サラリーマンの読書

読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

タグ:柚月裕子

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こんな人にオススメ
・熱い話が好き
・ハラハラしたい
・任侠物が読みたい



あらすじ・内容
所轄署から田舎の駐在所に異動になった
日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを
感じていた
そんななか、懇意にしているヤクザから
建設会社の社長だと紹介された男が
敵対する組長を暗殺して指名手配中の
国光寛朗だと確信する
彼の身柄を拘束すれば刑事として
現場に戻れるかもしれない
日岡が目論むなか、国光は自身が指名犯
であることを認め「もう少し時間がほしい」
と直訴した
男気あふれる国光と接するにつれて
日岡の中に思いもよらない考えが浮かぶ
警察とヤクザの意地と誇りを賭けた
狂熱の物語!「孤狼の血」シリーズ




   



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ネタバレ・感想
「孤狼の血」「孤狼の血LEVEL2」の映画を
見て続きが気になり手に取った
期待通りに面白くて一気読みだった


プロローグの会話は隠語とわかったが
誰が話しているかわからない
物騒な話だったので完全にヤクザ同士
の会話だと思って読み進めた
意味深なプロローグが良かった


大上の想いをしっかり受け継いだ日岡は
仁義を重んじて面倒見の良い国光に次第
に惹かれていく
ヤクザたけど国光が格好良すぎる
舎弟たちの事を家族のように大切にし
溺れた子供を躊躇なく助ける
国光みたいな上司が欲しい(笑)
川瀬が国光に名前を呼んでもらう時が
一番嬉しいというエピソードがいい
舎弟からの信頼が厚かった
バリバリの武闘派で頭もキレるし
人格者で懐も深いし惚れてしまうわ


日岡は警察官でありながら国光と兄弟の
杯を交わし目的の為なら下道にもなる
“凶犬”の覚悟を決める
日岡の成長にも目を見張った
大上が孤独な“狼”で日岡が狂気の“犬”
という位置付けだった
日岡も格好良かったが国光がそれをも
越える魅力があった!


プロローグの「墓を汚す鳥」の意味も
分かり全てが繋がった時は巧いと思った
柚月裕子は相変わらず読ませる力があり
物語に引き込まれてしまった
ラストシーンの国光には残念だが
日岡が今後どうなるのかが気になる
続編の「暴虎の牙」も読まずにはいられない


晶子の蛸飯や国光の舎弟井戸の料理
すき焼きや立て籠り中の焼おにぎりが
美味しそうで食べたくなった(笑)
久しぶりの広島弁も良かった
映画化では誰が国光を演じるのか?
今から楽しみすぎる!

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・心理描写を楽しみたい
・読み応えのある話か好き


あらすじ・内容
婚活サイトを利用した連続不審死事件に
関与したとして殺人容疑がかかる円藤冬香
しかし、冬香には完璧なアリバイがあった
共犯者の影も見当たらない
並外れた美貌をもつ冬香の人生と犯罪動機
に興味を抱いたライターの由美は事件を
独自に追い始める
そこで明らかになる信実とは?
一気読み必至の驚愕サスペンス!

 


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ネタバレ・感想
結婚詐欺やアリバイ崩しを推理していく
話と思いきや虐待、無戸籍、共依存など
様々な社会問題をテーマにした作品だった


柚月作品は心理描写が丁寧で良い
その為、読ませる力がある作品になる
いつも思うがオッサンを上手く描く
片芝がいいアクセントになっていた


序盤からどんどん話に引き込まれる
ライター・由美の目線で真相に迫っていく
由美と片芝は円藤冬香が児童養護施設
で育ったことを突き止める
施設を出た冬香は介護職に就いており
何故か東北出身の入居者の東北なまりを
聞き取ることができていた
そこから冬香と東北の繋がりを疑います
そんな中、事件の日に冬香の携帯電話に
着信があった事が判明する
電話を掛けたのは江田知代という女性
江田は冬香との関係は否定するが江田も
東北出身ということが判明する
ここからは先の展開が気になり一気読み


由美は東北に行き調査を進める
過去の未解決事件を調べていくと
沢越早紀という少女が父親を刺した後
行方不明になっていたことが分かる
早紀の妹の名前は偶然にも「冬香」だった
しかし、円藤冬香と年齢が合わない


円藤冬香の婚活サイト不審死事件と
東北で見つけた過去の未解決事件が
結びついた時に真相が明らかになる!



何と!・・・



沢越早紀=円藤冬香
沢越冬香=江田知代
早紀は周囲の協力で戸籍を偽造していた!

円藤冬香→関東の児童養護施設へ
沢越冬香→東北の児童養護施設へ
姉妹は離ればなれになってしまう
冬香は姉・早紀は死んだと思っていた
その後、冬香は更生した父親と暮らすが
しばらくすると以前のような虐待を受ける
そこへ早紀が現れて冬香を支え励ました
そして、一緒に父親を殺してしまう
その後は極力連絡はとらない約束をした


時は流れ知代(冬香)はレストランのオーナー
と結婚して幸せな生活を送っていたが
過去の父からの虐待の記憶に苦しむ
それから逃れるためにパチンコを始める
→次第にギャンブル中毒になる
→生活費や家の貯金を使い果たす
→出会い系サイトで結婚詐欺をする
→円藤冬香の名前を使う(バレないように)
→円藤冬香にアリバイができる


また、途中から「あなた」が出現する
この二人称は誰なのか?
新たな登場人物かと思いきや
冬香(知代)の別人格だった!
過去のつらい経験から生じた人格で
冬香(知代)と対話していた


互いに心の支えだった姉妹の絆は
いつしか共依存状態になっていた
それが殺人事件を引き起こす原因になる
読んでいて真相が明らかになるほど
悲しい気持ちになった(;´д⊂)
つらい生い立ちの子供たちを助ける
方法は何かなかったのか?
どうすれば防げたのか?


東尋坊で保護された時に相談していたら
妹と一緒に父親から逃げていたら
父親がアルコール中毒じゃなかったら
知代がパチンコにのめり込まなかったら
たらればを言っても仕方がないが
狂った歯車は元には戻らなかった


暗く思いテーマだったが面白かった
点と点が次第に繋がり線になる展開
サスペンス要素だけでなくミステリーと
しても読み応えがある満足な1冊でした

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こんな人にオススメ
・主人公の成長を楽しみたい
・リアルなストーリーが好き
・一気読みしたい


あらすじ・内容
ケースワーカーの山川が殺された
新人職員の牧野聡美は彼の後を継ぎ
生活保護世帯の訪問支援の担当になる
仕事熱心で人望も厚い山川だったが
受給者を訪ねるうちに不審な点に気づく・・
生活保護の闇に迫る、渾身のミステリー!

 



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ネタバレ・感想
柚月作品はまず、心理描写が丁寧
ストーリーもリアリティがあるので
感情移入しながらサクサク読める

本作は生活保護の闇を焦点にしている
新人職員の聡美は山川の仕事を引き継ぐ
生活保護受給者を訪問していくと
不審な点がどんどん浮かび上がる
生活保護の不正受給疑惑や貧困ビジネス、
ヤクザの関与や医療機関の不正関与など
かなりリアリティがあって読みごたえアリ

当初はケースワーカーの仕事が嫌だったが
終盤は責任感や使命感を持った職員へ
聡美の真面目な性格に好感が持てた
同僚の小野寺もなんだかんだでいいキャラ
事件の真相にケースワーカーの立場から
迫っていくコンビも良かった

若林刑事は目つきや口は悪いが
熱い信念を持ったいい刑事だった
聡美の緊急事態にはやや暴走していたが
迅速で的確な指揮を取っていた!
若林の判断が無ければ聡美は殺されていた
魅力的な刑事だったので続編が見たい

ミステリー要素もあり良かった
山川の高級腕時計などミスリードも
推理しながら読むには面白かった
終盤のハラハラした展開は一気読み
最後は未来に希望を持たせる終わり方で
読み終えた後は爽快感があり良かった

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こんな人にオススメ
・丁寧な心理描写を楽しみたい
・一気読みしたい
・どんでん返しが好き


あらすじ・内容
家事と育児に追われる高村文絵は
ある日、中学の同級生、加奈子に再開
加奈子から化粧品ビジネスに誘われる
大金と生き甲斐を手にしたが・・・
鎌倉で起きた殺人事件の容疑者として
突然逮捕されてしまう
無実を訴える文絵だが加奈子が姿を消し、
詐欺容疑まで掛かってしまう
全ては文絵の虚言なのか!?
消えた加奈子の正体は!?
戦慄の犯罪小説

 


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ネタバレ・感想
柚月裕子は「臨床心理」「慈雨」に続き
3作品目でした
やはり、心理描写が丁寧に書かかれている
文絵の目線、刑事の秦の目線どちらも
リアリティがあり感情移入しやすい


家事や育児に追われている主婦の文絵
中学時代の同級生の加奈子に化粧品ビジネス
に誘われ大金と生き甲斐を手に入れた
しかし、騙され殺人事件の容疑者に・・・
文絵の取調べが進むにつれて
文絵には子供がいない事が発覚する
このあたりから続きが気になり一気読み

事件の真相を握る加奈子を追うが、
加奈子は数年前に亡くなっており
犯人が加奈子になりすましていた!
サングラスの女は誰なのか?

ATMの振込明細書から糸口を見つけ
秦と菜月の粘り強い捜査で真相に近づく
この秦と菜月のコンビが良い
続編があれば菜月の成長を描いて欲しい

他人になりすまして犯罪を繰り返す犯人
リアル過ぎて怖かった
文絵がはめられる過程も恐ろしい
中山七里の「嗤う淑女」みたいだった

甘い話には罠がある
タイトルの意味に納得した
読みごたえがあり面白い作品でした

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こんな人にオススメ
・心理描写を楽しみたい
・緻密に作り込まれた話を読みたい
・正義感が溢れる話が好き



あらすじ・内容
警察官を定年退職した神場は妻の香代子
とお遍路の旅に出る
旅の途中で幼児殺人事件を知り
それが16年前、自身が捜査した事件と
酷似していた事に動揺する
16年前の事件では犯人は逮捕されたが
冤罪の可能性も否定できず、
神場の心に悔恨を残していた

かつての部下を通して捜査に関わり出し
真実を追いながら過去と向き合う
様々な思いが交錯する慟哭のミステリー!

 



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ネタバレ・感想
臨床真理に次いで2作目の柚月作品
この人は心理描写が丁寧に描かれていて
話や登場人物も作り込まれている
真相に近づくに連れてページをめくる手
が止まらず一気読み!


主人公の神場は寡黙だか正義感が強い
周囲からも信頼されていた
こんな上司の元で働きたいと思った
神さんに「踏ん張れ」と言われたい

また、妻の香代子も天真爛漫で明るく
人の良さがにじみ出ている
心理描写が丁寧なので感情移入できた


16年前の幼児殺人事件は冤罪の可能性が
あり、その事を退職した後も苦しんでいた
お遍路の旅の途中で16年前の事件に
酷似した幼児殺人事件を知る
16年前逮捕された犯人は服役中であり
胸騒ぎが止まらず捜査に関していく


過去の事件の捜査をかつての部下であり
娘の恋人である緒方に託す

犯人は誰なのか?
16年前の事件と同一犯か!?
同一犯であれば冤罪が確定する


捜査を指揮するかつての同僚、鷲尾も
神場と同じように全てを捨ててでも
過去の過ちと向き合おうとする
もし、自分が同じ立場にいるなら悪夢を
見ようが安定した生活を守ってしまう
彼らは本当に強い人間だと思う


終盤で娘の幸知と緒方の結婚を反対していた
神場が結婚を許す電話のシーンは感動!

「緒方はいいやつだ」
「男としても、刑事としても~」
「安心して、あいつについていけ」
「話はそれだけだ」

幸知も普段、電話で話さない父に驚く
家族の愛を感じて読みながら潤んだ


捜査はお遍路と並行して進んでいく
道中に出会った少年のミニカーをヒントに
事件は進展して真相が見えてくる


お遍路の終盤での天気雨は優しい慈雨
神場の心情を表していた

人生においてもいい事ばかりでない
しかし、辛い事があるからこそ
嬉しい事や楽しい事がある
些細な事にも幸せを感じる事が出来る


話も作り込まれており面白かった
他の柚月作品も読みたくなりました
【慈雨】は映画化して欲しいなー

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