こんな人にオススメ
・クイズが好き
・一気読みしたい
・心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
クイズ番組「Q-1グランプリ」決勝に
真実した三島玲央は、対戦相手・本庄絆
がまだ一文字ものが問題が読まれれぬ
うちにボタンを押し正解するという
不可解な事態を訝しむ
いったいなぜ彼は正解できたのか?
真相を解明しようと彼について調べ
決勝を1門ずつ振り返る三島はやがて
自らの記憶も掘り起こしていく──
2023年本屋大賞6位クイズミステリー
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ネタバレ・感想
問題が読まれる前になぜ正解できたのか?
ヤラセか?何かトリックがあるのか?
この設定が面白く物語に引き込まれた
登場人物
三島玲央・・主人公
本庄絆・・・Q-1グランプリ優勝者
坂田泰彦・・Q-1グランプリ総合演出
桐崎さん・・三島の元恋人
問題が読まれる前に答えるのはヤラセ
しかないと思いながら読み進めた
しかし、本庄や番組が疑われるし
ヤラセであるなら一文字聞いた瞬間に
答える方がリスクはない
番組もそっちの方が盛り上がる
真相が分からず、三島に感情移入した
先の展開が気になって一気読みだった
三島は疑惑を解明する為に本庄に
連絡を入れるが返事はこない
「なぜ一文字も読まれないクイズを
本庄が正解できたか」という“クイズ”
に三島が解くことになる
三島はクイズ番組だけではなく
本庄に関わる情報を集めていく
そして、出演者が必ず答えられる
問題が用意されていた事に気づく
本庄はその事に誰よりも早く気づき
出演者を調べていた
本庄恐るべし((( ;゚Д゚)))
最終問題においてはかつて出演した番組
で「ママ、クリーニング小野寺よ」が答え
の問題に正解した事があった
自分がいじめによって山形に住んでいた
人生をクイズ肯定してくれた
それがきっかけでクイズを猛勉強した
坂田はその事を知っているので最終問題
に出るかもしれないと予測できた
出題者の口の動きから一文字目が「ビ」
と確信して回答ボタンを押したのが
0秒回答の真相だった
しかし、ここで話は終わらない
三島が0秒回答の真相に納得した時に
本庄が発した言葉は・・・
「っていうのはどうですか?」
本庄は最終問題を予測できていたが
正解する事が目的ではなかった
自身のYouTubeとオンラインサロン
をビジネスにする為の話題作りが目的で
クイズに正解しなくてもよかった
本庄の沈黙の理由は反省ではなく
ビジネスの準備をしていたからだった
三島と「Q-1グランプリ」は本庄の
ビジネスに利用されていた
やっぱり本庄は恐ろしい(;゚Д゚)
問題
「ずばり、クイズとは何でしょう?」
答え
「クイズとは人生である」
三島はクイズに対して真っ直ぐで
ひたむきなかんじが良かった
一方ら本庄の答えは「ビジネスの一つ」
この対比が印象的だった
また、作中の「ピンポン」という音は
クイズに正解したことを示すだけの
音ではない
回答者を「君は正しい」と肯定してくれる
音でもあるというのは心に残った
早押しのクイズ番組で正解者を見ても
「物知りで凄いな」としか思わなかったが
この作品を読んだ後は印象が変わった
クイズの答えを導くために出題者の
口の形や次に続く言葉を予測したり
リスクを背負っても必要な早押しなど
クイズの奥深さを知り面白かった
人生はクイズ(問題)の連続でいくつも
の選択肢がある
間違ったと思っていても、楽しく
幸せに生きていれば正解になる
クイズを楽しみ自分の“正解”を見つけたい
斬新な設定で一気読みの1冊でした!
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