assist-4582129__480



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・歪んだ愛の話が好き
・ダークな話が読みたい



あらすじ・内容
兄が死んで、私が生まれた
1歳の誕生日のケーキにはろうそくが8本
波琉子は幼くして死んだ兄の代わりに
母親から壮絶な愛情を注がれ生きる
やがて兄の死の秘密を知るもうひとつの
家族の告白が波琉子を揺さぶる
「お母さんはいいお母さん?」
家族の愛をテーマにしたミステリー!

 


------------------


ネタバレ・感想
可愛い盛りの息子・波琉を事故で失い
同じ誕生日に生まれた妹に波琉と名付ける
タイトルからサイコ的な予感はしたが
前半はホラー小説だった


最愛の息子を亡くした知加子は
家の中では波琉が生きているように振舞う
波琉子に対しては過保護に育てる
その結果、波琉子は学校に馴染めない
夫や担任が子育てのやり方に意見するも
教育方針を変えるつもりは毛頭無い


誕生日には波琉子の年齢より7本多く
ローソクを立て、兄の生まれ変わりだと
思い込ませる育て方をしていた
本当に波琉子が可哀想だった



後半からは別の家庭の話に一変する
成彦は逆に母親から嫌われていた
嫌われている理由は分からず苦しむ日々
愛されている姉・秋絵を横目に心に傷を負う
成彦も可哀想で胸が痛んだ


全てが不運な波琉の事故から始まった
どちらの母親も事故後に生まれた子供を
波琉の生まれ変わりと考える
どちらの母親も子供を守りたいが為に
狂気に駆られおかしくなった
リアルな恐ろしさが心に残った
物語前半のインパクトに持っていかれ
一気読みさせられた1冊でした


「お母さんはいいお母さん?」
「いいお母さん…ってお兄ちゃんが言ってる」
このやり取りが一番怖かった
何とか波琉子は幸せになって欲しい

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村