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こんな人にオススメ
・探偵物が好き
・一気読みしたい
・本格ミステリーが読みたい



あらすじ・内容
かつては個人の別送だった寮「リラ荘」
を日本芸術大学生の学生7人が訪れた
その夜、橘と紗絽女の婚約発表に
学生たちは心のざわめきを感じていた
翌日、リラ荘そばの崖下で遺体が発見され
横には死を意味する札、スペードのAが!
そして、スペードの2が郵便受で見つかり
第2の殺人が起こる
事件は連続殺人の様相を呈し、第3、
第4の殺人が──。
本格ミステリーの金字塔!



    



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ネタバレ・感想
初版発行がなんと!1968年( 。゚Д゚。)
50年以上前に書かれた作品にも関わらず
本格ミステリーが凄かった
なぜ、トランプが置かれるのか?
山荘モノでもあり面白かった


リラ荘を訪れたの7人の学生たちは
みんな癖のある人物ばかりで今後の
展開に期待が高まる


尼リリス・・色白で太っている
      牧の婚約者、わがまま

牧数人・・・声楽科(テノール)
      まじめな好青年

松平紗絽女・音楽学部(バイオリン)
      橘秋人の婚約者

橘秋人・・・音楽学部(ピアノ)
      釣りが趣味

行武栄一・・声楽科、元美術学部(洋画科)
      酒好きだが禁酒中

日高鉄子・・美術学部、黒縁メガネ
      パイプをくわえる女傑
      橘に好意ありか?

我孫子宏・・声楽科(バス)、背が低い
      紗絽女に好意あり

園田万平、お花さん・・リラ荘管理人



第1の殺人(スペードA)
炭焼きの須田
・崖で転落死
・リリスのレインコートを着ていた
・犯行可能→我孫子


第2の殺人(スペード2)
紗絽女
・砒素による毒殺
・飲み物を作ったのは紗絽女
・犯行可能→我孫子


第3の殺人(スペード3)

・うなじを刺され刺殺
・釣りをしていた
・犯行可能→我孫子、行武


第4の殺人(スペード4)
お花さん
・タオルで絞殺
・犯人に気づいたか?
・犯行可能→全員


第5の殺人(スペード5)
行武
・トイレで撲殺される
・犯行可能→全員


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これまでの状況から我孫子逮捕

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第6の殺人(スペード6)
二条
・吹き矢で死亡
・矢にはトリカブトが塗られていた
・犯行可能→全員


第7の殺人(スペード7)
リリス
・溺死
・裸の状態
・犯行可能→牧、日高


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我孫子は留置所にいたので無実

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第2の殺人の紗絽女が自殺でなけれ
犯人は我孫子しか考えられないので
我孫子の逮捕には理解できるが
警察がリラ荘到着後の殺人はダメだろ
警察が無能過ぎて笑ってしまった
(警察がもたもたする間に5人殺される)
逆に考えれば犯人はかなり計算高い
一連の事件を同一犯と決めつけてるし
見事に名探偵の引立役になっている


第2の殺人で橘が殺されていた時に
チェス大会が行われてた
この時にアリバイが無いのは日高のみ
日高が東京に帰らず隠れてながら
殺人を犯していたと推理したが
警察が日高のアリバイを調べたら
東京にいたことが判明する

 
う~ん、犯人分からん(・_・?)
リリスは郵便局に出ているのが怪しい
紗絽女のカップ以外を洗わせたり
橘を探す時もみんなに指示を出してるし
ただ、紗絽女や橘を殺すのは不可能
怪しいがアリバイがある・・・
このアリバイを崩せず悔しかった
全部の殺人事件が同一犯人じゃない
という事だけしか分からなかった








事件の真相は・・・















リリスが犯人だった( ̄□ ̄;)!!



第1の殺人
炭焼きの須田
・転落死ではなく事故死だった
・リリスがレインコートとトランプを置く
・殺人に見立たてアリバイを確保した


第2の殺人
紗絽女ではなく
・トランプ利用し殺人の順番を誤認させる
・死体を川につけ死亡推定時間を遅らせる

リリスは紗絽女殺害後は完璧なアリバイ
があったが、紗絽女殺害前のアリバイは
ないのので橘の殺害は可能
カードの数字で見事に騙された(;゚д゚)


第3の殺人
橘ではなく紗絽女
・ココアの粉に砒素が入れられていた
・リリスは砒素に耐性があった
→これには無理があり見抜けない
 しかも、砒素には色白になる効用あり
 (リリスの両親は色黒)


第4~6の殺人
・全員犯行可能


ここまでがリリスの犯行
第2、第3の事件の時系列をカードを
使い逆にするトリックは見事だった
犯人を怖がり刑事に助けを求める
演技をするなどしたたかな女だった



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第7の殺人
リリスが溺死で殺される
・リリスを犯人と知った日高が殺害
・牧には睡眠薬入りジュースを飲ませる


気になったことが一つ
リリスは168センチで65キロ
鮎川先生から見ればデブらしい・・・
全然太ってないし、むしろ丁度いい
厳し過ぎる( ̄▽ ̄;)
細い女性がタイプなんだろう
また、日高に対してはもっとヒドイ
ブスとか不細工などと描かれている(笑)
時代を感じさせる作品集だったが
見立て殺人のトリックは面白かった


探偵の星影が登場してからは伏線は
一気に回収されてスッキリする

・犯行に使用されたペンナイフ
→行武の色盲を了解

・消えた2枚のトランプの謎
→パイプで汚してしまった

・ブルーサンセット
→行武に対する紗絽女の嫌がらせ
 (美人だが、性格悪すぎる)


どんどん人が死ぬし(7人の犠牲者)
犯人は最後まで分からないし
先の展開が気になり一気読み必至
完成度が高いミステリー作品だったので
は現代風にして映像化して欲しいなー
かなり昔の作品でしたが満足な1冊でした!


星影が登場する作品はたくさんあり
星影シリーズとして人気です
下記の作品があります

「白の恐怖」
「朱の絶筆」
「青の密室」
「道化師の檻」
「薔薇荘殺人事件」

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