こんな人にオススメ
・旅行やグルメが好き
・ミステリーを楽しみたい
・自身のルーツに興味がある
あらすじ・内容
邑楽風子は、ジーンズしか履かない
彼女は親を知らず、天涯孤独の身
東京は中谷銀座の路地裏で先祖を専門
に調査する探偵事務所を開いている
「曾祖父を探して」「先祖のたたりかも」
様々な調査依頼が舞い込む──。
宮崎、沖縄、岩手などで美味しい
料理を楽しみながらマイペースに
仕事をする孤独のニューヒロイン
新たなハードボイルド小説の傑作!
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ネタバレ・感想
やっぱり新川作品は面白い
「剣持麗子シリーズ」も良かったが
本作もヒロインの主人公が活躍する
探偵事務所には「先祖を探してほしい」
依頼がやってる
誰もが自分のルーツは気になるし
先祖や戸籍をテーマで斬新だった
この設定が物語に引き込まれた
登場人物にはそれぞれのドラマがあり
先の展開が気になり一気読みだった
風子自身が5歳月の時に母から捨てられ
児童養護施設で育っ4棄児だった
親が分からず、苦しんでいた
喫茶店「マルボーロ」店主・戸田康平
とその妻・昌子は物語のいい
アクセントになっていた
康平の入れる紅茶は美味しそうで
喫茶店に行って飲みたくなった
昌子は明るく天真爛漫な性格だが
好きな人ができたと家を出ている
風子は妻に捨てられた康平に対して
自分を重ねていた
依頼者が自分のルーツを知ったり
顔や性格が似ている先祖を見つけ
納得する様子は良かった
問題が解決していくのはスッキリした
また、ご当地の食べ物が出てくるが
全て美味しそうだった
特に第ニ話「棄児戸籍と夏休みの宿題」
で出てきた、馬刺、鹿肉ステーキ、
炊き込み御飯とイワナの塩焼き
これは食べてみたい
トラベルグルメとしても良かった
終盤はいよいよ風子のルーツに迫る
次第に真相に近づいていく風子
父は元ギャングのマテウス・オガタ
で祖国のブラジルに帰国していた
ずっと探していた母は沖縄にいる
ことが分かるが既に亡くなっていた
母の名前は玉城カメで風子の本当の
名前玉城ウトだった
そして、風子を捨てた理由が明らかに
棄民は簡単に助けてもらえない
棄児はすぐに戸籍がもらえる
つまり、風子の戸籍を作る為だった!!
娘のことを思っての行動だった
カメ自身が無戸籍で働きに出れない
保険証もなく簡単に病院に行けない
その結果、若くして乳ガンで亡くなった
押さない娘を捨てる覚悟は相当なことで
想像するだけで切なくなった
風子側からすれば紙切れ1枚の為に
20年以上孤独な生活を余儀なくした
無戸籍でも母と暮らしたかっただろう
もらたアルバムには知らない母がいて
どの母もジーンズを履いていた
これには涙した
親子の“しるし”のように感じた
ラストの桜は風子に対する母からの
メッセージだった
「自分がどこからきた存在なのか
先祖との繋がりを知るだけで
地に足をつけていられる」
これには共感した
自分のルーツが分かるだけで
自分自身ーより知れる気がしたし
あたたかい安心感があった
風子の父であるマテウス・オガタは
妊娠中の母を捨て出て行ったが
パルマはオガタに恩義を感じていたし
そこまで悪い一人じゃない気がした
おそらく、ギャングだったこともあり
妻のカメとお腹の子供に危険が
迫らないように離れだと思った
風子は先祖探偵を続けるようなので
続編を書いてほしい
風子は父に会いに行くのか?
風子と康平に何か進展はあるのか?
瑠衣の「戸田さんとできてるの?」
に対し風子「あの人、まだ既婚者だよ」
伏線の回収が続編でありそうだ
思いテーマだったがサクサク読めた
無戸籍に対しては問題がたくさんあった
戸籍の為に子供を捨てるということが
ないように国や行政は動いてほしい
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