mountain-7357738__480



こんな人にオススメ
・サイコパス物が好き
・イヤミスが読みたい
・人間的な怖さを味わいたい


あらすじ・内容
20年ぶりに帰郷した了衛を迎えたのは
閉鎖的な村人たちの好奇の目だった
愛するワルツの名曲(美しく青きドナウ)
を通して、荒廃した村を立て直そうと
奮闘する了衛だったが……。
雄大な調べがもたらすのは天啓か?
厄災か?著者史上最狂・最悪の
どんでん返しミステリー!



   




―――――――――――――――――――――――



ネタバレ・感想
ほのぼのした田舎でのミステリーかと
思いきや想像できない展開の連続だった
読み終えたらタイトルが怖すぎた


美しく青きワルツが1冊を通して流れる
穏やかだったり、激しかったりして
まさに、了衛の心を描いていた
都会で挫折し限界集落にUターンした
了衛を待ち受けていたのは閉鎖的で
冷たい集落の人びとだった
みんな癖が強く曲者ばかりで嫌になる
こんなところには住みたくない


了衛は地域に溶け込もうと努力する
しかし、奮闘むなしく上手くいかない
やればやるほど空回りしてしまう
住民との溝もどんどん深くなる

・窓ガラスを割られる
・自転車を怖される
・放火される

犯人は住人の誰かで違いない
お金が無くなりハローワークに通うが
中々いい仕事は見つからずにいた
そんな苦しい精神状態の了衛にさらに
追い討ちを掛ける事件が起こる
精神的支えでもあった飼犬が殺され
これが引き金になり了衛は住人たちへの
怒りを爆発させる( ;゚皿゚)ノシ


常識人は能見だけだった
いつも了衛の見方だった能見に家を
空けるように誘導する了衛
その夜に能見以外の住人を殺害していく
了衛怖すぎだろ((( ;゚Д゚)))ガクガク
この残虐さが美しく青きドナウの
綺麗な旋律によって際立った


しかし、これだけで話は終わらない
一見、いい人そうだった能見だったが…






まさかの黒幕!!






全然常識人じゃなかった(笑)
能見自身も結核の件で住人を恨んでいて
了衛を上手く操り復讐の道具と利用
了衛への嫌がらせも能見の仕業だった!


そして、最後の最後でどんでん返し
終盤に「ヒートアップ」に出ていた
警視庁生活安全局の宮條が登場する
宮條いわく、閉鎖された製薬会社から
向精神薬が流れ井戸水に含まれている
この薬を大量摂取した場合は廃人になる
という恐ろしい話だった
了衛の家の井戸水では検出されず
能見の家の井戸水から検出されていた
という驚きの事実だった
この向精神薬はヒートだよなー
作品間リンクも楽しめる1冊


津山事件や山口連続放火殺人事件を
モチーフにしているのか?
読書感は悪いが、了衛の狂っていく
心理描写は人間の狂気を感じた

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村