こんな人にオススメ
・リアルな心理描写を読みたい
・感情移入する作品が好き
・やっぱりダークな雫井作品だ!
あらすじ・内容
建築家の石川一登は妻と兄妹の4人家族
平凡な暮らしをしていたのだが・・・
しかし、高校生の息子の友人が殺害され
同じ時期から息子が行方不明になる
関係者で行方不明者は3人
目撃者より逃走した犯人は2人
息子は加害者か被害者か?
息子への望みを描くサスペンスミステリー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ネタバレ・感想
息子が加害者であれば犯罪者の家族として
世間から見られ今までの生活は崩壊する
被害者であれば息子は殺されている
どっちに転んでもバッドエンド
重い話だが息子の規士の安否が気になり
ページをどんどんめくってしまった
タイトルの「望み」の意味は重く
揺れ動く父母の葛藤がリアルだった
父親の立場で感情移入しながら読んだ
息子が被害者の場合、家族は救われる
息子が加害者でないと信じたい
一方、母は加害者でも生きていて欲しい
生きている事を信じ弁当の準備をする
自分が家族を支えるとい強さがあった
家族が加害者の物語はよくあるが
本作は終盤までどちらか分からない
最後は切ない結末になるが面白い作品
息子が持っていったと思われたナイフが
部屋で見つかった時、父は息子の死を確信
息子を信じる事ができなかった自分を責めた
自分の意思でナイフを置いていく判断を
した息子の規士は偉いと思った
これが息子が残した最後のメッセージに
父、母、妹の気持ちが痛い程分かり
終盤は涙が溢れた
息子の部屋でナイフを見つけた時の
父、一登の「馬鹿野郎・・・・・・」
母、貴代美の
「私は・・・・・・私は規士に助けられました」
繊細な心理描写で心を揺さぶられ
色々と考えさせらる作品でした
雫井脩介は「火の粉」以来でしたが
続きの展開が気になり一気読みしました
にほんブログ村
コメント