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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・どんでん返しを楽しみたい
・切ないミステリーを読みたい



あらすじ・内容
家族で遊園地に行き、夢のような時間を
過ごしたあの日。両親は火事で一家心中
をはかり、幸子だけが生き残った
17年後、事務員として働く幸子は
交際中の隆哉に生い立ちを告白できず
葛藤していた
過去に決別しようと両親の墓を訪れた
幸子は、雪絵と出会う
雪絵に亡き母を重ねる幸子は次第に
復讐心に囚われていく
加害者と被害者の思いが交錯した時
衝撃の真実味が明らかになる
生き残った者の苦悩と再生を描いた
慟哭のミステリー!


    


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ネタバレ・感想
下村作品は「生還者」以来だったが
本作も“生き残った者”がテーマになり
心理描写が丁寧に描かれていた


まず、序盤のテーマパークのシーン
では普段の生活では考えられない
まさに“夢のような時間”だった
押さない幸子も嬉しいながらも
戸惑いや不安を覚えていた
そして、その不安が的中する
帰宅した夜に家族が一家心中する
幸子だけが生き残った
17年経っても傷は癒えずにいた
自分が幸子の立場だと考えてたら
両親を恨むだろうか?
周りに頼れる人もいないだろうし
つらい人生が想像されて心が痛かった


家族の墓参りに行ったことにより
物語が一気に展開していく
ここからはページを捲る手が止まらない
雪絵に母を重ね復讐心に囚われる
幸子が雪絵に言った
「あなたの罪は生き残ったこと」
は幸子の心境を表していた
これは自分にも言っているように感じた
幸子自身も本当に苦しんいた


幸子が雪絵と雅之の手紙のやり取りを
盗み見るシーンはハラハラした
子育てはした人しかわからないが
本当に大変さがリアルに描かれいた
雪絵の気持ちもわかるし
完全に育児ノイローゼだった
周囲に相談できる人はいなかったのか?
雪絵の両親には頼れなかったのか?
雅之や娘の美香につらさを説明して
家族が協力して子育てをしていれば
と悔やまれた
(手紙は全部幸子が書いたと分かる)


幸子は次第に復讐心が強くなっていく
幼い頃の記憶から郷田を標的にする
幸子は被害者だという意識から
レイプでっち上げ郷田を社会的に
抹殺し復讐をやりとげる
しかし、終盤には驚きの真相が・・・














 




郷田は加害者ではな被害者だった!
郷田は子供を交通事故で亡くしていた
原因は相手の居眠り運転で犯人は
何と、幸子の父だった( 。゚Д゚。)
家に来ていたのは借金取りではなく
直接、“慰謝料”を取り立てていた
子供を殺された相手なので激しい
口調になっていただろうし
幸子は激しい借金取りて思い込んでいた
帯にもあったが、まさにオセロのように
全てがひっくり返った!
この展開は全く予想でなかった
どんでん返しにやられた
加害者と被害者は紙一重だった


幸子も大変な人生だっただろうが
郷田も壮絶な人生だった
郷田視点に立ってみると

息子を交通事故で亡くす
→加害者家族が一家心中
→加害者家族の生き残りが現れる
→真相を知らずに恨まれる
→嘘のレイプをでっち上げられる
→社会的に抹殺され信用を失う

郷田自身にも幸子に対して負い目を
多少ながらも感じていただろうし
事務所に幸子がいきなり現れた時は
本当に驚いただろう
被害者が加害者になって新たな被害者
を出すという負の連鎖の物語だった
郷田は幸子に対して、両親が加害者と
知ったら傷つくからと真相を隠していた
負の連鎖を断ち切ったのは凄い


ラストは未来に希望が持てる終わり方
幸子はようやく前を向くことができた
隆哉と幸せになって欲しい
本作は下村さんがラストをどうするか
決めずに書き出した作品との事だった
幸子にとって雪絵と出会えたのは
救いに繋がったし、それは亡くなった
家族がもたらしてくれたものだった
加害者と被害者に焦点を当てた
読み応えのあるミステリーでした

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