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こんな人にオススメ
・騙されたい
・一気読みしたい
・ミステリーが好き


あらすじ・内容
15年前、京都で男子学生と19歳の女性が
殺され、一人の男が逮捕された
元弁護士の八木沼悦史は死刑囚になった
息子の冤罪を信じ活動期していた
しかし、息子の慎一は面会を拒絶して
弁護士に無罪を訴える手記を手渡す
一方、殺された女性の妹・菜摘には
真犯人を名乗るメロスから電話があった
メロスは悦史に自首の代償として五千万
を要求するが─。
横溝正史ミステリ大賞の傑作ミステリー!




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ネタバレ・感想
死刑囚の息子・慎一を救おうと奮闘する父
冤罪を晴らそうと協力してくれる若者たち
「雪冤」というタイトルから事件は冤罪で
その謎を解いていく社会化ミステリー


慎一はなぜ父に会わないのか?
何かを隠している様子の慎一
真犯人は誰かと読み進めた


死刑囚の身内に自首の代償として身代金
を要求する展開はハラハラした
息子の父への思いが分かった後からは
先の展開と真犯人が気になり一気読み


死刑囚だった慎一の死刑は執行され
メロスも自首する事はなかった
展開が二転三転して物語から目が離せない


ラストには衝撃の事実が待っていた
靖之を殺したのは恵美だった!
慎一は恵美を守るために自らの意思で
犠牲者になっていた
大切な人を守りたい気持ちは分かるが
慎一の行動によってはたくさんの人の
人生が大きく変わってしまった

・息子の冤罪を訴えていた父
・悲しみや怒りに苦しんだ被害者遺族
・慎一の行動に心を痛めたメロス
・慎一を救えなかった弁護士の石和


もちろん一番下悪いのは靖之で
彼の行動から全てが狂ってしまった
恵美は自殺せずに警察に行っていれば
正当防衛になっていたかもしれないし
緊急避難が適用されれば、情状により
その罪を軽減又は免除されていた


そして、慎一が父に会わなかった理由は
“自身の決意が揺らぐ事が怖かったから”
そこまでして庇うほど恵美を想っていた
八木沼親子の思いが切なかった


最後の最後まで犯人が読めず
本当によく作り込まれた話だった
帯通りに見事に騙されました(=_=)
読み応えがある満足な1冊です

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