空港ターミナルで歩いている乗客



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・考えさせられる作品が好き
・社会派ミステリーが読みたい



あらすじ・内容
仙台市で他殺体が発見された
拘束したまま餓え苦しませ、餓死させる
という残酷な殺害方法から、担当刑事の
笘篠は怨恨の線で捜査する
しかし被害者は人から憎まれるとは
思えない聖人のような人物で容疑者は
一向に浮かばずにいた
捜査が暗礁に乗り上げるなか、二体目
の餓死死体が発見される
一方、事件の数日前に出所した模倣囚
の利根は、過去に起きたある出来事の
関係者を探っていた──。

    


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ネタバレ・感想
テーマは重かったが面白かった
中山作品なのでどんでん返しもいい
序盤から先の展開が気になり一気読み


主人公の利根は貧困者と犯罪者に同じ
税金が使われることに疑問を持っていた
本当に必要な人に届かない現実に憤り
を感じていた
実際に世話になった、けいさんは生活保護
受理されず、餓死してしまう(ノ´Д`)ノ
これは本当に辛くやるせなかった
自分が利根と同じように立場だったら
同じように福祉保険事務所に殴り込み
に行って抗議したと思う


生活保護を申請する側と受理する側で
物語の見え方が全然違っていた
受理する側も真面目に上から指示された
仕事を遂行する公務員でしかなかった
予算は限られているので全て受理する
ことはできないし、娘の塾の費用の為
にパートを増やしたことにより3カ月
停止された母親はかわいそうだった


笘篠は被害者の共通点から犯人は
福祉保険事務所の職員に恨みを持つ
人物とにらみ捜査を進める
その中で生活保護打ち切り・申請却下
された資料を読むシーンが印象的だった
“段ボール二箱分の憎悪”とあったが
まさに憎悪そのもので苦しかった
却下理由や備考欄が空白のまま却下
されているのは、笘篠と同じように
得たいが知れない不気味さを感じた


仙台空港のシーンは緊迫感があって
ハラハラしたし、利根の心理描写や
臨場感が凄かった
笘篠側の視点もあり色々な角度から
物語を見れて良かった
刑事としての笘篠の意地と利根の執念
この二人の心理戦が凄かった
利根が旅行客に扮するのは想像できた
が女装していたのには驚いた( 。゚Д゚。)
しかし、笘篠に確保されてしまう
利根に感情移入していたので正直
捕まらないで欲しかった


ここで事件は解決したかと思いきや
ラストにどんでん返しがあった
最後のターゲットである上崎は警察に
確保され連行されていた行方をくらます
利根は上崎の行方にあてがあった
それは以前けいさんが住んでいた家だった
そこで上崎と対峙していた真犯人は・・・























カンちゃんだった( 。゚Д゚。)
しかもカンちゃん=円山管生

これには完全にミスリードされた
利根の言動に違和感を感じていたし
犯人はカンちゃんかもしれないと
思っていたが、円山だったとは!
利根が護りたかった者はカンちゃん
で犯行を阻止するために動いていた


生活保護をテーマにしてメッセージ性
が強い作品だったがミステリーとしても
本当にしっかり作り込まれていた
流石、安定の中山七里作品だった
カンちゃんの弁護人は御子柴が担当
してくれないかなー
近いテーマの「悪い夏」でも思ったが
社会福祉など生活保護が本当に必要
な、人の為にきちんと使われる社会
なってほしいと強く思った
タイトルの意味が深かった
作中にもあったが護られなかった者
との境界線は一体何だったのか?
深く考えさせられる作品だった
宮城県警シリーズの次作のタイトル
が「境界線」なので是非読もうと思う
笘篠や五代が登場するし期待したい

   

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