こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ハラハラしたい
・心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
深雪は婚約者の俊亜貴を連れ故郷である
雪之島を訪れる
結婚をしてありふれた幸せを手に入れる
はずだったが、祝宴の席で思いもよらない
事を島民から聞かされ状況は一変する
やがて俊亜貴は行方不明に…
この島は何かがおかしい──。
人間の奥底になる執着心と狂気を
描いた傑作サスペンス!
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ネタバレ・感想
サスペンスに加えてミステリー要素
やホラー要素もあって面白かった
島の良い所と悪い所が絶妙に描かれ
それぞれの登場人物の視点の心理描写
が丁寧なので感情移入しやすかった
章ごとに視点が変わっていて
それぞれの視点から物語を楽しむことが
できる読みごたえのある作品でした
章ごとの視点は下記の通り
第一章 深雪
第二章 俊亜貴
第三章 深雪
第四章 達也
第五章 深雪
第六章 弥生
深雪が婚約者の俊亜貴を連れて島に
帰ってくるところから始まる
雪の寒々しい感じや島の閉塞感が
感じられて少し怖い雰囲気だったが
本当の怖さはそこではなかった
イヤミス要素や読者の想像を掻き立てる
描き方でグイグイと作品に引き込まれた
人が殺される記述は一切無く
全てを明かさない終わり方で描かれ
あくまでも読者の想像にまかせる
弥生は最後にどうなるのか?
幸せになって欲しいが…
回収されない謎もあった
俊亜貴はどうなったのか?
・フェリーに乗って帰った描写はない
・紫色のスマホが雪室で見つかる
・行方不明のまま姿を表していない
第四章での達也と俊亜貴の会話や
達也の心情から推理すれば殺していない
助手席にあったスコップは雪掻きで
使うのでおかしくないし
で見つかった紫色のスマホは
雪室用の雪を集め回っていた達也が
雪と一緒にすくい雪室に入れてしまった
こう解釈してもおかしくない
しかし、達也がフェリーに乗った描写が
ないからこそ殺された可能性もある
俊亜貴が殺されているなら1月2日
そして、1月3日には雪室で長時間の
作業をしている島の男達…
かなり時間が掛かっている様子だった
俊亜貴を埋めた雪が溶けないように
雪室を固めていたと推測される
鈴木のスーツの写真を見た朋子の反応
から殺されている可能性もある
もし、殺されている場合は達也は
トラックの荷台に死体がある状態で
深雪とキスをしている
それなら達也がサイコパス過ぎる!
(その場合、鈴木も殺されている)
怖いのは神でも自然でもない
結局、人間が一番怖い((( ;゚Д゚)))
俊亜貴がしっかりした人間だったなら
無事に深雪と一緒に島を出れたのだろう
最後は深雪が幸せになったように
感じるのにスッキリしない読後感
弥生が冬に婚約者になる彼氏を
島に連れて来ても大丈夫なのか?
深雪が冬に連れてきたらいいと
したアドバイスが意味深だった
俊亜貴を連れてきたのが冬なのに…
もし、俊亜貴が殺されていたとして
全部を理解した上での発言なら
深雪に狂気を感じて恐ろしい
純粋に島の魅力の一つである雪(雪室)
を知ってもらう為だと思いたい
もっと深読みすれば雪菜は誰の子か?
深雪が島に戻って3度目の夏の時点で
1歳8カ月(わざわざ月齢まで記載)
最後に深雪が俊亜貴と関係を持った
タイミングからすると俊亜貴との子供
でも不思議ではない
ラストの深雪と義母の微笑みも怖い
真相は語られないが、ゾワゾワした
先の展開が気になって一気読みの1冊
秋吉作品は初読みでしたが大満足
島おこしの話も面白くて興味深かった
他の作品も是非読みたいと思います!
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