こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・一気読みしたい
・恋愛モノが読みたい
あらすじ内容
法科大学院生の笠井修吾は就職の相談
がきっかけで同級生の館林景織子
と親しくなる
彼女には恋人に監禁された過去があり
今もその男らしき相手から連絡がくる
怯える彼女を守ると誓った修吾だったが
ある日彼女は、その男気とおぼしき
人物の車に自ら乗って姿を消してしまう
修吾は彼らを追って南の島に向かうが・・
衝撃の恋愛サスペンス!
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ネタバレ・感想
島本作品は「ナラタージュ」以来2冊目
本作はサスペンス要素あり面白かった
軽い気持ちで読み始めたら中々重かったが
中盤からは先の展開が気になり一気に読み
主人公の笠井は家族関係が良く頭もいい
恋愛経験は少なく、ピュアな人物
対象的に館林は家族と折り合いが悪く
過去の恋愛相手に依存し歪んでいた
闇を抱えた人間が笠井みたいな純粋な
人物に惹かれていくのは自然な流れ
だと思うが、館林の不安定さやどこか
矛盾するような強さが怖かった
作中での館林の「どうして正しいもの
と私が欲しいものは違ってしまうの
だろう」が心に響いた
笠井は“正しい”が館林が求めている
のは違っていた
親からの愛情に餓えていた時に一番
自分を愛してくれた高橋に完全に依存
してしていた
高橋も館林と似たところがあり互いに
惹かれ合ってしまった
“正しい愛”ではないとわかっていたが
愛情不足で歪んでしまっていたので
真っ直ぐな笠井を選べなかった
館林は笠井のことが好きだったのか?
保険として考えていただけなのか?
エピローグを読んでもハッキリしない
本心なのかと疑ってしまった
作中にあった国語の話で
「登場人物の気持ちなんてどうして
書いてないのにわかるんだ
笑っているのに悲しいとか
じゃー泣けばいいのに」
これは本作を示していた
タイトルは意味が分かると深い
笠井は匿名者(館林)のスピカ(一等星)
にはなれなかった
七澤は物語のアクセントになっていた
館林同様に家族の愛に恵まれず
心に闇を抱えていた
しかし、叔父・太一のおかげで
いい方向に変わっていった
冷静な七澤が探偵役になっていて
笠井とのコンビが良かった
どこか不思議な七澤は魅力的だった
一歩引いた視点から事件を見極めて
真相を暴いていく様は見事だった
笠井は女性不信になりそう(;゚Д゚)
これからは幸せになってほしい
笠井&七澤の今後が気になるので
続編を書いてほしなー
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