
こんな人にオススメ
・前向きになりたい
・切ない話が読みたい
・心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
不倫の果てに刃傷沙汰を起こして
謹慎中のりり子伯母さんと、就活に
失敗してアルバイト生活の私
一族の厄介者の二人は伯母さんの
おんぼろアパートの部屋にあふれる
ブランドのバックから靴や銀食器、
着物までをせっせとオークションに
かけていく
すばる文学賞作家が描いた
ゆるやかな再出発の物語

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ネタバレ・感想
まず、表題作の「人生オークション」
これはオークションやフリマサイト
での“あるある”が多くて面白かった
部屋の様子は精神状態を反映していて
序盤は文字通り足の踏み場のない部屋
がどんどんスッキリとしていく
片付けていけば景色が変わるし
部屋だけではなく心もスッキリする
りり子も吹っ切れて良かったし
前向きになれる作品だった
物が売れて収入が入るとりり子が
焼き肉を奢ると言ったりするところ
が人の良さを感じた
ラストシーンでは謎がひとつ残った
最後の段ボールには何が残っているのか?
りり子曰く「私にしか価値がないもの」
昔の思い出の品とかかなー
物の価値は人それぞれ違うし
それが、オークションというツール
で上手く表現されていた
瑞希の就活の話も気になった
自分が就活してた時も自己分析は
あったが全然分析できなかった(笑)
働いていても自分自身がわからないし
学生に簡単にわかるハズがない
自己分析に対して「そんなのおかしい。
そんなことまでして就職したくない。」
と思う気持ちは当然だと思った
そんな瑞希も就活ノートを用意したし
再出発に向けて動き出すラストが良かった
自分の価値観を大切にしたいと思った
次に「あめよび」
“あめよび”って何のことかと思ったら
ラジオで野球中継が中止になった時に
流される特別番組のことだった
主人公は眼鏡屋のお姉さんの美子
6年付き合った輝男が結婚をしたがらない
一緒に住むのも嫌で自由に暮らしたい
結局、美子は輝男と別れる
2年後、偶然空港で輝男に再開する
美子は少し無口で優しい商社マンと結婚
彼は美子が欲しくてもどうしても
もらえなかったものをくれた
クリスマス、お正月、婚約指輪を得る
美子は輝男に自身の結婚や妊娠を告げる
ある意味、最高の別れ方ができたと
思っていたら輝男は「諱」を告げてきた
美子が泣いていたことから輝男のこと
をまだ好きだったことがわかる
輝男も美子のことずっと好きでいて
大切に思っていたことがわかった
すれ違いのラブストーリーかと思ったら
あとがきを読んだら驚いた
漢字3文字は在日の民族名か中国人名か?
平山という名字は在日の方に多いし
そういうことだったのかと考察した
輝男が借りてきた映画は「秘密と嘘」
家族の秘密と嘘を描いているし
輝男は東京に出てから故郷に帰ってない
おそらく、周囲から差別やいじめを
受けていたとみられる
それを乗り越えて東京では
「サンシャインゴリラ」として生きてきた
ハガキ職人は肩書きや地位など関係なく
本当の自分自身でいられる自分の居場所
美子と結婚しなかったのは、結婚したら
美子や家族が差別やいじめを受けるから
そして、美子が結婚して自分と結婚する
ことがないとわかったから諱を教えた
大切な人にしか教えない諱だからこそ
もう二度と会うことのない美子に教えた
輝男の大きな決意とも取れるし
最大の愛情表現になっていた
輝男はサンシャインゴリラとして生き
美子は優しい旦那とお腹の中の子供と
幸せに暮らすだろう
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