サラリーマンの読書

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カテゴリ: ミステリー

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・頭脳戦を楽しみたい
・ロジカルなミステリーが好き



あらすじ・内容
投資家・小池規彦の前に同じ大学の後輩
にあたる田島裕也が現れた
立ち上げたばかりのベンチャー企業への
出資を求に来た院生の田島は熱意と情熱
に満ち溢れた若者のように見えた
しかし、彼の謎めいた行動から小池は
田島が母校の大学に復讐心を持っている
ことを見抜く
そして、実は小池自身も同じ復讐心を
胸に抱いていたのだった……。
「実行者」と「支援者」ふたりの天才が
繰り広げる極限の推理劇!


    


 
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ネタバレ・感想
本作も石持浅海ワールド全開だった
復讐の対象が人ではなく大学という
設定が面白かった


主人公の田島の推理が凄い
些細な事や言葉からの考察が鋭い
弦巻が作ったミニゲームの解釈や
女子大生の自殺未遂の考察には驚いた


田島同様に頭の回転が早い小池との
駆け引きや頭脳戦には痺れた
互いに自身の復讐心は隠しながらも
理詰めで相手をじわじわと探っていく
展開がスリリングでハラハラした


動機の面が少し弱い気がするが
(石持作品に共通している)
恨みや怒りは本人しか分からないし
そんなことで?という理由で殺人が起こる
人間の危うさや不安定さを表現していた


石持作品の醍醐味である心理戦が良い
少ない情報から推理して相手の考えを
どんどん読み取っていく
田島も小池も深読みが凄かった
二人とも“大学に復讐する”という
同じベクトルを向いていたのに
小池が殺されるラストは残念だった
田島は単なるから復讐者から社員を思う
経営者の顔になっていた
これが小池の誤算になってしまった
全くためらい無く殺人を犯す田島
こんな人が周りにいたら怖い((( ;゚Д゚)))


二人の心理戦から目を離す事が出来ず
先の展開が気になって一気読みでした
ロジカル好きな方にオススメの1冊です!

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ハラハラしたい
・歪な愛の話が好き



あらすじ・内面
瑞帆の前に現れた3人の男──。
1人は、ある時期、彼女の中心だった
だが、いつしか憎しみに変わり
口論の末に殺してしまう
発覚を恐れた瑞帆だったが、一向に
殺人は露呈しない
そのことに戸惑う中で知人の紹介で
知り合った男と交際を重ねていき
やがて子供を授かる
もう1人は、純粋さの果てに歪な愛を
向けてきた……。
彼らは瑞帆に何をもたらしたのか?
恋愛の“業”を描き出す戦慄の長編!



     



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ネタバレ・感想
出版禁止」や「放送禁止」の禁止シリーズ
で今回は“恋愛”禁止になっている
禁止シリーズはアナグラムや仕掛けが
隠されている事が多いので構えながら
読み進めた
仕掛けや謎は禁止シリーズの割には
少なかったが先の展開が気になって
一気読みだった



主人公の木村瑞帆は男運がない
変わった男に異常に愛される
瑞帆を愛したのは3人の男たちだった


・倉島
高校時代の教師で学生の時から付き合う
別れた後はストーカーになる
教師でありながら複数の生徒に手を出す
瑞帆にナイフで殺される


・郷田(believer)
瑞帆を愛しすぎて言動がおかしい
瑞帆が殺した倉島の遺体を隠蔽する
秘密を探る武藤を殺害する


・慎也
瑞帆の夫で唯一まともな人間
瑞帆の闇の部分に魅力を感じている
何かを瑞帆に隠している様子


作中で気になった点が3つあった
深読みしながら考察してみると
まず、believerから送られてくる
ショートメールに違和感があった
親愛なる“木村瑞帆様”と親愛なる“瑞帆様”
の2通りがある点が引っ掛かる
“木村瑞帆様”の方は郷田で間違いない
“瑞帆様”の方は郷田ではない気がする
believerは2人いたのではないか?
考えられるのは上司の徳島
「困ったことがあったら何でも相談して。
僕はいつでも君のことを応援しているから」
これは部下を思う上司の発言でおかしくは
ないが、郷田臭がする(((・・;)

郷田が瑞帆の電話番号を不動産に
聞いたと言っていたがこのご時世に
社員のプライベート電話番号を客に
教えるのはおかしいし、徳島と郷田が
繋がっていたと考えればしっくりくる
believer同盟を組んでいたのだろうか?


2つ目は慎也は何を隠していたのか?
瑞帆に言い掛けていた事は何か?
瑞帆が殺害を犯した後の雰囲気が
魅力的だった事が考えられるが
それなら勿体ぶらず言うだろう
引っ張る意味がない
瑞帆のストーカーから異常に愛される体質
から慎也もストーカーだった可能性がある

「あのさ……、実は俺……」に続く言葉は
「全てを知っているんだ」だろう
全てを知っているからこそ何も言う
ことができなかったと考えられる



3つめに本作を書いている研究者は誰か?
深く瑞帆に関わったとある
倉島は殺害され、郷田は逮捕されている
残ったのは慎也しかいない
慎也は本来、研究対象の瑞帆とは距離を
取り観察者という立場を逸脱した
その結果、観察を終了せざるを得ない
事態が生じてしまった(瑞帆の自殺)


そして、ラストシーンは怖かった
中学生になった美空に刑務所から
出所した郷田が接触する
娘までストーキングとは((( ;゚Д゚)))
美空には被害が出ないでほしい


禁止シリーズにしてはミステリー要素
は少なかったが面白かった
瑞帆の心理描写に臨場感があった
人を殺した後の人間の心理はつらい
ずっと不安なら真実を話して自首して
逮捕される方がマシだと思った

歪んだ愛は怖かった
人を好きになる“愛”は美しいが
それがいびつな形をしていたり
方向がズレるだけで憎しみにもなる
帯にあったように愛さなければ
誰も死ななかったのに……
“愛”について考えさせられる作品でした

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ミステリーが好き
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
雨の音が聞こえる。冷たい手が伸びる─。
アパレル店員として働く朱里には
隠し続ける「あの日」の過去があった
「あの日」が近づき、同じ過去を共有する
典子が婚約の報告に訪れた
しかし、その1カ月後に典子は何者かに
殺害されてしまう!
典子を殺したのは誰なのか?
「あの日」に何があったのか?
複雑に絡み合う真実の末に潜むのは
衝撃のラストだった!




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ネタバレ・感想
帯の「あなたは犯人を見破れるか」
が気になり読んでみた
確かにラスト30ページで意外な犯人
が明らかになった!
ある20年前の事件の被害者にスポット
を当てたミステリーで先の展開が気に
なって一気読みだった


過去の監禁事件の被害者・朱里と典子の
意味深な会話が冒頭から続いていく
そんな中で婚約予定の典子がスキャンダル
に巻き込まれ何者かに殺害されてしまう
警察は朱里に疑いを持つ


やがて第2の殺人が起きる
典子を脅していた探偵が殺害される
誰が犯人なのか全く予想できず
探偵を雇ったニイナが犯人なのか?
二転三転し物語から目が離せない


そして、刑事である憲吾の恋人・ゆきこ
が丸美の妹とわかってからの急展開が
面白かった
出張に出たゆきこと連絡が取れず
コイツが犯人かと思いきや・・・













犯人はパン屋のおばさんの浅賀だった!
これは推理できない(・・;)))
ウサギから出てきたプラスチック
はパンを留める物だった!
監禁中のパンのエピソードから朱里と
典子はパンを食べる事ができないため
浅賀の犯人が確定する


そして、驚くべき事実が判明する
浅賀は丸美の実の母親だった
20年前の監禁事件で生き残った
朱里と典子を逆恨みしていたのが
事件の動機だった!
朱里の職場であるショッピングモール
でやたらと休憩中に絡んでくるし
世話好きのおばさんかと思っていたら
まさかの犯人で朱里に近づき復讐の
ために探りを入れていた


被害者はどこまで傷つけられるのか?
被害者として世間から好奇の目で見られ
関係者からは逆恨をされる
本人は悪くないのに自分だけ助かった
罪悪感に襲われる
その為、朱里のように人目を気にして
理不尽な人生を送る事になる
現在のネット社会ではより深刻で
検索すれば出てくるので難しい
この事は歯がゆく後味が悪い
悪意ある人がいなくなってほしい


名前のマークも面白かった
窪田がクォーターは強引だが(笑)
完全にミスリードされてしまった


店長の細川はいいキャラだった
ゆきこが生きていて良かった
未来に光が差すラストで良かった
朱里とゆきこは幸せになって欲しい

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・青春物で熱くなりたい
・追いかけている夢がある



あらすじ・内容
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ
あの事件から10年が経った
アパート「スロウハイツ」ではオーナーである
脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが
共同生活を送っていた
たくさんの夢を語り、物語を作る
好きなことに没頭し刺激し合っていた6人
空室だった201号室に新たな住人がやって
くるまでには・・・


     




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ネタバレ・感想
辻村深月は初読だったが面白かった
物語は緻密に作り込まれていたし
終盤の伏線回収は読みごたえがあった


オーナーで脚本家の環を筆頭にみんな
何かしらの創作に情熱をそそいでいる
住人のみんながか輝いて見えた


コウちゃんが初対面の環に言った
「お久しぶりです」の意味
それをずっと根に持つ環(笑)
そしてエピローグでの「お久しぶりです」
この流れが最高すぎて感動した
互いに二人にはつらい過去があった
しかし、コウちゃんは「天使ちゃん」に
環はチヨダ・コーキの小節に助けられ
問題を克服することができた


201号室に新たな住人・莉々亜
最初から何か怪しい雰囲気はあった
チヨダ・コーキのファンを公言し
コウちゃんに懐いて部屋を出入りする
その正体は黒木が送り込んだ鼓動チカラ
だったw(゜o゜)w
コウちゃんの部屋を出入りしていた
のは小説の情報を盗むためだった
これに気付いた環は黒木に激怒して
自身が「鼓動チカラ」になり原稿を
書くことを申し出る
この場面は環が格好良くてシビれた
しかし、多忙な環は過労で倒れてしまう
このオーナーのピンチを救ったのは
「スロウハイツ」の住人たちだった!
正義が指揮をとりみんなを動かし
狩野をはじめ、元201号室の住人のエンヤ
“本物”のコウちゃんまでもが手伝い作品
を仕上げてピンチを乗り越えた
「鼓動チカラ」の最終話は巷のウワサ
通りに“本物”を超えたのかもしれない


また、「ダークウェル」の原作者・幹永舞
は何と・・・狩野だった!

幹永舞(ミキナガマイ)
→カンエイブ
→can とable
→可能
→狩野

正義が読み間違えてヒントを出して
いたのに全然気付かなかった


また、様々な伏線が張り巡らしていた

・「お久しぶりです」の意味
・コウちゃんには甘い環
・狩野の正体(ダークウェル原作者)
・プラズマテレビ
・「オズ」のケーキ(三食、コンビニ)
・コウちゃんコスプレと職質
・莉々亜の正体(鼓動チカラ)
・環と莉々亜が同い年(天使ちゃん)
・「加々美さんさ」と言われた時の環の反応

全部わかった上で読み返せば
作者の仕掛けた伏線をより楽しめる
一番好きなシーンは鼓動チカラの最終話
をスロウハイツの住人で仕上げるところ
これは未来への大きな伏線になっている
環の夢は脚本家としてアメリカで賞を
取ることなので

チヨダ・コーキの作品を映画化
原作・・・・チヨダ・コーキ
監督・・・・長野正義
脚本・・・・赤羽環
協力・・・・狩野荘太
ポスター・・森永すみれ

こんな感じてアメリカで映画化され
アカデミー脚色賞を取って欲しい
 

そして、一番気になることは
コウちゃんと環は今後どうなるのか?
明るい未来があるのは間違いない
二人にはくっついて欲しいが
今の距離感も美しくて良い
とにかく幸せになってほしい


「お久しぶりです」をここまで
感動できる言葉にする辻堂深月は凄い
他の作品も是非読みたい

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こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・ドロドロした話が好き
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
30代の若さで事業に成功し誰も憧れる
優雅な生活を送り麻生陶子
だが、その美貌の裏腹に「理想の人生」を
手に入れる為に恋も仕事も計算し尽くす
その陶子には彼女を崇拝し奴隷の如く
仕える妹の久恵がいた
しかし、ある日この歪んだ姉妹関係が
崩れ始め驚愕の事実が明らかになる……



    



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ネタバレ・感想
“勝ち組”を目指し周囲の男を利用する陶子
人材派遣会社を経営する美人社長
この人材派遣の内容が面白かった

・社員をリストラさせる
・結婚式の人数合わせ
・販売会場の盛り上げ役
・彼氏彼女の代役派遣

演劇経験者のスタッフを使って人を騙す
陶子自身おかしな商売と思っているが
需要はあり順調に経営している
確かに需要は多そうで興味深かった
誰にもバレないように人に頼みたい事は
多いし面白い商売だと思った


陶子には河島と恭平という2人の恋人がいた

河島
・陶子に仕事を与えた年上の実業家
・ブランド品仕入や販売を手掛ける
・胡散臭いが金回りはいい

恭平
・年下のデザイナー
・若くて才能がある
・陶子に恩義を感じている

陶子はこの2人に魅力は感じていたが
一定の距離を取りながら付き合っていた
全ては自身が“勝ち組”になる為に利用した
周囲の人を最大限に利用する姿勢が
印象的で野心が凄いと思った


一方、妹の久恵は顔もスタイルも平凡
製薬会社を辞めた後は人間不信で働く事
が難しく陶子の世話になっていた
家事全般をこなし陶子に仕えていた
陶子の機嫌が悪いと理不尽に当たられる
こともあるが、陶子に憧れていた
趣味はネットで薬を調べる事だった


陶子と久恵は本当の姉妹じゃないと
予測はできたが、内面的な考えや
騙し合う様子は不思議と似ていた
陶子の計算高さやしたたかさ
久恵の執着心がリアルだった


久恵が陶子にされた仕打ちを陶子に
やり返すシーンはハラハラした
その裏で陶子が水面下に久恵から
逃げる計画を立てているシーンは
手に汗握って一気読みだった


終盤、久恵は仕事に復帰し新しい恋人
も出来て幸せに暮らしていた
陶子とも互いに許し合っていた
しかし、ある日急に恋人・宏幸と連絡が
着かなくなり不安にある久恵
電話の着信に飛び付いて出るが
聞こえてきたのは陶子の笑い声
そして、冷酷な低い声




「お馬鹿さん」




全ては陶子が仕組んだ事だった!
計算高く負けず嫌いの陶子は
しっかりとやり返していた
そして、久恵の目には光が宿る
次は陶子の番だと……
ラストはまた陶子と久恵の立場が
逆転しそうな終わり方だった
ああ、この執念は恐ろしい((( ;゚Д゚)))
陶子は里矢子に戻り暮らしていく
陶子(里矢子)はこれからも周囲の人を
利用して上手く生きていくのだろう
ハラハラドキドキの1冊でした


ドラマ化もされています
陶子役・・・山崎鉱菜
久恵役・・・北野きい
2人とも演技が上手くて見応えあり
気になる方は是非見て下さい

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