こんな人にオススメ
・騙されたい
・どんでん返しを読みたい
・ロジカルなミステリーが好き
あらすじ・内容
見ず知らずの若い男性に殺されそうに
なりながらも、何とか助かった梢絵
だが、なぜ襲われたのか全く分からない
警察の調べでは男が残した手帳から
連続無差別殺人事件の犯人である可能性
が極めて高いという事が分かる
最後のターゲットだった梢絵だけが
助かり、男は事件後に失踪している
事件から4年後、梢絵は男が自分を襲った
理由をはっきりさせる為に推理集団の
「恋謎会」に調査を依頼する
大晦日の夜、「恋謎会」のメンバーは
それぞれ独自の推理を繰り広げる・・・
どんでん返しロジカルミステリー!
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ネタバレ・感想
読み終えた感想は面白かった
見事に騙されましたΣ( ̄□ ̄)!
正直、序盤はダラダラした展開で
登場人物の名前も分かりにくいし
少し読みにくかった
しかし、中盤以降の推理合戦は見物
ミステリー作家が多数いるからか
「恋謎会」の考察は奇抜な物が多く
同じ証拠でも色々な解釈があり面白い
強引な推理や都合の良い解釈には笑った
推理が進むにつれて少しずつ事件の
繋がりや真相が見えてくるが、事件の
“動機”は「恋謎会」でも分からない
第9章の解まで読んで推理すると
・投書絡みであるが無差別殺人
・口羽がサイコパスである
・籾山の同居人怪しい(関係者か?)
“動機”は投書絡みの逆恨みか?
第10章の殺で真相が明らかになる
なぜ梢絵は事件後にわざわざ
マンションの“1階”に引っ越したのか?
双侶がこの違和感から推理を展開
そして衝撃の事実が・・・
梢絵は実際に口羽に襲わているが
襲われたのは1997年11月6日ではなく
1997年2月15日だった!
これには完全に騙された
最後のターゲットと考えられていた
梢絵は実は最初のターゲットだった
1.架谷(はさたに)
2.矢頭倉(やとくら)
3.寸八寸(かつま)
4.梢絵
ではなく、実際には
1.梢絵
2.架谷
3.矢頭倉
4.寸八寸
口羽は梢絵に殺されていて
全ての罪を口羽に被らせる為の犯行
梢絵が襲われた“動機”を考えながら
読み進めていたので全然気づかなかった
梢絵が犯人だと分かった上で読み返す
とかなり作り込まれた話だった
「恋謎会」の推理での梢絵の描写が絶妙
真相を知った後はとえら方が変わる
・口羽死亡の可能性が高いとの考察シーン
梢絵はショックを受けて驚いているが
これは襲われた“動機”がもう分からない
ショックではなく、本当は「口羽の死」
を第三者から指摘された為だった
・2月15日の話が上がったシーン
梢絵は2月と聞き戸惑う描写が描かれて
いるが、普通に読めば「どうして自分の
事件ではなく2月から始めるのか?」
という戸惑いに読める
だが実際には「どうして、口羽を殺して
しまった2月の話から始まるのか?
もしかして、口羽殺害がバレたのか?」
という戸惑いだった
他にも伏線は散りばめられていて
ミステリーとしての破綻は無い
被害者の中の生き残りが犯人という
ありがちなオチだが、梢絵が実際に
第1章で襲われている点と“動機”の解明
に焦点を当てさせるミスリードに完敗
ラストで双侶は梢絵に殺されてしまう
双侶は死なないで欲しかった
そして、口羽を許せない梢絵が口羽を
陥れる為に連続殺人者になるという
恐ろしいシーンで幕を閉じる
可哀想な被害者と思われていた梢絵が
実はダークヒロインだったという
どんでん返しに驚いた1冊でした
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