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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ミステリーが好き
・リアリティがある話が読みたい



あらすじ・内容
戦後犯罪史に残る事件に降された死刑判決
その報を知ったとき、正義を信じる
検察官大友の耳の奥に響く痛ましい叫び
──悔い改めろ!
介護現場に溢れる悲鳴、社会システムが
もたらす歪み、善悪の意味・・・
現代を生きる誰しもが逃れられないテーマ
に圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る
全選考委員絶賛のもと放たれた
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作!


    

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ネタバレ・感想
ずっと気になっていた話題作
現代社会の介護問題をテーマにした重い
作品だったが読み応えがあり面白かった
ミステリー要素もあり一気読みだった


緻密で高い構成力良かった
序章の裁判のシーンでは
「彼」、羽田洋子、斯波宗典、
佐久間功一郎、大友英樹が登場し
この5人の視点で物語は展開する
犯人の「彼」だけ名前が出ておらず
「彼」が“団”だと完全にミスリードされた


終盤に斯波が犯人とわかるシーン
(斯波に殺された団の死体が見つかる)
では、そっちかいと混乱した( 。゚Д゚。)
読み返して「彼」の章は団に感じる
ただ、斯波として読んでも物語に
破綻はなく上手く書かれていた
白髪で老けている描写などもあり
完全に騙されてしまった
(序盤の裁判のシーンで斯波は生きて
いるので時系列的に斯波が殺されて
いる可能性はない)
ヒントはしっかりあったのにー


しかし、物語の本質はそこではない
現代社会が抱える介護問題がテーマ
佐久間が感じるように国も悪い
介護保険法の改正で新規参入を促し
介護業者に利益が出てくると報酬を
減らすやり方は汚いと思った

→介護業界の給料は増えない
→慢性的な人員不足
→長時間労働で働く環境が悪い
→現場の負担も増える
→心身を壊し離職する

まさに負のスパイラルだった
国は現場の声を聞く気もない
介護の散歩の保険のサービス外だから
お金が掛かるなど意味がわからない
将来的に超高齢化社会になると
何十年も前からわかっているのに
目に見える対策をしていない
介護保険法も使えないし
介護離職という問題もある
しっかりと問題に向き合ってほしい


斯波がやったことは悪いことなのか?
遺族の中では助かったと思う人もいる
それだけ介護が大変だとわかる
斯波のロスト・ケアは必要悪だった
斯波のように厳しい生活を送っていた
者もいれば、大友のように“安全地帯”
で暮らしている者もいる
大友の言っていることは正しいが
偽善に感じて心に響かなかった
一方、斯波は法律的には間違って
いるが魂の叫びのように感じた


介護を受ける側からしても子供に
迷惑を掛けるくらいなら死にたいと
思う気持ちは心が締め付けられた
積極的な死は必要なのか?
延命治療は必要なのか?
自分がその立場なら死を選ぶだろう
生きることや介護の大変さを
考えさせられた1冊でした
国は介護問題にもっと真剣に
なってほしいし、マスコミも
どうでもいいニュースではなく
もっと介護問題を取り扱ってくれ
世論が変われば国は必ず動く
この本を多くの人が読んでほしい


映画化もされています
松山ケンイチ&長澤まさみ
原作とは違った感じになりそう
とにかく一人でも介護問題に興味
を持つきっかけになってほしい

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