貯金箱3000円札



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・自分らしく生きたい
・お金のことを考えたい



あらすじ・内容
就職して理想の一人暮らしを始めた美帆
(貯金箱30万)、結婚前は証券会社だった
姉・真帆(貯金600万)
習い事に熱心で向上心の強い母・智子
(貯金100万)、そして1000万を貯めた
祖母・琴子
御厨家の女性たちは人生の節目とピンチ
を乗り超えるため、お金をどう貯めて
どう使うのか?


    


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ネタバレ・感想

お金に関するリアルな話だったので
他人事とは思えず物語に没頭した
3000円の使い方は人それぞれだし
何が正しいとかはない
お金に対して向き合うことができた


心に残ったのは第5話「熟年離婚の経済学」
でFP黒船スーコのアドバイスだった
自身の病気や夫に対して悩む智子に

「あの人のせいで私は我慢している、
というような状態はやめるべきです。
それはお互いを不幸に追い込む
ことになりますよ」

確かに我慢したら幸せじゃないよな
相手のことを思って行動しても
相手が望んでいなかったら意味がない
我慢させていたら尚更つらい
自身が我慢するのもよくない
お互いにある程度は自由に生きるべき
黒船スーコにアドバイスしてほしい(笑)
8×12で100万は独身の時に近いこと
はできたが子供がいたら無理だなー
自分の両親はよくお金のやりくりが
できたと感心するし改めて感謝した


御厨家の女性たちの3000円の使いかた
それぞれ幸せになる為のものだったが
お金に対する価値は人それぞれ違う

【美帆-貯金30万】
・稼いでいるが貯金は苦手
・犬と住める家を買いたい
・婚約者は奨学金を抱えている

【真帆-貯金600万】
・結婚6年目ので3歳の娘がいる
・旦那は消防士で月収23万
・節約に励む倹約家
・貯金目標は1000万

【智子-貯金100万】
・長女真帆が高校卒業時に貯金800万
 しかし、娘二人の学費や結婚費用
 親や自分の入院中で貯金が減る
・夫の給料はここ10年上がらない
・夫が家事を一切手伝わない

【琴子-貯金1000万】
・智子の義母で70代
・夫はすでに亡くなっている
・毎月の年金じゃ暮らせない
・70代から働くことを決意


それぞれの年代で悩みがありリアル
共感できることが多すぎて一気読み
自分らしくならどうするか考えた
中でも真帆が凄いしえらいと思った
日々の生活では買いたい物を我慢し
結婚前の貯金が100万、結婚してから
500万貯めるのは凄すぎる
家賃8.8万、食費2万、小遣い0.5万
小さい子供を育てながらだから尊敬する
ランチでの友人との会話から
友人との生活環境を比較して悩む

・自分もいい所に住んでみたい
・娘に我慢させているのではないか?
・この生活で幸せなのか?

人と比較してしまうよなー
この真帆の気持ちが痛いほどわかった
年齢を重ねる度に格差が広がるし
お金に対して向き合うことになる
お金を何に使うべきなのか?
節約とは?いくらあればいいのか?
人生で大切なことや“幸せ”とは何かを
考えさせられる本だった


最後の「節約家の人々」では感動した
美帆は婚約者に奨学金の返済が550万
あり、結婚に悩んでいた
御厨家のが出した答えは結婚資金と
して50万円渡すのでそれをあてる
残りの500万は琴子が年利1%で貸す
それで奨学金を一旦返済させ
10年がかりで借金を返済する
この提案には美帆だけではなく
翔平も泣いていた
このシーンには涙してしまった
提案した琴子はカッコ良すぎだろ!


近年の物価高で生活は苦しい
昇給や給料がいいのは大手の会社で
格差はどんどん広がっている
共働きが当たり前でダブルワークも
珍しくない時代を生き抜くのは
大変だけど、その中で自分の“幸せ” 
を見つけていこうと思った
ラストの一文に書かれていた

お金や節約は人が幸せになるためのもの
それが目標になってはいけない

確かにお金があっても不幸なら意味
がないし、他人と比べてもしょうがない
自分が今できることを一生懸命して
色々なことに挑戦しようと思った
小説ながら自己啓発本を読んだような
読後感で大満足な1冊でした!

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