こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ハラハラする話が好き
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
すべての女は男の携帯を見ている
男は……女の携帯を覗いてはいけない！
同棲する彼女の携帯を軽い気持ちで
盗み見たことから生まれた、小さな疑い
だが、疑いは疑いん呼び、秘密が深まる
引き返せなくなった男の運命は？
話題の芥川賞作家による、驚愕の
家庭内ストーキング小説！


    


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ネタバレ・感想
鈴木は彼女・茉莉の浮気を疑い始めた
ことにより携帯を盗み見るようになる
気持ちはわからないことはないが
鈴木の執念やスリリングな展開に
ゾワゾワして一気読みだった


携帯電話という小道具を上手く使い
男女の嘘や嫉妬、揺れる思いや心理戦
や猜疑心がテーマになっていた
疑って見るとどんなメールも怪しく
たとえ白でも黒に見えてしまう
疑心暗鬼になる鈴木の心理描写が面白く
毎晩深夜に目を覚まして携帯を盗み見る
鈴木の執念は凄いが少し気持ち悪かった
結局、自分自身の弱さや茉莉を信じる
気持ちが足りないだけだった


茉莉の携帯の傷から浮気を疑うシーンは
解説にもあったが妙な説得力があった
そんな中、茉莉が鈴木の携帯のメール
に転送設定をしていた事実に驚いた
鈴木のメールの内容はだだ漏れだった
メールの転送設定を解除したことを
茉莉に隠さなかったのは良かった
(携帯の調子が悪いから機種変したと
理由を付けて変更することもできた)


携帯を盗み見るために睡眠の情報
を仕入れたり、尿意を利用したり
記憶力をフル活用するのには笑った
まさに、才能を無駄遣いしていた
そんかことに労力を使うくらいなら
茉莉へ少し寄り添うべきだったなー
互いに相手を知りたいがために取った
行動だったが悪い方にいってしまった
ラストの茉莉の言葉が怖い((( ；ﾟДﾟ)))

｢ねえ・・・私のケータイ見て
私のことがわかった？｣

これ言われたら回答できないよなー
自分だったら茉莉と関係を続けるのは
厳しいし、腹の探り合いはしたくない
携帯(スマホ)を見てもいいことはない
互いに少しくらい秘密はあっていい


茉莉の浮気を疑う鈴木の執拗な観察
全てを知っていて踊らせている茉莉
ハラハラシーンや緊張感に加えて
ホラー要素もあって一気読みだった
暗闇に残像として残る目の描写は
鮮明にイメージできて怖かった
男女のわかり合えない気持ちも
上手く描いていて面白かった


結局、二人は何が変わったのか？
携帯を見て何がわかったのか？
互いに信用を失っただけに思えた
機嫌がいい茉莉の様子が不気味で
二人はこれからどうなるのか気になる
スマホじゃなくてガラケーなのも
情報量が少ないが故に妄想が働いて
物語がより面白くなっていた
他の羽田作品も読みたくなった


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