芳雄の父が共犯者と考えられるので
天誅は父に起こり、悲しくつらい物語
になると思いきや・・・


ラストシーンで芳雄の燃えてしまう
一瞬、意味が分からなくなった(-ω- ?)
この事から物語を考察してみる
考えられるパターンは3通り


神様を信じる場合
鈴木→神様
犯人→母

ミチルの共犯者は母なので燃えている
この場合、母は井戸のフタに隠れていた
(小柄なので何とか可能と考える)
ミチルがみんなを誘導した
芳雄の父に連絡させ時間を稼いだ
ミチルと共犯者は定期的にエッチを
していたと鈴木は言ったが互いに
同じ趣味ならおかしくはない

問題点
・小柄な母が井戸から子供を引上げ可能か?
・警察が無能すぎる



神様を信じない場合
鈴木→神様でない
犯人→父

ミチルの共犯者は芳雄の父になる
ミチルが誘導して時間を稼いだ
父は現場に残った指紋や足跡などの
形跡を隠す事ができる
ミチルや母は偶然事故にあった 

問題点
・ミチルや母の事故が偶然とは思えない
・鈴木の予言的中の謎



神様を信じる場合2
鈴木→神様
犯人→父

ミチルの共犯者は芳雄の父になる
父の不自然な行動も納得できる
こう考える場合、問題になるのは
やはりなぜ母が燃えたのか?
共犯者に天誅が下るので父に天誅が
下らないと鈴木が神様にならない
ここでの天誅を父の死ではなく
父を苦しめる事と考察する
(鈴木は共犯者を殺すとは言ってない)

父への天誅
・父は母を愛していたので苦しむ
・本当の子供ではない芳雄を一人で育てる

これが父にとって死ぬよりつらい事
だと仮定すれば筋は通る
この解釈が一番スッキリした



ミステリー要素に神様の存在が加わる
斬新な設定で面白かった
子供ならではの無邪気な質問が
伏線になっているのは見事だった
芳雄にとってはどう転んでも犯人は
両親のどちらかなので読後感は悪い

鈴木は本当に神様なのか?
結局、真実は何なのか?
作中ではハッキリ描かれないので
読者に解釈に委ねるラストだった
続編の「さよなら神様」が気になる
タイトルから鈴木が死ぬのか?
芳雄が死んでしまうのか?
読んで謎を解明したい

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ