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こんな人にオススメ
・泣きたい気分だ
・ミステリーが好き
・家族愛の話を読みたい


あらすじ・内容
家族を捨て、阿久津信吉は失踪した
残された子供、麻美子と信吾の元には
誕生日ごとに父からの手紙が届く
父の失踪から10年が経ったある日
結婚を控えた麻美子を不幸が襲う
婚約者が死体で発見され弟が容疑者
として逮捕されてしまう
姉弟の直面した危機に、隠され父の
驚くべき真実が明かされてゆく
人と人との強い絆を描く感動作!



   


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ネタバレ・感想
帯に書かれていた通りに父からの
「最後の手紙」を読みながら涙した(T_T)

誕生日ごとに父親から手紙が届く姉弟
義理の姉の為に殺人を犯した圭一
この二つの物語が交わりながら
ストーリーは展開していく


なぜ信吉は失踪したのか?
9年が前の事件の真相は?
犬塚を殺した本当の理由は?
信吉が守りたかったものとは?


麻美子は婚約者の殺人事件で容疑者と
になり逮捕された弟を救うべく行動し
その苦境の中で父を求め真相を追及する
一歩、圭一は出所後に失われた10年を
取り戻す為に兄の妻・みどりを探索
麻美子と圭一が接触してからは展開が
面白く先が気になって一気読みだった


・みどりの不倫(再婚)相手は信吉
・和也の保険金から麻美子達へ送金
・何か理由があり麻美子らの前に出れない
こう推理したが毎年手紙を送る家族思い
の信吉の行動としては違和感が残る


麻美子と圭一は行動を共にする
富山でみどりを発見し尾行する二人
駅でみどりの夫を見た圭一の様子から
夫は和也だと分かった

・和也は生きていた
・信吉に成り変わって生活
・保険金詐欺を信吉と計画し実行
・信吉が身代わりとなり焼身自殺した


この真相は麻美子にとってつらかった
ガンに犯されて先が長くないとはいえ
自ら命を裁つ選択で家族の幸せを願う
どんな想いで手紙を書いたのか?
子供の成長や幸せを想像しながら
書いたと思うと涙が止まらなかった


どんな親も子供の幸せを願うし
自分のせいで辛い思いをさせたくない
しかし、犠牲の上に成り立った幸福は
家族にとって“本当の幸せ”ではない
信吉も麻美子も自身を犠牲にせず
家族で支えあっていたら他の選択肢も
あっただろうし展開も違っていた
どの家族も苦難を一緒に乗り越える道
を選んでほしかった


それぞれ家族の形があり正解はない
家族とは何なのかを考えさせられた
何気ない家族の日常はあたりまえでは
なく幸せな事だと気づかされた1冊
家族の時間を大切にしようと思った
ミステリー要素があり家族愛の感動も
あり読みごたえのある作品でした

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