
こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・どんでん返しが好き
・心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
家族4人で平穏に暮らす里佳子の前に
突然現れた一人の客
夫の秀嗣が招いたその人物は20年以上
音信不通だった秀嗣の兄・優平だった
しかし、姑は「こんな顔だったか?」
と主張し、里佳子は不信感を抱く
優平は居候する事になったが
その日から不可解な出来事が続く……
家庭を侵食するこの男は誰なのか?
一つの悲劇をきっかけに全ての景色が
一変する緊迫のサスペンスミステリー!

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ネタバレ・感想
序盤から影のように忍び寄る義兄・優平
その存在がどんどん大きくなっていく
この怪しい人物と先の展開が気になって
一気読みだった
物語は里佳子の視点で描かれており
心理描写が丁寧なので感情移入して
読み進めていった
優平には違和感があり、里佳子は
次第に心のバランスを崩していく
・夫の秀嗣の優柔不断な所
・ママ友の面倒くささ
・姑の意地の悪さ
読んでいてイライラした
特に夫の秀嗣の気が利かなさはヒドイ
優平の不信感もどんどん大きくなる
「この義兄は成りすましか?」
「本物だがヤバいヤツなのか?」
と考えながらページを捲った
どんな義兄の謎が明かされるのか?
終盤は完全に騙された(゜ロ゜)
不審者だと思っていた優平は刑事で
里佳子を監視し犯行を誘発する為に
わざと不審な動きをしていた!
残る謎は息子・洸太の父親は誰か?
姉が頑なに言わない事から“言えない”
人物だとは推測したが、まさかの夫!
なぜ姉は秀嗣を寝とったのか?
物語では回収されないが里佳子が
“排除”する動機にはなった
そして、最後の1行には涙した
「どちらの子の名前を読んでいる
のか、自分にも分からなかった」
洸太は幸せになって欲しいと思う
ラストで「代償」の奥山圭輔が
出てきて嬉しかった
「不審者」は優平だと思っていたが
本当の「不審者」は里佳子だった
巧みに伏線をちりばめられた物語
一気に読ませる力のある作品でした
完全にミスリードさせられた(笑)
ハラハラしてどんでん返しもあり
大満足な1冊でした
伊岡作品はリアリティがあって
心理描写が丁寧なのがいい
他の作品もオススメです
・代償
・痣
・本性
・悪寒

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