こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ハラハラしたい
・どんでん返しが好き
あらすじ・内容
「知られざる傑作がある」と言い残し
世界的な画家・山中がこの世を去った
さらに、傑作を預かっていた医者までも
が死亡してしまった
両者とも、死の直前に会っていた人物は
山岡の妻・美弥子だった
学芸員の由紀は山岡の回顧展を成功
させるため、美弥子に近づくが……
1枚の絵を巡り、人々の思惑が複雑に
絡み合うサスペンス・ミステリー!
―――――――――――――――――――――――
ネタバレ・感想
序盤で世界的画家・山岡が急死する
その山岡の最後の傑作を預かっていた
医師でコレクターの新藤も死亡する
事件なのか?事故なのか?
山岡が残した傑作とはどんな絵なのか?
山岡と進藤が最後に会っていたのは
美弥子であり明らか怪しい
新藤を殺す動機や山岡の最後の絵が
気になり一気読みだった
山岡の遺作・女は美弥子を描いていた
回顧展の目玉作品として展示される
しかし、贋作との疑惑が発生する
由紀も贋作の可能性が高いと思うが
立場的に認める訳にはいかなかった
この時の由紀は大変すぎる(・・;)
何とか、回顧展は無事終了したが
回顧展後の祝賀パーティー中に美弥子は
新藤殺害容疑で逮捕されてしまう
美弥子の昔の友人の証言により
山岡の遺作・女は美弥子が描いていた
ことが決定づけられた
作品で山岡は晩年、目が悪くて色彩を
ハッキリ見分けることができなかった
山岡作品の特徴であるグラデーション
が用いられていたので美弥子が関与した
山岡作品は多いだろう
(美弥子が手伝い合作の可能性もある)
しかし、物語はここで終わらない
終盤にどんでん返しが・・・
何と、山岡の本当の遺作が発見された!
それは真っ黒な絵だった( *゚A゚)
美弥子はその作品は山岡の遺作に
ふさわしくないと考え自分の描いた絵
とすり替えていた
そして、その真っ黒な絵の下には
山岡の前妻・綾が描かれていた
山岡が新藤に絵を預けていたのは
美弥子にバレないためだった
心の奥では前妻のことを愛していた
どうしても作品として残したかった
そして、更なる真実も明らかになる
新藤はネットで山岡初期の作品の贋作を
見つけ落札するがこっちが本家で
山岡の作品はこの作品を模写していた
この事が明らかになると思い山岡は自殺し
美弥子はこの作品を回収するために
新藤を殺害していた((( ;゚Д゚)))
全てを山岡に捧げていた美弥子だから
このような結果になっていた
謎が謎を呼ぶ展開が良かった
かなりのやり手である竜也も謎が多く
敵か見方か分からずハラハラした
実際はいいヤツで物語のいいアクセント
になっていた
なんだかんだで由紀は父と同じように
美術関係の仕事を続けるだろうし
竜也も上手く生きていくだろう
今後の二人の関係が気になる終わり方だった
美術関係の知識が無くても読みやすく
知らない世界を知れて面白かった
本物か贋作か分からない作品の価値や
政治家のマネーロンダリングに使われたり
絵画の世界は奥が深かった
サスペンス要素に加えミステリー要素も
あって読みごたえのある1冊だった
無性に美術館に行きたくなりました
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