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こんな人にオススメ
・ミステリーが好き
・短編集が読みたい
・緻密な伏線を楽しみたい



あらすじ・内容
ドラッグストアでアルバイトをする
新井智久は、斜向かいの喫茶店で働く
七海杏子と交際中
仕事終わりにその喫茶店に寄ると
先ほどし自分の店で買い物した男が
レジから四千円を盗んで逃走した
なぜか杏子はその後、智久に自分の
苗字を名乗ってほしいと頼み(撫子の予言)
『時世堂百貨店』の周りで起こる
少し不思議な事件
巧妙な伏線がもたらす驚気のラストとは?


    


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ネタバレ・感想
傍聞き」や「教場」の作者である長岡弘樹
やっぱり短編ミステリーは面白い
どの作品も短編集にするのは勿体無い
くらいに伏線が緻密に張り巡らせている


作品はそれぞれ独立している短編集で
「時世堂百貨店」の周囲のミステリー
同じ登場人物が出てくるので関わり
に注意しながら読み進めた
なんか違和感があると思っていたら
時系列が逆になっていた
つまり、第1章の「白い修道士」が現在で
第8章の「交点の香り」が一番古い話になる


時世堂百貨店の隣(40年間)
児童養護施設の事務所
→五木総合クリニック
→リサイクルショップ(ガジェットハウス)
→ドラッグストア(エックス栄町点)
→倉庫(中古タイヤ保管場所)
→製靴工場
→時世堂百貨店の倉庫


「白い修道士」
孫娘の機転がナイス
観察力が凄かった
絵もすぐ上手くなりそう
 

「暗い融合」
少し無理があるがゾワゾワした
精神科医が患者と融合していた
痴漢事件の真相に驚いた


「歪んだ走姿」
フォームを変えさせるのが伏線
野々村は結果的に踏ん張れた


「苦い確率」
展開に無理があるが、まさか
ボクシング賭博の逆張りとは(笑)


「撫子の予言」
これが一番好きだった
数が並ぶのはレア感がある
七波智久(ななはちきゅう)
杏子はいつ気付いたのか?
恋愛要素も楽しめた


「翳った指先」
展開に無理があるがハラハラした
店長いい人そうなのに


「刃の行方」
少年、五木は拉致され被害に遭う
若き五木敬真の悲劇が描かれる
しかし、これは患者への荒療治だった


「交点の香り」
新造は児童養護施設の教師の和江の
家に泥棒に入る

新造→泥棒
和江→不正受給詐欺

第1章の伏線が回収される
全体を読み終えるとパズルのピース
がはまるようにスッキリした
泥棒の子供が駅伝の警察チームの監督に
なり、いじめられっ子がプロボクサーに
なっていたりと面白かった
登場人物は頭がいい人が多かった!
ただの短編集で終わらないのがいいし
やっぱり短編ミステリーの名手なので
構造がしっかりしていて作品を楽しめた
サクサク読めるのも良かった

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