サラリーマンの読書

読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

カテゴリ: 恋愛・純愛

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・風水や料理が好き
・青春物が読みたい



あらすじ・内容
「美しく強かな継母が父を殺した」
再婚してわずか一年半足らずで父が急死
遺産とビジネスを受け継ぎ活躍する継母
の姿にそう確信した女子高生の瑠璃
自らの死で継母の罪を告発しようと訪れた
自殺の名所で“幽霊”の少年と出会い
ある約束をする
6日後──それが瑠璃の自殺予定日に!
瑠璃は父の無念を晴らせるのか!?
全ての予想を裏切るミステリー!



   



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ネタバレ・感想
タイトルからしてイヤミスかと思いきや
真実を知ると心が暖かくなった
先の展開が気になり一気読みだった
やっぱり秋吉作品は面白い


主人公の“いじけ風水女子”・瑠璃と
“毒舌幽霊男子”・裕章が物語を展開する
風水が物語の主軸になり六曜の知識も
身に付いたので良かった
また、出てくる食べ物が美味しそうで
読んでいてお腹が減ってくる


継母のれい子がいない間に家に侵入し
証拠品を探すシーンはハラハラした
特に、鉢合わせになってお茶を一緒に
飲むシーンの臨場感は良かった


継母・れい子の誤解が解けてキレイに
伏線を回収してスッキリした
「それに・・・薬はまた別の機会に
利用できるじゃないですか?」
で完全にミスリードさせられた


父の死の真相を追いながら瑠璃が
成長していく爽やかな物語でした
イヤミスを想像していたので
いい意味で裏切られほっこりした
瑠璃が自殺しなくて本当に良かった
そして、最後にどんでん返しが・・・








裕章は幽霊ではなかった!!
これは気付かなかった(゜_゜;)
これにも完全にミスリードされた(笑)


「自分の色眼鏡で物事を悪い方ばかり
に解釈してはいけない」
「行動次第で前向きに生きる事ができる」


何事も一週間、死ぬ気でやれば
何かが変わるというメッセージを
作品から感じた
タイトルからは想像できない
爽やかな青春ミステリーでした


是非、映像化して欲しい
・キレイで美味しそうな料理
・イケメン男子にいじけ女子の成長
・魅力的になっていく主人公
・終盤のガラス越しの二人
夏にピッタリの作品になって面白そうだ

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・どんでん返しが好き
・サイコパスものが読みたい



あらすじ・内容
「デートしてみよっか」恋をあきらめていた
僕に奈々が言った言葉
それは上司のパワハラに悩みながら
試験試験の勉強をしている冴えない
僕の毎日を一変させた
奈々への恋心を確信した頃に同僚女性
から好意を寄せられるようになる
これは恋か、罠か、それとも──
ときめきと恐怖が交錯していく
衝撃の結末が待つ一気読み必至の
純愛どんでん返しミステリー!



    



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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ミステリーが好き
・サイコパス物が読みたい



ネタバレ・感想
読みやすい文体でサクサク読めた
先の展開が気になり一気読みだった


居酒屋で出会った年下の女子大生に
惹かれていきながらも、同僚女性からも
好意を抱かれシャイな主人公が悩む
冴えない公洋にいきなりモテ期間到来
年下の可愛系か年上の綺麗系か?
そしてドロドロの三角関係に……
こんな展開になるのかと思っていたら
思いもよらない展開で目が離せない


まず、峰岸が怖すぎる((( ;゚Д゚)))
五十嵐貴久の「リカ」を思わせる
峰岸みたいな女は実際にいそうだし
話が通じないサイコパスぶりが
ゾワゾワして面白かった


主人公の公洋と峰岸がホテルに入る
ところで1章が終わる
これからどうなるのかと思いきや
2章でいきなり公洋死んでるし……
この急展開には驚いた(゜ロ゜;)
ここからはページを捲る手が止まらない


峰岸は嫉妬から公洋を殺してしまう
(実際には公洋がそう仕向けた)
峰岸の回想から奈々は峰岸が銀行員時代に
浮気していた藤澤の娘だとわかる




つまり・・・
奈々は峰岸に復讐するために
公洋に近づいていた!!



公洋を峰岸から奪い峰岸を苦しめる
そして、家族がバラバラになった原因
である峰岸への復讐を計画していた
公洋、峰岸、奈々にとってタイトルの
「出会わなければよかった嘘つきの君へ」は


公洋にとっては奈々
嘘:復讐の為に親しくなった事
(たぶん、とついているので峰岸ではない)

居酒屋で公洋と奈々が出会わなければ
結果は変わっていただろう
もちろん、公洋は殺されてないし
おそらく公洋と峰岸は付き合っている
恐ろしく嫉妬深く思い込みが激しい
峰岸と上手くやっているだろうか?
どちらも、ある意味一途なので
幸せになっていたかもしれない


峰岸にとっては公洋
嘘:仕事でわざとミスをしていた事
(殺してしまった事を後悔しているから)

峰岸は公洋と出会わなければ
静かに暮らしていて殺人を犯すことは
なかった
過去の行動から他人を傷つけてはいる
とは思うが流石に殺人はしないだろう


奈々にとっては公洋
嘘:トトロを見たふりをした事
(真実を知り泣き崩れているから)

公洋と出会わなければ峰岸に接触
できなかったので考えるのは難しい
峰岸がいる為、相思相愛でも幸せに
なってはいなかった
出会ってない場合は峰岸への復讐を
計画し実行していたかもしれない


序盤は峰岸の狂気にハラハラする
それとは別に奈々の復讐も絡んでいた
それに巻き込まれてしまった不運な公洋
峰岸の境遇には同情する
しかし、彼女の嘘や行動でたくさんの人
が不幸になり人生を壊されている
物語の最後まで公洋との事を自分勝手
に妄想する様子は恐ろしかった
公洋や奈々、峰岸に何か救いはなかった
のだろうか?
公洋が優しすぎて結末に泣かいた
奈々はこれから幸せになって欲しい
恋愛話とミステリーが楽しめました
一気読み必至の1冊です!

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・青春物で熱くなりたい
・追いかけている夢がある



あらすじ・内容
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ
あの事件から10年が経った
アパート「スロウハイツ」ではオーナーである
脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが
共同生活を送っていた
たくさんの夢を語り、物語を作る
好きなことに没頭し刺激し合っていた6人
空室だった201号室に新たな住人がやって
くるまでには・・・


     




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ネタバレ・感想
辻村深月は初読だったが面白かった
物語は緻密に作り込まれていたし
終盤の伏線回収は読みごたえがあった


オーナーで脚本家の環を筆頭にみんな
何かしらの創作に情熱をそそいでいる
住人のみんながか輝いて見えた


コウちゃんが初対面の環に言った
「お久しぶりです」の意味
それをずっと根に持つ環(笑)
そしてエピローグでの「お久しぶりです」
この流れが最高すぎて感動した
互いに二人にはつらい過去があった
しかし、コウちゃんは「天使ちゃん」に
環はチヨダ・コーキの小節に助けられ
問題を克服することができた


201号室に新たな住人・莉々亜
最初から何か怪しい雰囲気はあった
チヨダ・コーキのファンを公言し
コウちゃんに懐いて部屋を出入りする
その正体は黒木が送り込んだ鼓動チカラ
だったw(゜o゜)w
コウちゃんの部屋を出入りしていた
のは小説の情報を盗むためだった
これに気付いた環は黒木に激怒して
自身が「鼓動チカラ」になり原稿を
書くことを申し出る
この場面は環が格好良くてシビれた
しかし、多忙な環は過労で倒れてしまう
このオーナーのピンチを救ったのは
「スロウハイツ」の住人たちだった!
正義が指揮をとりみんなを動かし
狩野をはじめ、元201号室の住人のエンヤ
“本物”のコウちゃんまでもが手伝い作品
を仕上げてピンチを乗り越えた
「鼓動チカラ」の最終話は巷のウワサ
通りに“本物”を超えたのかもしれない


また、「ダークウェル」の原作者・幹永舞
は何と・・・狩野だった!

幹永舞(ミキナガマイ)
→カンエイブ
→can とable
→可能
→狩野

正義が読み間違えてヒントを出して
いたのに全然気付かなかった


また、様々な伏線が張り巡らしていた

・「お久しぶりです」の意味
・コウちゃんには甘い環
・狩野の正体(ダークウェル原作者)
・プラズマテレビ
・「オズ」のケーキ(三食、コンビニ)
・コウちゃんコスプレと職質
・莉々亜の正体(鼓動チカラ)
・環と莉々亜が同い年(天使ちゃん)
・「加々美さんさ」と言われた時の環の反応

全部わかった上で読み返せば
作者の仕掛けた伏線をより楽しめる
一番好きなシーンは鼓動チカラの最終話
をスロウハイツの住人で仕上げるところ
これは未来への大きな伏線になっている
環の夢は脚本家としてアメリカで賞を
取ることなので

チヨダ・コーキの作品を映画化
原作・・・・チヨダ・コーキ
監督・・・・長野正義
脚本・・・・赤羽環
協力・・・・狩野荘太
ポスター・・森永すみれ

こんな感じてアメリカで映画化され
アカデミー脚色賞を取って欲しい
 

そして、一番気になることは
コウちゃんと環は今後どうなるのか?
明るい未来があるのは間違いない
二人にはくっついて欲しいが
今の距離感も美しくて良い
とにかく幸せになってほしい


「お久しぶりです」をここまで
感動できる言葉にする辻堂深月は凄い
他の作品も是非読みたい

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こんな人にオススメ
・騙されたい
・乾くるみ作品が好き
・恋愛ミステリーが読みたい


あらすじ・内容
会社の先輩から誘われたスキー旅行で
春香と出会い、やがて付き合い出した
僕たちは幸せだった──。
しかし、春香とそっくりな女・美奈子が
現れ事態は一変する
清楚な春香と大胆な美奈子
対照的な二人の間で揺れ動く心
「イニシエーション・ラブ」に続く
二度読み必至の恋愛ミステリー!



    


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ネタバレ・感想
正明は清楚な春香と交際始めるが
彼女そっくりの双子の妹・美奈子と
出会い二人の間で恋は揺れ動く
「イニシエーション・ラブ」と同様に
二度読み必至の仕掛けがあった


まず、美奈子の正体は誰なのか?
春香が一人二役を演じており
春香=美奈子はすぐにわかった
正明はホクロや免許証だけで騙され
怪しいと思いながらも信じてしまう
正明がいい人過ぎる(;´д`)


次に序章の結婚式のシーン
普通に読めば新婦は春香で新郎は正明
しかし、新郎の名前が書かれていない
これが重要な伏線になっていた!
正明を新郎と考えると違和感がある
何故か嬉そうな様子には見えない
新郎側の来賓席からハラモク工業の
社員の誰かとは考えられる
結婚式のスピーチからスキーに行った
メンバーなので正明か紀藤の二択

一緒にスキーに行くほど
新婦と仲が良かった女性も、
新郎と仲が良かった男性も、
披露宴には招かれていない

果たして正明か?紀藤か?
語り手の正明が披露宴にいるから
新郎=正明と思い込み読み進めた
ここで完全にミスリードされました


そして、終盤ではどんでん返しあり
空港で春香といるのは紀藤だった!!
正明と結婚したハズなのに!?
ラスト4行でさらに衝撃が走るΣ(;゚∀゚)ノ

“正明は窓ガラスの外から内に移動した。
ガラスを通り抜けた瞬間、
春香の表情が変わるのが見えた。
やっぱり「見えて」いるんだ。
ごめんね。ずっと嘘だと思ってた。”

一瞬、ガラスを通り抜けるの意味が
分からず混乱した(笑)
人間がガラスを通り抜けるのは不可能
つまり、正明は幽霊だった!
霊感のある春香には正明が見えていた
このオチは予測できなかった


正明が幽霊と分かった上で序章を再読
披露宴での新郎は正明ではなく紀藤
(正明は幽霊として眺めていた)

新婦と仲の良かった女性(尚美)
→彼氏を春香に寝取られている

新郎と仲の良かった男性(正明)
→春香にフラれ自殺している

そりゃー結婚式に呼べる訳がない
序章は伏線だらけで面白かった
特に“今は直接話しかけることが
できないので”という書き方は上手い
最初読んだ時は春香がお色直しで
席を外しているからと思っていたが
実際には正明は幽霊だから話せない


春香は美人で魅力的な女性だか
何を考えているか分からず怖い
男を二人自殺に追い込む悪女だし
正明が見える状態で結婚式をする
春香の神経も凄いと思った

さらに深読みしていけば
春香は本当に春香なのか?
本当は“美奈子”なのではないか?

美奈子の免許証の有効期限は昭和60年
色は青なので3年前に更新している
→3年前は事故で大怪我をしている為
 免許更新ができない

免許更新をしたのが美奈子本人なら
「シェリール」のミナは「美奈子」
つまり、美奈子が春香を演じていた!
春香が美奈子演じる理由は無いが
美奈子が春香を演じる理由はある
“新婦の正体”こそが最大の嘘で
美奈子が一人二役を演じていたと
仮定すると物語がしっくりくる


最後に解説にもあったオマケネタ
名前がアナグラムになっている

内田春香(UTIDAHARUKA)
→宇多田ヒカル(UTADAHIKARU)

半井美奈子(NAKARAIMINAKO)
→中森明菜(NAKAMORIAKINA)

これは遊び心があって面白かった
春香と紀藤が結婚した結末で締めたが
春香の正体については描かれていない
読者の考察に委ねる終わり方だった
深読みして楽しむ事ができた
タロットシリーズの天童も出てきたし
一気読み&読み返し必至の作品でした!

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こんな人にオススメ
・暗い話が好き
・一気読みしたい
・心理描写を楽しみたい


あらすじ・内容
恋人の美紀の死を周囲に隠しながら
今でも彼女は生きていると語り続ける男
彼の手元には黒いビニールに包まれた
謎の小瓶──。それは純愛か?狂気か?
喪失感と行き場のない怒りに覆われた
青春を悲しみに抵抗する「虚言癖」
の青年のうちに描く
野間文芸新人賞受賞作

     



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ネタバレ・感想
まず、死んだ美紀の小指を瓶に
入れているのが衝撃的だった(;゚∀゚)
狂っているのか?とも思ったが
中身がバレるのを異常に恐れていたし
主人公は“普通ではない事”というのは
しっかりと理解していた
いびつで歪んだ愛に狂気を感じたが
それだけ美紀に対する想いが強かった


本作も中村ワールド全開で暗く
生きづらそうな主人公の狂気が描かれる
虚言癖があり、頭がおかしく感じるが
それは、わざとそうなるよう演じていた
周囲に本当の自分を見せず不安定で
危うい主人公の心理描写が巧みだった


小指を瓶に入れたのは
・喪失感を埋めるため
・永遠の別れを拒むため
・一緒に居たかったため

美紀の死という出来事に対して
心を落ち着かせる為の行動だった
小指を通して心を正常に保っていた


幼少期に親を亡くす
→感情表現が上手く出来なくなる
→典型的な言動をとる
→周りが喜び、自身も幸福感を得る
→何かを演じながら生きるようなる
→そんな中、美紀と出会う
→美紀が喜ぶ彼氏を演じる
→幸福感を感じる(本当の自分)
→光(美紀)を失い、暗くなる
→美紀の死を受け入れることができない
→本当の自分が分からなくなる
→あえて光を遮る選択をする


上手く生きる為に演じる癖がついていた
それに加え美紀に依存してた事から
“美紀の死”に対して気持ちの整理が
できずに生きているように周囲に話す
その結果、虚言癖になってしまった


そして、瓶の中身と一体化するのは
主人公にとっては幸せだったのか?
これは究極の愛情表現ではあり
主人公の狂気でもあった
美紀の死をあえて克服しない事で
完全な暗闇を選択する


最後の彼女を幸福にしたかった
という主人公の吐露が切なく響いた
これは嘘ではなく心の叫だった
純愛と狂気を独自の世界観で描く
暗くて切ない物語でした

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