
こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・贖罪について考えたい
・揺れる心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
内部告発で職を失った加南子は、逃げ
帰った故郷でひとりの男性と出会う
建築現場で放火事件を見回っていた
その男──大沢鈴樹は、加南子の実家
の工務店に住み込みで働く大工だった
加南子は高校の同級生である山喜輔
の経営するスーパーで働きながら
輔との将来に思いを馳せつつ、なぜか
鈴樹に心惹かれていく
しかし、鈴樹には大きな秘密があった
究極の「許されざる恋」を描いた
恋愛サスペンス!

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ネタバレ・感想
初読みの作家さんだったが面白かった
単純な恋愛小説じゃなくて良かった
内部告発により故郷に帰った加南子
そこで待っていたのは──
・明るくて優しい初恋の同級生の輔
・口数が少なくツンデレのイケメン鈴樹
この二人の間で揺れる加南子
序盤は加南子が思わせ振りな態度をとる
輔との時間は楽しく、鈴樹に対しては
ミステリアスで次第に惹かれていく
そりゃー輔も鈴樹も嫉妬するだろ
輔を選んでいれば穏やかで暖かい
家庭を作っていけたのに……
人を好きになるのは理屈じゃないし
加南子の揺れる気持ちは理解できる
鈴樹が加南子ためにTVの建築企画に
難色を示す加南子の父や楠工務店の先輩
たちを説得するシーンはかっこいい
無事に建築企画を成功させ放映日を迎える
これで、仕事が舞い込むかと思いきや
鈴樹が少年Aと発覚し窮地に追い込まれる
周囲の目は冷たいし、仕事も受注しない
田舎の閉鎖的な空間だからなお厳しい
夏祭りのシーンでは加南子の母が可哀想
でいたたまれない気持ちになった
返済に追われ家計はより厳しくなる
加南子は家計を助けるために仕事を
受けたのに全てが悪い方へ流れていく
それでも輔は変わらず優しく接して
くれるが、加南子の気持ちは変わらない
そして、このタイミングで加南子が
鈴樹との子供を妊娠したことがわかる
産むか?堕ろすか?気持ちは揺れる
元犯罪者との子供だから世間の目は
冷たいし産まれてくる子供は厳しい
人生を歩むことになる
自分が加南子だったら産む選択はできない
悲劇はまだ続いていく
工務店で仕事を手伝う加南子が角材
によって骨折してしまう
角材は落ちないように工夫されてた
現場にはなぜか高柴がいた
高柴怪しいすぎる( ¬ ω ¬ )
高柴が一連の放火犯なのか?
終盤に驚くべきことが発覚する
一連の事件の犯人は高柴ではなく
輔だった( 。゚Д゚。)
病院から逃げるシーンから違和感
は感じたがまさか犯人とは
高柴さん疑ってごめんなさい
動機は加南子の気を引くためだった
鈴樹を放火犯にする為、自分のスーパー
を放火するし、加南子に怪我させるし
鈴樹の子供を妊娠しているのに結婚
しようと加南子を諦めていない
輔の行動は怖くて狂気を感じた
鈴樹は子供の誕生をきっかけに贖罪
の意識が芽生えてよかった
ラストに少しか出て来ないが鈴樹の姉・
美鈴はサバサバした美人で魅力的だった
自分と鈴樹は暗い夜が続くみたいと
言っていたが、美鈴こそ幸せになる
権利はあるし、遺族の手紙にもあった
ように、行き遅れる前に結婚してほしい
高柴と3年もヤマキを守ってくれたん
だから、こんどは輔がや美鈴や加南子
と鈴樹の息子のために頑張ってほしい
そして、最後の一行の衝撃( 。゚Д゚。)
被害者の名前である“太陽”はないよー
色んな意味はあると思うがないよー
解説にもあったがある意味ホラーだった
あと加南子が普通すぎて、魅力的に
感じなかったが、逆に普通だからこそ
感情移入しやすくしたのか?
もう少し魅力的に見える描写があった
方が物語が深くなるように思えた
贖罪をテーマにしていて、考えさせ
られることが多かった
たとえ、罪を償っても過去に殺人を
犯した人を怖いと思うことは普通で
避けて関わらないようにしてしまう
昔から知ってる友達なら普通に接する
ことはできるが、その人のことを
知らないと避けてしまうよなー
高柴みたいな感じではないが知り合い
に保護司がいるので話をしたいと思った
突っ込みどころは色々とあったが
読ませる力がある小説だった
ミステリー、恋愛、サスペンスと
楽しむことができた1冊でした
林作品は「逃げる」や「堕ちる」も評価が
高かったので読んでみようと思います

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