こんな人にオススメ
・藤崎翔ワールドが好き
・どんでん返しを楽しみたい
・巧妙に作り込まれた作品が好き



あらすじ・内容
｢私は報道されている通り、美人に該当
する人間性です。でもそれが私の人生
に不幸を招き続けているのです｣
飛び抜けた美人であるせいで不幸ばかり
の人生を歩むシングルマザーの香織(仮名)
娘の学校の教師に襲われた事件が報道
されたの機に、手記『逆転美人』を出版
したのだが、それは社会を震撼させる
大事件の幕開けだった──。
果たして『逆転美人』の本当の意味は！？
ミステリー史に残るトリックに驚愕せよ！


     



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ネタバレ・感想
途中まで読んで面白くないし、藤崎作品
らしくないしハズレかと思った
帯は大袈裟だし、文章も違和感あるし
不幸描写の連続で読むのが苦痛だった
香織が書いた設定だから読みにくい
｢娘が書いてました｣くらいでは弱い
どんでん返しを楽しみにしていたのに……
とハズレ作品で残念だったがと思って
いたが、全然ハズレではなかった！


読者へのメッセージは両肩読みの仕掛で
トリックは“本”に仕掛けられていた
右肩、左肩とかなりの違和感だったのに
全然気付かなかった(≧口≦)ノ
手記の左上、右上と読んでいくと


“この手記は嘘だらけです。
本当は十六歳の娘である私が書きました。
私の母、本名 森中優子は、私の父と祖父
とM教諭こと増谷幸二先生を、恋人Kさん
こと門田と共謀して殺しました。
このメッセージに気付いた人は通報して
深夜に森中家一階裏側の水玉模様の
カーテンの無施錠の窓を開け、窓際に
置いたカセットテープを取るように
伝えてください。
そこに母と門田が三件の殺人を認めた
会話を録音しました。
捕まるくらいなら私と弟と心中する
と言っています。だから、私と弟を保護
してから、母と門田を捕まえてください”


娘ちゃん、文才ありすぎ( ｡ﾟДﾟ｡)
これ途中で気付いた人どれくらい
いたんだろうと気になる
追記にも仕掛があって本当に細かい


“母さや門田さん、今まで育てくれて
ありがとう。でも、もう塀の外には
一生出てこないでください。
人を殺した罪を心から悔い改め死ぬ前に
少しでも人の心を取り戻してください
わたしと弟は人殺しの子だという
呪縛に負けず生きていきます
永遠にさようなら”


帯の伝説級トリックは大袈裟だったが
これを成立させたのは本当に凄い！
今回の笑い要素は藤なんとか翔さん
の部分だけだったが面白かった
これも、香織じゃなくて娘が書いた
と推理させる複線になっていた
この部分の書き方も上手かった

・右肩、左肩、右肩
・過去をさかのぼる
・これからやるべきことが見える
・手記を残した本当の意味

ここに大きなヒントがあったのに……
気付いていたらと本当に悔しい
｢K｣を拾うのにKICK THE CAN CREW
を使ったりする遊び心が良かった
本ならではのトリックに驚いたし
藤なんとか翔作品はハズレなしだった


藤崎作品は
｢殺意の対談｣、｢神様の裏の顔｣
｢お隣さんが殺し屋さん｣なども
面白いのでオススメです！


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