サラリーマンの読書

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タグ:小林由香

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こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・スピード感がある話が好き
・考えさせられる作品を読みたい



あらすじ・内容
主人公の住む町では3年連続で同じ日
に自殺者が出たため「11月6日の呪い」
と噂されるようになっていた
学校でいじめに遭っている少年はこの日
に相手を殺して自分も死ぬつもりでいた
そんな時、公園で出会ったピエロが
殺害を手伝ってくれるという
本当の罪は誰なのか?
感動のヒューマンミステリー!



    



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ネタバレ・感想
ジャッジメント」同様に考えさせられる
物語で“復讐”や“いじめ”がテーマの作品


・いじめられている時田
・いじめにより息子と妻を亡くした風見

この二人視点で物語は展開していく
壮絶ないじめで殺人を決意する時田と
息子の自殺の真相を調べ上げて復讐に
燃える風見の描写は胸が痛くなった
“人を殺してはいけない”というのは
当たり前の事ではあるが、実際に
時田や風見と同じ境遇になったら
大多数の人が復讐を思うだろう


時田は公園で出会った謎のピエロ・ペニー
と心を次第に通じ合わせる
ペニーの正体は誰なのか?
先の展開が気になり一気読みだった


・少年の自殺を機に加害者になる少年達
・復讐に燃える被害者の遺族の葛藤
・復讐後に今度は加害者になる現実


風見(ペニー)の行動は許される罪
ではないが致し方ないと思う
罪人の祈りが届いて欲しいと思った
ラストの刑務所にいる風見に時田
風船を見せるシーンは涙した
未来に救いを持たせる終わり方で良かった


復讐の日はあった方が抑止力になるのか?
逆に争いを生み負の連鎖になるんじゃ?
何が正しいのか、本当の悪とは何なのか?
簡単に応えは出ないし、人によって“正義”
や“悪”の形は違う
単純に被害者と加害者では終わらない
殺人によって救われる人もいる事実
正論だけでは割りきれない
本当の罪人は誰かという重いテーマで
考えさせられる作品でした

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こんな人にオススメ
・細かい心理描写を読みたい
・考えさせられる話が好き
・色々な角度から物事をみたい


あらすじ・内容
大切な人を殺されたものは言う
「犯罪者に復讐してやりたい」と
凶悪な事件が起こると人々は言う
「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と
20XX年凶悪な犯罪が増加する一方、
新しい「復讐法」という法律ができた
目には目を歯には歯を・・・
この法律は果たして被害者を救えるのか?
人が人を裁くことの難しさ、人を赦すこと、
自分を赦すこと、その苦しみとは
人を裁くことの葛藤を描いた衝撃作!

 


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ネタバレ・感想
犯罪者に対して被害者遺族が同じ方法で
復讐する事ができる「復讐法」
5つの短編で読みやすいが話は重い


もし、こんな法律ができたら
もし、大切な人の命が奪われたら
その相手に対して復讐を実行できるのか?
自分だったらと考えながら読んだ


目も背けたい凶悪事件が起きたり
裁判で余りにも軽い判決が出たり
心神喪失者のフリをして罰を逃れたり
犯罪者を法律では裁く事が出来ない場合、
他人の立場からなら復讐法を実行し
同じ目に遭えばいいのにと思う


しかし、実際に被害者の立場になったら
どう思うだろうか?


殺された者は復讐を望んでいるのか?
復讐が復讐を呼ぶんじゃないか?
自ら手を下すことができるのか?
実際に執行人にはなれない気がする


登場する被害者遺族はみんな自分自身を
責めて苦しんでいた
被害者には被害者にしか分からない
それぞれの思いがあり胸が締め付けられた


第五章のジャッジメントは切なかった
子供は親を選べないし、子供が可哀想
母に愛されてないと知ると自殺を図る
自分を責め、罪の償い、赦しを問う

虐待の事件など胸が苦しくなるような
ニュースはよく聞くが反抗できない
幼い子供に対してだけは
「復讐法」はあってもいいかと思う
抑止力になり、虐待は少なくなると思った


もし、この「復讐法」が現実になったら
読む前は当然ありかと思ったが
読み終えたら正しいのか分からなくなった
復讐法を実行しても被害者遺族が満足する
訳ではないし、加害者と同じになってしまう
復讐法を疑似体験できる作品なので
色々と考えさせられた1冊でした

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