サラリーマンの読書

読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

カテゴリ: ユーモア

ramen-4671492_1280




こんな人にオススメ
・サクサク読みたい
・仕事や会社に不満がある人
・個性的なキャラを楽しみたい



あらすじ・内容
大手広告代理店を辞め、食品メーカー
「珠川食品」に転職した佐倉涼平
入社早々、販売会議でトラブルを起こし
リストラ要員収容所と恐れられている
「お客様相談室」へ移動になった
クレーム処理に奔放する涼平
実はプライベートでも半年前に
彼女に逃げられていた
ハードな日々を生きる彼の奮闘を
神様は見てくれているやいなや・・・
サラリーマンに元気をくれる傑作小説



    



―――――――――――――――――――――――




ネタバレ・感想
あー面白かった(о´∀`о)
佐原や篠崎、羽沢に宍戸のキャラが良い
登場人物に人間味があって楽しめた
珠川食品は問題がある会社だが
弊社も負けていない(笑)


・給料が安い
・サービス残業 
・意味の無い会議
・明らかに無理なノルマ
・有給はあるが使えない
・好き嫌いで決まる考課
・頑張っても評価されない
・会社とお客の間で板挟み
・特定社員へのえこひいき
・1つのミスで評価が下がる
・部署間の連係が取れていない
・魅力の無い新製品ばかりできる
・売りたくない製品を売らされる
・社員の士気を上げる環境がない
・現場の声を上げても改善されない
・ミスや失敗を恐れチャレンジしない

うわー書き出したら結構ある(ToT)
働いていく上で日々ストレスを感じる
何の為に一生懸命頑張っているのか?
何で自分は悪くないのに謝るのか?
会社とは何なのか?


働いていたら誰もが一度は感じる事
佐原のこの問いに対する篠崎の言葉が
深くて心に残った


「おでん鍋といっしょだよ」
「ほら、狭いところでぐつぐつ煮詰まってさ、部長だ課長だ役員だなんて言ったって、
しょせん鍋の中で昆布とちくわが、
どっちが偉いかなんて言い合ってる
ようなもんだ。考えてみ、このおでん屋じゃ
牛スジが一番高くて偉そうだけど、
他の食い物屋へいけば使っちゃもらえない。
こんにはここじゃ安物だけど、
味噌田楽の店に行けば堂々のエリートだよ」


ちくわぶ
→専門職

ちくわ
→転職可能
 
じゃがいも
→おでんでは平社員
→肉じゃがでは共同経営者
→じゃがバターでは社長


例えが的確で面白かった
味が染み込んだ大根は会社にとって
必要不可欠なベテラン社員と言える
同じ材料(人間)でも環境によっては
輝くこともあれば、逆の場合もありえる
その人らしく生きる事が何より大切
と佐原に持論を語っていた


篠崎は遅刻魔で時間があれば(無くても)
競艇場所に足を運んでいる問題児だが
クレーム処理は完璧にこなす
佐原はいい意味で篠崎から影響を受け
どんどん成長していく
佐原は夜の公園で出会ったジョンが神様的
な存在と思っているが、本当の神様は篠崎
だっと思う



ラストでリンコに会えて良かった
将来はげんこつラーメンで働くのか?
篠崎と謝罪請負会社を起業すのか?
どちらにせよ、明るい未来が見えた


日々働くサラリーマンは佐原同様に
仕事や会社で悩み苦しんでいる
上手くいかない事の方が多い
しかし、この小説を読めば不思議と
明日からまた頑張ろうと元気になれた
サラリーマンにオススメの1冊です!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

ammunition-1506194__480



こんな人にオススメ
・サクサク読みたい
・どんでん返しで騙されたい
・ユーモアなミステリーが好き



あらすじ・内容
専門学校の入学のために田舎から上京
した美菜は、隣人に挨拶することに
お隣さんの雄也はどこか影のある長身の
青年で美菜は好意を抱く
一方、雄也は美菜に一発の銃弾を見られ
動揺してしまう
雄也はそれを使った「仕事」を思いだす
ある弁護士を闇に葬った出来事を
さらに雄也の今度の仕事場は美菜が
通う専門学校だった・・・
純朴女子学生と危険な殺し屋が交差する
衝撃的ラストのユーモアミステリー!



    



―――――――――――――――――――――――





ネタバレ・感想
今回も藤崎翔ワールド全開だった
神様の裏の顔」が面白かったので
手に取り読んだが本作も良かった


殺し屋を題材にしているがコミカルで
サクサク読み進めることができた
主人公は上京した女子学生・美菜と
隣に住んでいて影がある青年・雄也
それぞれの視点で物語は展開する


登場人物の男がみんなが美菜の事を
気に入っていたのが面白かった
かなり魅力的な女性なのだろう
実際、いいキャラで良かった
そんな美菜に殺し屋の雄也も惹かれていく
雄也と美菜のラブコメに期待して
油断して読んでいたら見事に騙された
何と、殺し屋は雄也ではなく・・・









美菜だったΣ(-∀-;)









これにはやられた
殺し屋のコードネームが“ビック”だし
序盤で拳銃の弾丸隠してたし
風俗代支給のくだりもあったし
完全に雄也が殺し屋と思っていた(笑)
雄也が殺しの“仕事”をする描写は
雄也が制作した映画だった!
(これは流石に少しズルいなー)
雄也は徹底的に役に入り込む性格で
普段の生活から殺し屋になりきっていた


タイトル通りお隣さんが殺し屋だった
読者を騙そうとする構成や仕掛けは
心地よくテンポも良いので爽快感あった
多少強引なところもあったが面白かった


笑いの要素も多く登場人物も個性があり
魅力的なので映像化して欲しい
殺人のシーンは殺し屋を映さないで
声を出さずに上手く演出すればいける
可愛いヒロイン×影のある長身のイケメン
脚本次第で化けそうだ(*^^*)


藤崎翔作品なので構えて読んだが
見事に騙されてしまった
元芸人だけあって笑いの要素もあり
面白く満足な1冊でした
終盤の伏線回収は見事だった
他の作品も是非読みたい

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

bar-3407484__480



こんな人にオススメ
・不思議な話が好き
・短編集を読みたい
・ブラックユーモアが好き


あらすじ・内容
作詞家、音楽プロデューサーとして活躍
する著者の小説&エッセイ集
彼が日常に「言葉」を紡ぐと「物語」が生まれ
それは人を魅了し笑いやゾクッとする恐怖
やオチがあり、最後には不思議な気分に
させてくれる
「言葉」が持つエンターテインメントの
可能性開くブラックユーモアな1冊!




-------------------


ネタバレ・感想
帯の「あなたはきっと騙される」に惹かれて
手に取り読んだ1冊
どこかで聞いた名前かと思ったら関ジャム
に出ている有名な作詞家だった
ショートショートとエッセイになっており
中でも面白かったのは


・「顔色」
・「幽霊社員」
・「世界の中心」
・「待ち合わせ」
・「ある研究成果」


一番最初の「顔色」が良かった
食事に誘った女の子はつれない態度で
男は空気が読めないと見下しながらも
女の子を口説く
しかし、あっさりとフラれてしまう
ありがちな話だがオチが良かった

実はその女は顔色を読める能力があり
男の死期を感じていた((((゚д゚;))))
短いながらも伏線回収やラストのオチ
などショートショートを楽しめた




「幽霊社員」もゾクゾクした
内部告発を起こし会社もキャリアも
ダメになった男が自殺をする為に
ホテルに宿泊する
なぜか男の部屋には女性がいて一緒に
酒を酌み交わし男は愚痴を話し出す
女性は話を聞きながら男に前向きな
声を掛けて自殺をやめさせる
なぜ、やめさせる事ができたのか?

なぜなら、彼女は幽霊だった!

タイトルからもオチは予想できたが
男は自殺せずに良かった
ゾワゾワしながらもほっこりした



「ある研究成果」も好きな話だった
猿が透明な仕切りが分からないように
人間も「愛」や「平和」がわからない
実は地球は高等な宇宙人が実験をしていた
というブラックユーモアたっぷりな話
これは実際にあり得そうで怖い
高等な宇宙人は人間の行動は面白いと
思っているだろうなー



普段考えているが、口に出せない事を
不思議な世界観で描いていた
世にも奇妙な物語みたいな話ばかりで
ゾワゾワしながら楽しめた
少し視点を変えるだけで物語が変化する
常識に固定されない発想が良かった


作曲家としては
・JUJU
・SMAP
・関ジャニ
・少女時代
・布袋寅泰
・superfly

など様々なアーティストに提供
superflyの「愛を込めて花束を」は
キレイな歌詞でいい曲
チャットモンチーのプロデューサー
もしていたので多才な人だと思った
言葉を紡ぐ作詞家ならではの作品でした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

key-2114455__480



こんな人にオススメ
・ニヤリとしたい
・ミステリーが好き
・軽いタッチでサクサク読みたい


あらすじ・内容
しがない貧乏学生の戸村流平
彼にとってその日は厄日そのものだった
彼を振った元恋人が背中を刺され転落死
その夜に一緒だった先輩も浴室で
刺されて殺されていたのだ!
かくして、二つの事件の容疑者になった
流平の運命はいかに?
本格ミステリーをユーモアに描く
東川敦哉デビュー作品!



-------------------

ネタバレ・感想
元彼女が何者かに殺され
その夜に一緒に過ごしていた野呂も
風呂で殺されて遺体になっていた
しかも、部屋は完全密室であり
玄関にはドアはチェーンが付いていた!
状況から容疑者にされてしまう流平
いきなり話に引き込まれる


時系列に整理すると
  7:30 「殺戮の館」鑑賞開始
  9:42  由紀アパートから転落
10:00  「殺戮の館」終了、野呂買出し
10:15 野呂帰宅
10:30 野呂シャワーへ
11:00 風呂場で遺体の野呂を発見
     流平は驚いて気を失い卒倒する


明美の証言
10:00 バイク修理開始、野呂目撃
10:35 野呂の部屋からドスンと物音
11:30 バイク修理終了
    目撃した人物評は野呂のみ


密室の謎を推理しても解けなかった
野呂を殺した犯人は部屋に隠れていて
流平が部屋から出た後に逃げたと予想
(容疑を流平に向ける為に密室を作った)


読み進めると見事に推理はハズレw
まず、由紀を殺した犯人は野呂で
トリックは「殺戮の館」を2時間に編集
流平の時間を30分早く勘違いさせていた!
見事なアリバイトリックでした


実際には
7:30 「殺戮の館」鑑賞開始
9:30 野呂、由紀を殺害しに行く
9:42 由紀アパートから転落
10:00 野呂帰宅でシャワー
10:30 風呂場で野呂の遺体発見
    流平は驚いて気を失い、卒倒する
    (この卒倒が明美が聞いた物音)


部屋が密室になっていた謎は
野呂が帰宅後に自分でチェーンをしていた
由紀を殺害した後にホームレスに
右脇腹刺されてしまいその状態で風呂場へ
ナイフを抜いた瞬間に絶命してしまった


元彼女の死に関してはアリバイはあるが
それを証明すれば、密室での野呂殺人の
容疑者になってしまう流平の状況が
面白くて良かった
真相にたどり着くまでの過程や鵜飼の
キャラも良くて楽しめました
伏線もしっかり回収してミステリーと
しても満足な1冊でした!


【烏賊川市シリーズ】
・密室に向かって撃て!
・完全犯罪に猫は必要か?
・交換殺人には向かない夜
・ここに死体をすてないでください!
・はやく名探偵になりたい
・私の嫌いな探偵
・探偵さえいなければ

気になる方は読んで下さい!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

house-4930614__480


こんな人にオススメ
・世にも奇妙な物語が好き
・現代社会に不満を持っている
・ブラックユーモアが読みたい


あらすじ・内容
「家の中に変な男が棲んでいるのよ!」
念願のマイホームで妻が訴えてきた
仕事で家庭を顧みない事への当てつけか?
そんなある夜、洗面所で歯を磨く男を見た
さらに、妻と子がその男達と談笑している
注目の異才が現代社会が抱える矛盾や問題
をユーモアに描いた短編集!





-------------------

ネタバレ・感想
・床下仙人
仕事でに追われ家族を顧みない主人公
一昔前の日本ではありふれた光景
妻は「この家には変な男がいる」という
ある夜、遅い帰宅で仙人と遭遇する
あまりにも自然で堂々としていた為に
お互い「どうも」と言葉を交わす

おいおい、あり得ないだろー
いくら酔っ払い、疲れていても
捕まえたり、警察に通報するだろ!
と読みながら突っ込んでしまった

その後、夫婦関係は悪化していき
妻は働く夫より“近くにいてくれる”仙人を
選び、主人公はを追い出されてしまう
駅前のロータリーでホームレスに言われた
「11人目ですよ」
「この街で家を乗っ取られた男の数」
主人公も床下仙人になるのか?
という描写で物語は終わる

家族を顧みない夫、競争社会ををユーモア
をユーモアに描写していた
働き方改革でも通勤ラッシュや残業・・・
サラリーマンの日常は変わらない

作中で妻が言った
「一緒にいたいから家族になったのに
その家族を維持するのに一緒にいられない。
そんなのってどこかおかしいと思わない?」
主人公が全て悪い訳ではないが正論
もう少しお互いが歩みよることが大切
色々と考えさせられた話だった


・てんぷら社員
地方から栄転したきた中年平社員、田所
異例の早さで出世し、謎めいている
彼の正体は会社に復讐を誓った人物だった
息子のハッカー技術で社員になりきる
会社の情報を駆使して復讐を図る
実際にそんな事が出来たら面白い

てんぷら請負会社はいいアイデア
大小係わらず会社に不満を持って
辞めていく人は多いだろうし需要はある
会社に復讐できたらスッキリするだろう!


・戦争管理組合
ある時、マンションに帰ると玄関先で
銃を構えた女子大生に脅される
男性だから女性だからという概念や
差別意識が無くなって欲しい
あと、お姉ちゃんが無事で良かった


・派遣社長
主人公が勤めるデザイン会社に“社長”が
期限付きで派遣されてくる
社長の方針で会社が変わるのが面白い
(会社の方針がコロコロ変わるのは嫌だが)
うちの会社は部長を派遣してほしいw
派遣が社会を乗っ取る時代がくるかも
しれない


・シューシャインギャング
信号待ちをしていると、突然少女に靴を
磨かれる
少女が1人で生きていく為に考えた
ビジネス“靴磨きサービス”だった
仕事にも家族にも見捨てられ主人公と
家族を見放した少女との関係を描く
2人は新たなビジネスを模索する
目標の1000万を達成してほしい


どの話も世にも奇妙な物語テイストで
あり得ない設定だが、社会の問題に
メスを入れていて面白かった
さらっと読めるユーモアあり
現代社会への皮肉や問題提起あり
ありそうで怖くて面白い短編集でした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ