
こんな人にオススメ
・自然が好き
・人生に悩んでいる
・自分らしく生きたい
あらすじ・内容
入社1ヶ月で会社を辞めた文哉は
急遽した父が遺した千葉南房総の
海が見える家で暮らして3年目を迎えた
この春に起業した文哉は順調に見えた
しかし、直撃した大型の台風によって
生活は一変してしまう
通信手段さえ途絶えるなか、文哉は地域
の人と共に復旧作業に取り組んでいく
そんな時に学生時代の知人の訪問を受ける
時給自足の生活を目指すなかで
あらためて自分がどうやって食っていく
のかん悩み、模索する文哉に新たな決意
が芽生えていく──。
ベストセラーのシリーズ第3弾!

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ネタバレ・感想
「海が見える家」、「海が見える家 それから」
に続くシリーズ第3弾
本作も前作同様に生きることに関して
考えされられる物語だった
タイトル通り大型の台風での被害に加え
イノシシの被害にもあってしまう
食っていくとはどういう事なのか?
文哉は時給自足で食っていく事
自立して成長を続ける事が大切と考える
対して都倉は食っていくためには
まず、お金が必要である
嫌な仕事でも給料を得るために自分を捨て
時間が過ぎるのを耐えなければならない
サラリーマンの方が安定していると考える
同じ食っていくでも全然違う
好きな仕事をして食っている人は少ない
大多数の人が都倉の考えに近く
日曜日の夕方くらいから憂鬱になり
月曜日は死んだ目で電車に揺られる
理不尽なことも多く組織の中で
上手く立ち回らないと評価は下がる
時間、ノルマ、数字、人間関係など
様々なストレスが生じる
不器用だったり要領が悪ければ
不要な仕事が増えて苦労する
一方、時給自足の生活の場合は
時間に追われるストレスはないが
全てが自己責任になる
食糧を確保できなければ文字通り
食っていく事はできない
文哉の場合は会社を起こして
軌道に乗ったが自然が相手なので
安定はしない
自分らしく生きているのは文哉の
方だったが、あくまで1人での生活
だからできているに過ぎないと思った
家族がいたり子供がいれば簡単に
できる事ではない
もっと生活が安定しないと結婚すること
も難しい(相手が同じ様な考えなら可能)
結婚したとしても子供を養うのは困難
田舎と都会では環境が違うので
一概に比較はできないが
自分らしく生きる事が大切だと思った
“自分が何をしたいのか?”
“将来どうなりたいのか?”
“その為にはどうすればよいか”
常に考え良くする為には工夫が必要
自分ができる事を増やしスキルアップし
同じ失敗を繰り返さない
仕事の中に小さな事で良いので楽しみを
見つけてストレスやリスクを減らし
仕事を少しでも好きになる努力も大切
それでもダメならON OFFの切り替え
をしっかりして趣味などでおもいっきり
ストレス発散をする
現代社会では世界情勢不安や新型コロナ
様々な物が値上がりし物価高に苦しむ
政治家は何もしてくれない
100年安心と謳っていた年金も怪しい
将来の事は自分でしろと投資をさせる
方向に舵を切っている
給料が上がっても増税によって手取り
は上がらず生活は苦しい
将来の不安ばかりが大きくなり
その結果、少子化は年々加速している
出産一時金や不妊治療の保険適用など
対策は行っているが根本的なところの
解決に向けては何も対策はしていない
選挙の前だけいい事を言い
選挙が終われば国民の事など考えない
普通の会社であれば限られた予算の中で
目標を立て、行動し成果に対して反省する
しかし、政治家は公約に対しての成果や
反省などは成功事例以外は発言しない
実績数字は公表しても真剣に反省しない
将来に対する不安は大きく文哉や都倉
の不安は痛いほど分かり感情移入できた
生き方、考え方、自然の偉大さなど
様々な事を考えさせられる作品だった
読みやすくて一気読みだった
文哉同様に出来ることを増やして
成長して行こうと前向きになるた
“食っていく”という言葉は奥が深かった
食べるという事は正に生きる事で
価値観や生活を考える機会になった
文哉の今後が気になる終わり方だった
幸吉が無事でいてほしい
続編「海が見える家 旅立ち」も読みたい

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