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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ミステリーが好き
・どんでん返しを楽しみたい



あらすじ・内容
なぜ少年Aは殺されたのか?
重大な罪を犯して少年院で出会った6人
彼らは更正して社会に戻り、二度と
会うことはないはずだった
だが、少年Bが密告したことで
娘を殺された遺族が少年Aの居場所
見つけ、殺害に至る──。
人懐っこくて少年院の日々を「楽しかった」
と語る元少年、幼なじみに「根は優しい」と
言われる大男、高IQゆえ生きづらいと語る
システムエンジニア、猟奇的殺人犯として
日常をアップするYouTuber、高級車を乗り
回す元オオカミ少年、少年院で一言も言葉
を発しなかった青年
かつての少年6人のうち、誰が被害者で
誰が密告者なのか?
一気読み必至の衝撃のミステリー!


   

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ネタバレ・感想
新川作品にしては重めの物語だったが
先の展開が気になって一気読みだった
序章の「これは贖罪と復讐の物語である」
の本当の意味は最後にわかる仕組みに
なっていて、序盤は密告者である少年B
は誰なのかと注意しながら読み進めた


【登場人物】
雨宮太一
・猟奇的殺人犯
・全く更正していない
・YouTuber

堂城武史
・土木作業員
・罪の意識あり
・傷害致死

大坂将也
・いびつな家庭環境
・罪の意識は低い
・傷害致死

小堺隼人
・システムエンジニア
・律儀だかふてぶてしい
・傷害致死

進藤正義
・マルチ商法で高級車を乗り回す
・オオカミ少年
・詐欺、盗撮、窃盗未遂

岩田優輔
・父とゴミ屋敷で暮らす
・少年院では一言も発しない
・傷害

仮谷苑子
・フリーのルポライター
・「目には目を事件」を取材する

【少年院での生活】
・私語は禁止
・下の名前や犯した罪を訊くのも禁止
・あだ名もダメで必ず○○君
・ネームプレートに等級あり
赤色→三級(一番下)
黄色→二級
青色→一級
一級の課程が終わり身元引受人が
できたら退院できる(通常1年ほど)


第二章での青柳への取材内容から
被害者である少年Aが堂城だとわかる
ここから少年Bが誰なのかと
物語が一気に進展していく
スピード感があって良かった


少年Bは雨宮が怪しかったが
少年院を出たタイミングから
密告は不可能だった
大阪は嘘をついている様子はないし
岩田や小堺も発言から考えにくい
消去法で進藤しか考えられないが
性格的に違うようなー
少年Bはわからなかった


そして、物語は佳境を迎える
少年Aを殺した美雪の裁判のシーン
もちろん復讐したことに対しては
全く悪いとは思っていない
どう展開するのか思いきや
書記官から何故か呼ばれる仮谷……
被害者参加人の質問に移り
発言する仮谷(・_・?)
ここで一瞬、頭が混乱した
仮谷は旧姓で結婚していた時は
堂城苑子だった!
苑子は堂城武史の母だった!
これには驚いた( 。゚Д゚。)
完全に騙されたー
武史への取材は親子会話だった
読み返せば産まれた時の体重とか
武史の職場の社長の態度など
伏線はあったし上手く書けていた


被害者側の質問で苑子は密告者である
情報提供者を聞くが美雪の答えない

苑子「情報提供者罰を受けるべき」
美雪「・・その必要はない」

苑子「目には目をは、どうなったのか」
美雪「言えません」

苑子「一言でいいから、謝ってください」
美雪「謝りません」

・罰は受けるが謝らない
・悪いとは思っていない
・情報提供者は言わない

美雪の潔さや執念を感じた
武史を殺した深雪への復讐できないため
ここで少年Bへの復讐を決意した
密告者は進藤しかないと考え捜索し
苑子は何とか進藤を見つけ出す
しかし、進藤に復讐しようとする
大坂を苑子は止めてしまう
このシーンはよくわからなかった
大坂の罪になるから阻止したのか
苑子自身も勝手に体が動いていた


そして、ついに少年Bが明らかになる
密告者である少年Bは堂城武史だった
これは予想できたが悲しい結末だった
罪の意識はあり反省している
どうすれば遺族が納得するかを
考えた上での行動だった
美雪が密告者を言わかったのは
武史から止められていたのと
自身の罪が軽くなるのを防ぐためだった
武史の気持ちや行動を考えると
涙なしではページをめくれなかった


実際に自分が美雪の立場だったら
同じように復讐していただろう
苑子の立場ならどうだろうか?
自分の子供が殺される原因が
こちら側にあるので復讐するのは違う
悔しいが怒りをぶつける場所はない


復讐しても死んだ人間は帰ってこない
更正した姿を見ても現実は変わらない
「目には目を」と考える気持ちはわかる
ただ、被害者が救われることはないし
犯罪が減るわけでもない
「目には目を」はやられたら同じこと
をやり返しなさいではなく
目を潰されたとしても、目を潰すだけ
にして過剰な復讐はよしなさいと
解釈し負の連鎖を断ち切る意味もある
ラストは大阪が更正を誓って
未来に希望の光が差して良かった
結局、正しい答えはないが
少しでも前を向いて生きることが
大切だと考えさせられた
重めのテーマだった読み応えがあった
ミステリーも楽しめたしインタビュー
形式だったのでリアルで臨場感があった
新たな新川ワールドを感じた1冊でした


新川作品のオススメ作品は
元彼の遺言状」などの剣持シリーズ、
誰もが気になる自身のルーツを調べる
先祖探偵」は一読の価値あり

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