読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

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こんな人にオススメ
・就活中の人
・一気読みしたい
・ミステリーが好き



あらすじ・内容
成長著しいIT企業「スピラリンクス」の
最終面接に残った六人の就活生
一ヶ月後までに最高のチームを作り上げ
ディスカッションをし、その結果次第
では全員に内定が出るという
波多野祥吾は五人の学生と交流を深める
しかし、本番直前に連絡があり
「六人の中から一人の内定者を決める」
という課題に変更された
仲間だったはずの六人は、一つの席を
争うライバルになった
当日、内定を賭けた議論が進む中で
六通の封筒が発見される
個人名が書かれた封筒を開けると
「○○は人殺し」だという告発文があった
かれら六人の嘘と罪とは?
そして、犯人の目的とは──
2022年本屋大賞5位!


    



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ネタバレ・感想
最終選考の方法が変更になり仲間だと
思っていたのが一変しライバルになる
しかも、犯人が用意した告発文あった
この展開で一気に物語に引き込まれた
この設定が面白かった
犯人が気になって一気読みだった


【登場人物】
波多野祥吾
・前半「就活事件」の主人公
・散歩サークル所属
・嶌のことが気になっている
・袴田賞『参謀部門』

久賀蒼太
・フェアが口癖
・知的で爽やかな好青年
・袴田賞『リーダー部門』

袴田亮
・ムードメーカー
・ボランティアサークル所属
・体育会系の元野球キャプテン

矢代つばさ
・超絶美人
・ファミレスでバイトしている
・袴田賞『グローバル部門&人脈部門』

嶌衣織
・洞察力に自信あり
・後半「それから」の主人公
・袴田賞『最優秀選手部門』

森久保公彦
・賢そうな縁なしメガネ
・口数は少ないが野心家
・袴田賞『データ収集部門』


─就職試験─まで読んで犯人は嶌
(あくまで波多野視点では)
秘密を暴露された就活生は可哀想だった
で特に波多野は犯人にされてしまうし
本当に犯人は嶌なのか?
頭が切れるし全部演技だったのか?
犯人なら恐ろしすぎる((( ;゚Д゚)))


しかし、後半から物語は一変する
スピナリンクスに入社した嶌が
当時の最終選考に残った人たちを
訪問し、事件の真相を解明していく
あれ?嶌は犯人じゃないのか?
嶌は波多野が犯人と思い込んでいた
であれば真犯人は誰なのか?
嶌が入社してるし犯人の動機は?
事件の真相が気になって一気読み
嶌さん疑ってすまん(´-ω-)人


波多野の飲酒写真の違和感から
犯人は酒に詳しくない人物……
久賀が犯人だと分かり接触する
久賀は犯人だと認めるが動機が分からない
なぜ自身が不利になる告発をしたのか?


なんと!久賀の目的は内定ではなく
就活試験への不信感から就活に
に対して復讐することだった!
優秀な友人は二次試験で落とされたが
久賀は残っている
他の最終選考に残ったメンバーは
自身も含め友人より優秀な者はいない
久賀は就活をメチャクチャにしたかった
う~ん、この考えは理解できないが
就活中はストレスだらけで通常の
精神状態じゃなかっんだろう


グループディスカッションや嶌の
インタビューによって六人の就活生を
悪い人物だと巧みにミスリードした
嶌が犯人だと勘違いした読者は多いハズ


それぞれの就活生を「グズ人間」と錯覚
させる伏線や仕掛けが良かった
時に森久保の詐欺事件では森久保は
「騙されるほうが悪いでしょ」と発した
これだけ読めば金に困った悪人森久保が
犯罪に荷担したと思える
しかし、この言葉は自身に向けた言葉で
自分を責めていた
嶌から割引券を貰おうとする様子から
森久保=お金に困っていると刷り込まれた


そして、嶌が好意を持っていたのは
波多野ではなく久賀だと考えれられる
嶌と波多野妹とシーンで

波多野妹
「好きな人だからこそ兄は票をいれ
続けたんですよ」


「本当に鋭い考察だ」

嶌が票を入れ続けたのは久賀
久賀に特別な感情があったからこそ
複雑な想いを心に抱いていた


終盤に嶌の足が悪いことが分かり
・矢代が電車で優先席に座ったこと
・久賀が車椅子スペースに駐車したこと
それぞれは嶌への気遣いだった
(序盤ファミレスに向かう時に
嶌が歩くのが遅い描写はあった)
飲食店でのバカ騒ぎも森久保への
気遣いからだった
全ての真相が分かるとみんないいヤツ
ばかりで驚いたし気持ちがスッキリした


許せないのは最終選考の方法
人事担当者はふざけている
採用枠が6で全員採用するならいいが
一人しか採用しないに就活生に
選ばせる方法はバカにしている
優秀な人材を選択するのは難しいが
人事担当なんだから自分で決めるべき


就活生も採用側も良く見せるために
多少の嘘はつくし、採用試験の問題や
闇をテーマにして考えさせられた
特殊な設定や読者をミスリードする伏線
終盤に向け次第に謎が解ける展開は
面白くて一気読みだった


波多野と嶌が見た月のエピソードは
この物語を象徴して上手いと思った
月の裏側=就活生の見えない部分
とにかく、様々な伏線が張り巡らされ
キレイに回収するのでミステリー好き
にオススメの1冊です!

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こんな人にオススメ
・騙されたい
・一気読みしたい
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
10年前、洋食屋を営んでいた父親が
通り魔に殺されて以来、母も失踪した
それぞれ別の親戚に引き取られて
不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹
しかし、妹の妃奈が遺体で発見され
運命の輪は再び回りだす
被害者であるはずの妃奈に保険殺人を
行っていたのではないかという疑惑が
かけられていた
妹の潔白を信じる美桜は、その疑いを
晴らすべく行動を開始する


    



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ネタバレ・感想
騙されたー(≧口≦)ノ
帯にあるように二転三転する展開で
先が気になって一気読みだった
出てくる登場人物は狂った人ばかり
みんな怪しくて犯人が分からなかった


情報提供者に呼び出され貝東駅前の
カラオケボックスでのシーン
金田は妃奈への恩から証言してくれた
それを聞いた美桜の行動が異常だった
妹の疑惑が晴れて安堵するかと思いきや
トイレに駆け込み、不敵な笑みを浮かべ

妹の不幸を悦んでいた( 。゚Д゚。)

美桜怖すぎだろ
美桜視点で物語が進んでいたし
応援しながら読んでいたので驚愕!


美桜のロッカーに鶏の死骸が入れられた
事件で犯人は鹿沼なのか?
佐神は出所したはがりなので佐神=鹿沼
はありえないので共犯か?
あるいは美桜が二重人格なのか?
と推理しながら読み進めた
読めば読む程、誰もが怪しい(  ¬ ω ¬  )


佐神の影が色濃くなってくると
協力者と言える渚か桐宮のどちらか
が犯人に見えてくる


渚の正体は渚に成りすました別人で
真凛に歪な愛情を持った男だった
→真凛から恐れられたい
→真凛は美桜の事を恐れる
→妃奈の潔白を証明する為に協力する
→それでも真凛は美桜を恐れる
→面白くないので美桜を殺そうとする
渚の考えも狂っている(;゚Д゚)
渚は犯人ではなかった


桐宮の正体は「グリル那見」に度々
現れていた”少年だった
あれ?でも名前が違う(・_・?)
“蓮”は想像のつけた架空の名前だった
そして、美桜の回想と思っていたのは
妃奈の回想だった!
これには完全に騙された
桐宮は鶏小屋で鶏を捌く美桜を
心配して、救いたいと思っていた
美桜に鶏を捌かせる父親は異常だし
見てみぬふりをする母親もおかしい
美桜の前歯がなくて歯並びが悪いのは
父親から殴られたのが原因だった
桐生も犯人ではない
完全に昨日からミスリードされた


そして、守衛の元へ逃げる美桜
桐宮も美桜を追ってくる
桐宮と守衛が争う気配がした後に
部屋に隠れる美桜の元に現れたのは
日本刀を手にした守衛だった
何と、守衛は佐神翔の“父”である
佐神逸夫だった!!
これは気付かなかった( 。゚Д゚。)
守衛はノーマークだった


不幸な境遇にいた美桜と妃奈
「虐げる側」「虐げられる側」と表現され
美桜たちは「虐げるられる」だった
美桜は佐神逸夫を殺害し「虐げる側」
になり物語は幕を閉じる


桐宮は助かったのか?
美桜はこれからどうなるのか?
歯の矯正を決意する美桜だったが
これは光なのか?闇なのか?
今後どうなるのかが気になるなー
振り切った感じがしたので
「虐げる側」を突っ走りそうだ


疑問が残る点
・ヒロ君はなぜ美桜のロッカーが
 わかったのか?
→子供が鶏を誰にも見つからずに
 ロッカーに入れるのは難しい

・銅森はどうやって会社を立て直し
 たのか?妃奈は関わっているのか?
→妃奈に感謝しているので何かしら
 関わっているだろう
 金を持ち逃げしたヤツに保険を掛け
 殺害したのか(流石に深読みしすぎか)
 何かしら金策に関わっているだろう

・妃奈は本当に佐神翔を殺したのか?
→一人で殺害することは難しい
 銅森が関わっているのか?

・表紙は美桜か?妃奈か?
→タイトルがレモンと殺人鬼なので
 「虐げる側」になりレモン嫌いを
 克服した美桜(歯の矯正済)だろう
 妃奈は実際には殺したか書かれてない
 佐神逸夫の証言が本当か分からない


登場人物は最初と最後で印象が違った
みんなどこかが狂っていた
桐宮の話を最後まで聞いていれは
美桜は一線を越えなかったかもしれない
一人称「私」の回想が美桜ではなく妃奈
佐神翔視点のシーンが父・逸夫だったり
完全に騙されどんでん返しを楽しめた
人間の狂気や怖さにゾワゾワしたし
一気読み必至の1冊でした!

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こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・一気読みしたい
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
医者の英雄と一見、幸せな結婚生活を
送る絵里は本当の名前は咲花子といい、
英雄が元夫を殺した証拠を探していた
一年半前、咲花子は刑事から当時の夫が
転落したことを知らされる
しかし、夫殺しの容疑者であった英雄
の不起訴が決定した
彼女は真相を探るべく、顔と名前を
変えるて英雄に近づいた──
復讐のために、人はどこまで非情に
なれるのか?一人の女の情念を描いた
サスペンス・ミステリー!


    



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ネタバレ・感想
夫を殺された咲花子は復讐する為に
名前と顔を変えて英雄の妻になる
英雄が犯人となる証拠を探していくが
中々証拠は出てこない


憎い相手をそばに置き、衝動を飼い殺し
ながら英雄を愛したふりをする咲花子
心の中にいる忠時の死の真相を解明
しようとする執念は凄い
復讐という名の灼熱が灯っていた


咲花子目線で英雄を見てもいい人にしか
見えず、殺人犯じゃなさそうだった
咲花子は戸惑いながらも次第に英雄に
惹かれていく
デート中にバイクで事故を起こした怪我人
を助けた様子からも犯人とは思えない


亜希子の病室で英雄のパソコンを見つけて
からは緊迫感があって良かった
特にパソコンを雑誌で隠しているシーン
は背後に英雄がいるしバレたらおしまい
何とかバレなかったが、英雄からは
怪しまれハラハラした((( ;゚Д゚)))


互いに怪しむ咲花子と英雄
亜希子が退院して一緒に暮らすように
なって安堵する咲花子だったが・・・

亜希子には全てバレていた!

亜希子は最初から咲花子を疑っていて
初めてメールした時にマルウェアを
送り咲花子の行動を監視していた!
また、パソコンにはスパイウェアを
入れて咲花子に渡していた
パソコンを調べた時間や見た内容
まで亜希子にはバレていた( 。゚Д゚。)
亜希子はノーマークだった
ITの勉強してたしなー


そして、亜希子は咲花子を殺そうと
アイスピックを振りかぶる
もう、ダメかと思った時に英雄が
二人の間に入るが肺を刺されてしまう
苦しむ英雄から発せられた言葉で
新たな真相がわかる

英雄は忠時を殺しておらず
英雄が殺したのは咲花子の父だった!

だから、車を運転しなかったのかー
医者にしては慎ましい生活は咲花子を
金銭的に支援していたからだった


ラストの海に英雄の骨を撒くシーンは
印象的だった
咲花子は様々な感情が渦巻いていた

憎んでいるのか。愛しているのか。
哀しいのか。嬉しいのか。
惨めなのか。幸福なのか。
泣いているのか。笑っているのか。
罷業なのか。潔いのか。
弱いのか。強いのか。
愚かなのか。聡いのか。
地獄にいるのか。天国にいるのか。

この対比は咲花子の感情だが
咲花子と英雄の対比になっている
この心理の描き方は上手いと思った


どんなイヤミスが来るかと思ったが
真相は切なくやるせない気持ちになった
忠時の死は事故だった
父親の復讐は果たせたが、悲しい
亜希子がパソコンを渡さなければ
3人で仲良く暮らしていたかもしれない
忠時の復讐に燃えていたが
次第に英雄に惹かれる咲花子
絵里(咲花子)を愛した英雄
兄を守りたかった亜希子
みんなが悪人ではないが為に
すれ違いが大きくなってしまった


咲花子は父親は殺されるし
愛した男は次々に死んでしまうし
もっと早く真相を掴めばよかったのか?
それとも隠し通せれば幸せだったのか?
咲花子と亜希子は幸せになってほしい


秋吉作品にしてはイヤミス度は低め
物語に引き込まれ一気読みだった
伏線も至るところにちりばめられ
大満足な1冊でした!

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