こんな人にオススメ
・ミステリーが好き
・切ない話が読みたい
・心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
高校生の秀一は母と妹との3人暮らし
その平和な家庭を脅かす闖入者が現れた
母が十年前に再婚していた曾根という男
曾根は秀一の家に居座り傍若無人に
振る舞い、母の体のみならず妹にまで
手をだそうとしていた
警察も法律も家族の幸せを取り返して
くれないことを知った秀一は曾根を
葬り去る完全犯罪を計画する──
哀切な心理を描いたミステリー
――――――――――――――――――――――
ネタバレ・感想
幸せな家族を脅かす理不尽な存在・曾根
家族を守る為に秀一が考えたのは殺人で
完全犯罪に挑む切ない話だった
倒叙ミステリーの形式化で展開していく
秀一は殺人計画を立てて完全犯罪に挑む
犯人側の視点で物語が進むのでハラハラ
するし、真相がバレないかの不安や
殺人を犯した後の苦しみで胸が痛かった
“そうなって欲しくない”方へ話が進む
曾根殺害から次第に道を踏み外していく
悲しく切ないが作品自体は面白かった
法的に曾根を追い出す為弁護士に相談する
→家の名義人(母)が訴えを起こせば可能
→しかし、母親は追い出す気配なし
→弁護士と母と曾根が話し合いの場
→全く話にならず曾根は部屋に籠る
→盗聴により遥香の実父が曾根と知る
→帰宅時に曾根に犯される母を目撃
→このことがきっかで殺害を決意する
盗聴器を仕掛けて知らなくていいこと
を知ったり、見なくていい物を見たり
このシーンは辛かった
秀一は完全犯罪を計画する
頭がいいだけに発想が凄かった
準備もしっかりと進めていく
いざ、計画を実行する時はシーンは
ハラハラして手に汗握った(;´゚д゚)ゞ
秀一の心理描写が丁寧に描かれいて
緊迫感や臨場感が凄かった
・誰にも相談できない苦しみ
・殺人を決意する怒り
・殺した後の落ち着かない心理
色々な感情が胸に突き刺さった
身近に相談できる友人がいたら…
曾根の末期ガンが分かっていたら…
石岡が秀一を目撃してなかったら…
こんな切ない展開にはならなかった
主人公が追い詰められ破滅に進む様子や
切ない展開は角田光代の「月の紙」
の主人公の梨花のようだった
秀一の場合は家族を守る為だった
彼の取った行動は本当に切ない
周りの友達も優しいやつばかりだし
ラストの別れのシーンでは涙した
彼女の紀子
「私が好きだったというのも嘘?」
秀一
「ああ。嘘だ。」
ホントは好きなのに葛藤し答えた
自殺する自分を忘れさせる為の
優しさで紀子を想っての事だった(ToT)
家族との別れや自分自身との別れ
自転車でトラックに突っ込む描写で
物語は幕を閉じる
全てを背負って自殺した秀一
こんな切ない殺人犯はいないだろう
殺人はいけないが、何とか逃げきって
捕まらないで幸せになって欲しかった
とにかく切ないストーリーでした
切ない話が読みたい方にはオススメです
映画化もされてます
秀一→二宮和也
紀子→松浦亜弥
17歳ならではの葛藤や美しさ
二ノの飾らない演技が良かった
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