
こんな人にオススメ
・ミステリーが好き
・心理描写を楽しみたい
・緻密に作られた作品が読みたい
あらすじ・内容
真里子は新進気鋭の画家・田島と幸福
な結婚生活を送っていた
しかし、ある日に1通の手紙により
夫の浮気を知ってしまう
許せない気持ちを胸に、相談相手に
選んだのは、夫婦の友人の井関だった
3年ぶりの再開に、惹かれあう2人
夫の提案により笑顔で別れようと
伊関を含めた3人で乾杯をすることに
出された酒を口にした途端、田島と
真里子が倒れてしまった
夫が企てた無理心中か?殺人か?
謎に包まれた真相に迫る心理ミステリー!

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ネタバレ・感想
トラベルミステリーでおなじみ西村京太郎
本作は時刻表は出ないが面白かった
無理心中なのか?殺人なのか?
殺人であれば犯人は井関で間違えない
しかし、動機がわからない
真里子まで殺したのは何故か?
第1章から第4章までは真里子視点
第5章から第10章までは刑事・矢部視点
前半は次第に不安定になる真里子の
心理描写が丁寧に描かれている
事件が起こるまでの過程が語られる
第5章からは一転して少しずつ真相に
迫るながら謎が解けていくのを楽しめた
肝心の殺害の動機が推理できず
なぜ真里子まで殺したかがわからない
この謎が解ける過程がパズルのピース
が埋まっていく様にスッキリした
井関の几帳面な性格や真里子の日記
などの伏線が回収されるのは良かった
井関は田島の画家としての才能に
負けた事が一番辛かっただろう
しかも、好意を寄せていた真里子は
田島を選び結婚してしまう
田島の浮気を知った時に完全に
殺意が設計されて事件が起こる
真里子の肖像画を汚す事で田島と真里子
の行動をコントロールする伊関が凄い
頭がキレるし緊張感があった
また、探偵役の矢部刑事の執念や青葉城跡
で井関を追い詰めていくシーンはハラハラ
したして手に汗握った
特に井関が伊集院に対して肖像画の服の色
を聞いた時は緊迫感があった
伊集院が肖像画の服の色を間違えて
いたら逃げきっていただろう
この駆け引きには痺れた( ´゚д゚)
頭脳戦も楽しめたし満足な1冊でした!

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