サラリーマンの読書

読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

タグ:中山七里

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こんな人にオススメ
・サイコパス物が好き
・イヤミスが読みたい
・人間的な怖さを味わいたい


あらすじ・内容
20年ぶりに帰郷した了衛を迎えたのは
閉鎖的な村人たちの好奇の目だった
愛するワルツの名曲(美しく青きドナウ)
を通して、荒廃した村を立て直そうと
奮闘する了衛だったが……。
雄大な調べがもたらすのは天啓か?
厄災か?著者史上最狂・最悪の
どんでん返しミステリー!



   




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ネタバレ・感想
ほのぼのした田舎でのミステリーかと
思いきや想像できない展開の連続だった
読み終えたらタイトルが怖すぎた


美しく青きワルツが1冊を通して流れる
穏やかだったり、激しかったりして
まさに、了衛の心を描いていた
都会で挫折し限界集落にUターンした
了衛を待ち受けていたのは閉鎖的で
冷たい集落の人びとだった
みんな癖が強く曲者ばかりで嫌になる
こんなところには住みたくない


了衛は地域に溶け込もうと努力する
しかし、奮闘むなしく上手くいかない
やればやるほど空回りしてしまう
住民との溝もどんどん深くなる

・窓ガラスを割られる
・自転車を怖される
・放火される

犯人は住人の誰かで違いない
お金が無くなりハローワークに通うが
中々いい仕事は見つからずにいた
そんな苦しい精神状態の了衛にさらに
追い討ちを掛ける事件が起こる
精神的支えでもあった飼犬が殺され
これが引き金になり了衛は住人たちへの
怒りを爆発させる( ;゚皿゚)ノシ


常識人は能見だけだった
いつも了衛の見方だった能見に家を
空けるように誘導する了衛
その夜に能見以外の住人を殺害していく
了衛怖すぎだろ((( ;゚Д゚)))ガクガク
この残虐さが美しく青きドナウの
綺麗な旋律によって際立った


しかし、これだけで話は終わらない
一見、いい人そうだった能見だったが…






まさかの黒幕!!






全然常識人じゃなかった(笑)
能見自身も結核の件で住人を恨んでいて
了衛を上手く操り復讐の道具と利用
了衛への嫌がらせも能見の仕業だった!


そして、最後の最後でどんでん返し
終盤に「ヒートアップ」に出ていた
警視庁生活安全局の宮條が登場する
宮條いわく、閉鎖された製薬会社から
向精神薬が流れ井戸水に含まれている
この薬を大量摂取した場合は廃人になる
という恐ろしい話だった
了衛の家の井戸水では検出されず
能見の家の井戸水から検出されていた
という驚きの事実だった
この向精神薬はヒートだよなー
作品間リンクも楽しめる1冊


津山事件や山口連続放火殺人事件を
モチーフにしているのか?
読書感は悪いが、了衛の狂っていく
心理描写は人間の狂気を感じた

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こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・ミステリーが好き
・ダークヒロイン物が読みたい


あらすじ・内容
高級ホテル宴会場で17名が毒殺される
事件が発生した
犠牲者の一人、国会議員・日坂浩一は〈1〉
と記され紙片を握りしめていた
防犯カメラの解析で衝撃の事実が解明する
世間を騒がせた連続猟奇殺人に関与し
医療刑務所を脱走し指名手配中である
「有働さゆり」が映っていた
さらに、大型バスの爆発、放火殺人・・・
そこには謎の番号札と有働さゆりの
痕跡が残されていた──
戦慄のダークヒロイン・ミステリー!





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ネタバレ・感想
嗤う淑女シリーズ第3弾!
今回は「カエル男」シリーズの有働さゆり
が登場して美智留とタッグを組む
二人のダークヒロインを中心として
犬養、古手川、御子柴まで登場するし
作品間リンクがあり嬉しかった


美智留とさゆりが組んだらどんな展開に
なるのかと想像しながら読み進めた
どちらも頭が恐ろしく切れ行動力がある
“最凶”の二人から目が話せなかった


美智留は過去の「嗤う淑女」シリーズでは
一人ずつ処理していたが
今回は無差別的な殺人計画が多かった
番号札に何か関連があるかと思いきや
警察をミスリードする為の道具だった
大量殺人の裏には別のターゲットがいて
それは美智留と面識がある者達だった
過去の自分を知る人物を殺していた
その為だけに関係のない人を巻き込んで
事件の真相を隠していた
殺人をゲーム感覚で楽しんでいた


もくじを見ると〈5〉は有働さゆりと
なっており最後は二人の対決に!

さゆりは美智留からターゲットにされる
しかし、さゆりも反撃のチャンスを覗う
互いに牽制する心理戦はハラハラした
さゆりが簡単にやられる訳がないし
かといって美智留が失敗する姿は
全く想像できない
この章は展開が気になり一気読みだった


終盤の電車内の攻防が面白かった
「死ぬことよりも退屈の方が怖い」

あまり本心を見せない美智留が
唯一自身の心を見せた瞬間だった
落ち着いた様子には怖さがあった
絶対絶命の状態でさゆりが取った行動は
自身の親指を噛切り手錠から脱出!!
これは予想できなかった
さゆりもやっぱり怖い((((゜д゜;))))
彼女達には絶対出会いたくない


今回の終わり方は続編に繋がりそう
さゆりは古手川が捕まえて欲しい
美智留は絶対に捕まらないと思うが
毒島あたりと手に汗握る心理戦を
繰り広げたら面白いと思う
万が一捕まったとしても御子柴に依頼し
「嗤う淑女 御子柴編」がありそうだ
やっぱり中山七里は面白い
これからの淑女シリーズが楽しみです

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ダークヒロインが好き
・どんでん返しが読みたい


あらすじ・内容
巧みな話術で人を欺き、人生を狂わせる
希代の悪女・蒲生美智留が世間を震撼
させた凶悪事件から3年が経った
“野々村恭子”と名乗る美貌のアドバイザー
が現れ、ターゲットを陥れていく
恭子の目的は何なのか!?
史上最恐、完全無欠の悪女ミステリー!




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ネタバレ・感想
「嗤う淑女」に続くシリーズ第2弾
今回も、蒲生美智留が暗躍する


前作で野々宮恭子として罪を逃れた
ダークヒロイン・蒲生美智留(野々宮恭子)と
彼女の手足となって動く神崎亜香里
主にこの2人でストーリーが展開する


FX投資詐欺、出版詐欺に地面師まで
様々な方法でターゲットを騙す
人を信用させ、思いのまま操り動かす
本当に美智留は頭がキレて恐ろしい


政治団体や宗教法人への潜入・情報収集
それに基づきターゲットを排除する
今回は謎の女・亜香里の行動が目立つ

行動力や頭の回転は美智留ばりで
悪女2人の最恐コンビになっている


終盤、美智留は久津見に殺される
美智留の事だからどうせ入れ替わって
もう、とっくに逃亡してるだろと
推理し読み進めると・・・




何と!亜香里が美智留だった!




亜香里が謎で怪しいし、美智留の出番が
少ないと思っていたが納得(。・_・。)ノ
亜香里の野暮ったさの伏線も回収


そして、美智留の目的も明らかになる
美智留の目的は自身の嗜虐心を満たす
為に政治家・柳井を失墜させる事だった!
そんな理由だけで7人の犠牲者を出した
「人の命の、何とも儚いことか」と他人事
の様にサラッと言っているし怖かった


人を操り自らの手は一切汚さない
冷静沈着でターゲットを確実に仕留める
今回もダークヒロイン健在でした!
麻生さんには頑張って欲しいけど
絶対捕まらないだろうなー


本作もどんでん返しを楽しめました
政治家がらみの作品だったので
途中で「総理にされた男」の真壁が出るし
中山七里ファンとしとは嬉しかった

続編の「嗤う淑女 二人」も発売中!
こっちには「カエル男シリーズ」
有働さゆりが登場します!
是非、美智留との絡みを読みたい


 


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こんな人にオススメ
・サクサク読みたい
・出版業界に興味がある
・クセのある主人公が好き


あらすじ・内容
殺人事件解決へのアドバイスを仰ぐため
神保町の書斎を訪れた刑事・明日香
そこにいたのは、流行作家の毒島だった
温和な笑顔の持ち主だが皮肉屋だった!
この男、歪んだ性格のトンデモ作家か?
はたまた推理さえる名刑事か!?
出版業界激震必至のミステリー!

 


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ネタバレ・感想

作家兼刑事でクセの強い毒島
設定が面白く物語に引き込まれる
中山七里作品の中でも異色の作品!


毒島と若手女性刑事を中心にした短編集で
サクサク読み進めることができた
犯人を推理するミステリー要素よりも
出版業界のブラックな描写を楽しむ作品で
読んでいて面白かった


作家志望者には変人が本当に多いのか?
文学賞を獲るのは狭き門であり
作品を書き続ける難しさもあったりと
出版業界の裏側を知れて良かった


小説の話にも出てきたが映像化による
「原作のレイプ」はファンからしても嫌な話
原作者や関係者の立場を考えると胸が痛い


本作はミステリー小説と見せかけて
作者側の意見を毒島に言わせている作品w
毒島の「うふ、うふふ、うふふふふ」が
気持ち悪いが、皮肉にも慣れてきたら
不思議と毒舌がクセになります
出版業界のクセの強い人間たちを
毒舌で一刀両断する毒島の姿は痛快!
次作ではミステリー要素を強めにして
どんでん返し&毒舌を長編で読みたい


ドラマ化もされており佐々木蔵之介が
毒島を熱演していて注目です!
歪んだ犯罪とさらに歪んだ刑事の
対決を楽しみたい方にはオススメです

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こんな人にオススメ
・どんでん返しが好き
・渡瀬&古手川のコンビが好き
・伏線をしっかり回収したい



あらすじ・内容
埼玉飯能市を震撼させた“カエル男殺人事件”
から10ヶ月、事件を担当した精神科医の
御前崎教授の自宅が爆発された
家からは粉砕・炭化した死体が出てきた
そして、あの幼稚な反抗声明が見つかる!
協力要請がかかった渡瀬&古手川コンビ
がふたたびカエル男に挑む
二転三転する怒濤の展開と激震のラスト
「連続殺人鬼カエル男」の第2弾!!
ふたたび起こる悪夢の先にあるものは!? 




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ネタバレ・感想
前作「連続殺人鬼カエル男」が面白かった
本作も期待しながら読み進めた

やっぱり渡瀬&古手川コンビは良い
また、ただのミステリーではなく
刑法39条や医療刑務所の課題などの
テーマも描かれていて勉強になった


前作で黒幕だった御前崎教授も冒頭に
爆発され殺害されるし
当真勝雄が怪しいが爆弾は作れない
協力者がいるのだろうか?
いきなり謎だらけで物語に引き込まれた

しかも渡瀬&古手川コンビだけでなく
御子柴まで出てきて嬉しかった
さゆりも医療刑務所から脱走するし
先の展開からが気になり一気読み(*^_^*)


御前崎教授があっさり殺されるハズは
ないし、もしかして生きてるのか?
と思ったら生きていた!!
ただ実行犯とは予測できなかった

ラストは脱走したさゆりが古沢をナイフで
襲う描写で終わっており伏線を回収
スッキリするラストでした


刑法39条の心神喪失者の行為は罰しない
という事は頭では分かっている
ただ、自分の周りで被害が出れば
小説に出てくる遺族と同様に許せない

古沢は刑を軽くするためにわざと
心神喪失者のフリをした詐病だった
現実の世界でも同様の事をする奴もいる
司法で裁く事が出来ないのは問題である
古沢はさゆりによって裁かれたが
色々と考えさせられる作品だった


また、巻末に作品毎の紹介ページ有り
作品間の登場人物リンクが多い作者なので
まとめがあるのはとても便利でした

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