e191207ebd3a7acbaaa6a63169e295a5



こんなにオススメ
・ハラハラしたい
・心理描写を楽しみたい
・ストーカー物が読みたい



あらすじ・内容
商店街の小さなマッサージ店に勤める
さくらは、客の松原と付き合うことに
出版社に勤める彼と過ごす幸せの絶頂
のような期間はつかの間で関係は
悪夢のように変わっていく
強く束縛され、少しでも反論すると
激怒され、乱暴に扱われることに嫌気
が差したさくらは松原に別れを告げる
しかし、松原はさくらを付け狙う
預かっていた合鍵を頑として返さない
松原の妄想は加速度を増していく──。



    

-------------------








ネタバレ・感想
松原怖すぎる((( ;゚Д゚)))
付き合って松原の部屋での態度から
危ないヤツでとわかり最初から最後まで
不気味さが漂っていた
マッサージ師と客の関係で体に触れるし
客商売だから笑顔で接してくれるし
可愛らしいマッサージ師に好意を抱く
気持ちは分かる
ただ、松原は思い込みが激しい性格で
何も言葉が通じないところがリアルで
本当に怖かった


章ごとにさくらと松原の視点が変わり
ながら物語は展開していく
さくら視点はさくらの不安な心境が
丁寧に描写されハラハラした
一方、松原視点ではストーカー側の
心理や成り立ちがよくわかった
同じ出来事を描いても受け止め方が
違うとことに驚いた


さくらの部屋の合鍵を勝手に持って
行ったり、無断で部屋に入っている
シーンは本当に気持ち悪かった
さくらへの執着が凄かった
自分の都合がいいように解釈して
こう考えれは全て辻褄が合うと
本気で思っている様子は恐怖だった


さくらが周りに迷惑を掛けたくない
からと自分が我慢すればと行動した
のは、ななりまずかった
家族や周囲の事をわかってないし
さくらの行動が理解できなかった
(おそらく精神的にやられていて
正常な判断が出来きなかった)
結果的に松原に殺されるという
最悪な結末になってしまったのは
悲しく救いがなかった


さくらの嫌とハッキリ言えないところ
がストーカー好みの性格だった
LINEを既読にしたり、鍵
家に侵入されたと気付いた時に
隠しカメラで証拠を押さえて逮捕
したり、実家にきた時に警察を
呼んでいたらと思うとやるせない
和樹や池田先生は本当にやさしかった
池田先生と静岡で幸せに暮らして
ハッピーエンドで終わって欲しかった
それか、松原に居場所が見つかる
ところで終わって欲しかった


暗いベランダに松原に現れたシーンは
夜空に輝く月と桜の花びらが美しい
だけに松原がより不気味に映った
留置場(拘置場)での松原も怖い
さくらよりも池田を殺すべきだったとか
さくらを殺したことは、後悔してない
いつだって、僕は正しい
と回想するところはゾッとした
面会に来て、嬉しそうに笑っている
田沢さんも不気味で怖かった


すぐに警察に相談していれば
さくら一人で抱え込まなければ
実家に戻った時から家族に相談してれば
池田と先に付き合っていれば
たらればを言えばキリがないが
後味が悪いラストだった


松原がどう行動してくるのか?
と先の展開が気になり一気読みだった
読んでいてハラハラしかたが
ページをめくる手が止まらなかった
松原の異常な執念やサイコパスぶり
は五十嵐貴久の「リカ」みたいだった
畑野作品は初読だったが面白かった
代表作「海の見える街」も読もうと思う

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村