こんな人にオススメ
・音楽か好き
・こじらせた青春小説が好き
・変わったミステリーを読みたい
あらすじ・内容
父親が死んだ。自殺だった。
俺は安藤直樹。父親が残したパソコン
ね中にいるのは裕子。いや違う、
あれは単なるプログラムにすぎない。
でもプログラムに意識が宿ったら・・・
いったい彼女は何者なんだ!
徹底した方法意識に貫かれたテクスト
が読者を挑発する
第五回メフィスト賞に輝くデビュー作
-------------------
ネタバレ・感想
浦賀和宏といえば「彼女は存在しない」
や「眠りの牢獄」のようなどんでん返し
が代名詞であっと驚く作品が多い
本作は19歳の時に書いたデビュー作
安藤直樹シリーズの1作品目でもある
デビュー作は尖った青春小説だった
ミステリー度は低く安藤一家の謎に
に迫る物語だった
自殺した父のパソコンには「安藤裕子」
という人工知能が搭載されていた
裕子は機械なのか?意思はあるのか?
直樹は次第に裕子に惹かれていく
主人公の直樹の不安定で青臭い心理
を淡々と描いていく
20歳前後でコンプレックスや悩み
を持っている人には刺さりそう
「裕子」とは何者なのか?
先の展開が気になり一気読みだった
父親の前妻である佐々木が登場
してからは物語は急展開する
まず、佐々木が安藤の母だった
そして、裕子は姉だった( 。゚Д゚。)
死んだ姉とパソコンで会話するのは
安藤の父が望んでいた事なのだろう
父の家族愛を感じたが・・・
浦賀作品がこれで終わる訳がない
まず、姉だと思っていた裕子は・・・
母だった(;゚Д゚)
つまり、直樹は父と裕子(姉)の子供
近親相姦の末に生まれていた
相変わらずぶっこんでくるわー
直樹と裕子が似ている伏線を回収
そして、安藤が幼い頃に階段から
落ちて怪我をしたという話は
実は父が人工知能の“裕子”を作る
ために直樹の脳を使い実験していた
人工知能の裕子は実は自分自身だった
裕子=姉=母=自分
そりゃー頭おかしくなるわ
父の自殺の原因と浅倉に何があった
のかは本作では明かされない
(シリーズ第2段の「時の鳥籠」で
浅倉の物語が描かれ謎は解ける)
直樹以上につらい経験をしている
いったいどんな物語なのか?
気になるので是非読みたい
ミステリーに対する一応の答えはあるが
あくまで、直樹の推測になっている
作中ではっきり描かれてはいない
佐々木は全て事実を言ってない気がした
真相はシリーズを読めば分かるのか?
読者に委ねる終わり方だった
直樹同様に浦賀さんも名探偵が嫌い
なんだろうと思った(笑)
小説家志望のミステリーオタクの金田
をボコボコにしたことからもわかる
近親相姦や人体実験などをテーマに
した浦賀作品らしい物語だった
色々な謎は残るが面白かった
直樹はこれからどうなるのか?
気になるので続編も読みたい
【安藤直樹シリーズ順番】
・記憶の果て
・時の鳥籠
・頭蓋骨の中の楽園
・とらわれ人
・記号を喰う魔女
・学園祭の悪魔
・透明人間
にほんブログ村
コメント