こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・ミステリーが好き
・どんでん返しを楽しみたい
あらすじ・内容
外回り中の営業部長・山縣泰介が
帰社すると、社内の様子が変だった
どうやら泰介が「女子大生殺人犯」と
されて実名、写真付きでネットに
素性が晒され、炎上しているらしい
まったくの濡れ衣だがTwitterで
犯行を自慢するアカウントは実に
巧妙で、見れば見るほど泰介の
ものとしか思えず誰一人としと
無実を信じてくれない
会社も友人も家族さえも……
ほんの数時間で日本中の人間が敵に
なり、誰にも彼にも追いかけられる
中で泰介は必死の逃亡を続ける
------------------
ネタバレ・感想
リアリティがあって面白かった
先の展開が気になり一気読みだった
序盤から物語に引き込まれた
浅倉作品は「六人の嘘つきな大学生」
が面白かったので本作も期待しつつ
読み進めたが満足な1冊だった
現在のネット社会では何か問題が
あれば、すぐに炎上してしまう
特定班も現れ個人情報も晒される
情報が嘘であっても関係ない
主人公の泰介も犯人であるとされ
逃亡を余儀なくされる
犯人は誰なのか?
「からにえなくさ」とは?
謎が謎を呼ぶ展開だった
・自宅のWi-Fiを経由したTwitter
・泰介の行動を熟知している
・二人目の被害者が倉庫で見つかる
このことから犯人は夏実なのか?
ただ小学5年生一人では犯行は
難しいので協力者がいる
あるいは泰介が多重人格で別人格
が犯人と推理した
サクラの登場から物語が加速する
何らかのかと事情を知る関係者と
思いきや、まさかのサクラ=夏実
この真相には驚いた( 。゚Д゚。)
夏実は小学5年生だったハズ
サクラは大学生だし……
一瞬混乱したが、夏実のパートは
現在ではなく10年前になっていた!
この叙述トリックにはやられた
上手く書けているし騙された
夏実の最初のパートでお父さんの
騒動=殺人事件とミスリードされた
よく読めば、学年主任が言った
「教頭先生がお休みなのは、
それとは関係ないんだけどね。」
に違和感を感じる
何でいきなり教頭の話題と思った
(この時のお父さんの騒動=教頭を
応接室で殴って失神させたという噂)
もちろん事実ではないので
学年主任は変な事は言っていない
一つ不満を言えば「からにえなくさ」
の真相は微妙だと思った
何らかのアナグラムと思って
考えた時間を返してほしい(≧口≦)
ここから先、私有地につき立入禁止
※動物にエサを与えないでください
これは看板を見た人にしかわからない
もう犯人は“えばたん”しかいない
山縣家の鍵やWi-Fiの番号知ってるし
夏実のパートが10年前なので
“えばたん”は大人だから犯行は可能
これまでのサクラの不可解な言動
もお父さんを守るためだった
犯人と真相がわかりスッキリした
シーケンの青江くん序盤怪しいと
思っていた(´-ω-)人
実際に泰介と同じようようなことが
自分に起こったらと思うと怖かった
家族は信じてくれると思うが
会社の人は信じてくれないなー(笑)
解説にもあったが、泰介は最近の
若者は頑張らず、「馬力」がない
初羽馬は年配者の古い価値観が
あるため、世界に出し抜かれる
と考え、世代間のギャップがあった
えばたんは全ての人間が自分は
正しいと思っていて、自分の価値観
だけが正しいという考えはおかしい
と気付いていた
本作のテーマはこの考えや価値観
について問題提起することだった
泰介はラストで自分の価値観を変え
家族や部下に寄り添うようになった
泰介のように自分の価値観を変える
のは簡単なことではないが
頭を柔かくして、よく考えて
色々な行動してみようと思った
ミステリーも楽しめたし、自身の
“価値観”について考えるきっかけ
にもなった満足な1冊数でした
にほんブログ村
コメント