
こんな人にオススメ
・考察する話が好き
・心理描写を楽しみたい
・美しさとは何かと考えたい
あらすじ・内容
湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの
男性が殺された
捜査にあたった刑事は施設で働く女性
と出会い、二人はいつしかインモラル
な関係に溺れていく
一方、事件を取材する記者は死亡男性が
かつて旧・満州で人体実験に関わって
いたことを突きとめるが、なぜか
取材の中止を命じられる
吸い寄せられるように湖に集まる男たち
女たち、そして──
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ネタバレ・感想
ミステリーであり、恋愛小説であり
内容が難しかったが面白かった
全てがしっかりと書かれてないので
考察しながら読まないといけないし
何とも言えない後味の悪さだった
“湖の女たち”とは佳代、三葉、郁子
たがそれぞれが絡むことはない
佳代
・もみじ園に勤める
・虐げられたり恥ずかしめられて
興奮する性癖を持っている
三葉
・佳代の同僚の服部の孫娘
・もみじ園の事件の犯人か?
郁子
・もみじ園に勤める
・警察の取り調べで精神を病む
圭介
・葛藤を抱える刑事
・佳代の性癖に気付き関係を持つ
池田
・事件の真相を追う記者
・取材者によく好かれる
まず、圭介と佳代が狂っている
インモラルな関係は危なっかしく
少し気持ち悪かったが、人間の欲望に
正直に生きる様は美しくも思えた
取り憑かれたように惹かれあっていた
池田は満州日本軍の人体実験や不審死
の真相解明に地道に取材を続ける
冤罪でも犯人を捕まえないと立場が
ない警察を動きに葛藤する圭介
しかし、捜査や取材に上から圧力が…
病院に浸入したYouTubeの動画や
白衣を着た子どもたちは不気味だった
真っ暗な湖も怖い感じがした
とにかく物語が暗くてやるせない
登場人物に幸せそうな人がいないし
みんな濁っていて世界が雲っていた
唯一、池田の真相を追う姿だけは
イキイキとしていたように見えた
バッティングセンターの女とあと少し
だったのに可哀想だった(笑)
作中で一番印象的だっはたのは暗い湖
に佳代が沈んでいくシーン
佳代の立場だったら恐怖と興奮で
おかしくなるなー
圭介がサイコパス過ぎるし作者の欲望
が圭介で表現されているように感じた
筆力があるが、恐ろしく歪んでいる
読みたくないが一気読みしてしまった
謎はいくつか残る
・服部は三葉が犯人だと知っていたのか?
→怪しいが犯人だと思っていない
まさか孫がという思いがあったと思う
知って放置してたらヤバいおばあちゃん
・三葉はなぜ犯行に及んだのか?
→害虫とは寝たきりの老人のことで
「生産性のない人間は生きる価値がない」
と考えていたのが動機
三葉怖いぜ((( ;゚Д゚)))
・そもそも三葉は犯人か?
→怪しいが犯行は可能なのか?
介護施設にバレずに浸入できたと
して機器の操作(アラームがならない
ようにする)はできなそう
池田が家に来たときに疑われても
余裕そうな表情で楽しんでいる様子
だったし犯人ではなさそう
・池田を川に落としたのは誰か?
→薬害事件が表に出ると不都合がある
人物や企業の関係者が依頼
解説にも書いてあったが
湖は自らを波立たせることはできない
外からの力があって水面は表象する
その時まで水面下に何を隠しているか
誰も知ることはできない
佳代は圭介によって、水面を荒らされ
三葉は「津久井やまゆり園」殺人事件の
影響を受けて心に閉じ込めていた本来
の自分を解放していた
この時は世界が美しく見えただろう
この作品が言いたかったことは
湖(平常な時の心)に沈んでいる
物(自身の欲望や憎悪)は何らかしら
のきっかけで表に出る
それは愚かに映るかもしれないが
美しい“生”を表現していた
全てが曖昧に書かれていてスッキリ
しないので、少し物足りなく感じた
731部隊や三葉ら中学生をもっと
フォーカスすればより深い作品に
なっていたと思う
だだ、タイトルにあるように“湖”を
題材にしているので、表情を変える
湖(登場人物の心)がメインだった
風景描写が多くて湖の美しさも
イメージしやすかった
色の表現が繊細かつ豊かで良かった
早朝の琵琶湖で走ってみたいと思った
かなりキレイだろうし気持ち良さそう
映画化もされてます
圭介:福士蒼汰
佳代:松本まりか
福士蒼汰は圭介のイメージじゃないな
この難しい話をどう映像化するか楽しみ
暗いし、重いし、怖いし物語だったが
人の闇の部分を湖で表現したのは凄い
風景描写が抜群に上手い作品でした
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