
こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・イヤミスが読みたい
・心理描写を楽しみたい
あらすじ・内容
ホームレスになってしまった「ボク」は
食料を探していた神社で小学生の麻由
から弁当を渡される
巧妙な「餌付け」の結果うまれた共犯関係
は運命を転落させてゆく
見せかけの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算
が醜くこぼれ落ちるとき、人は自分を
守ることができるのか!?

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ネタバレ・感想
荷物をひったくられホームレスになった
「ボク」が小学生に餌付けされる
導入部から物語に引き込まれてしまう
一人称が「ボク」で描かれているが何か
違和感を感じてしまう
小学生の女の子は怖いハズなのに
ホームレスと接触することができるのか?
そもそも「ボク」はホームレスになり
逃亡してる理由は何なのか?
先の展開が気になり一気読み
心理描写が丁寧で感情移入してしまう
読書時ちょうどダイエット中だったので
「ボク」の空腹のつらさを共感した(笑)
極限状態で弁当や食べ物を貰えば
小学生の言うことを聞いてしまうだろう
しかし、睡眠薬を食べ物に入れるという
行為で「ボク」は小学生を殺してしまう
第一章の教唆では小学生の狡猾さを感じた
状況によっては立場は一気に変わる怖さ
や心の闇や深さで思い雰囲気だった
美希子が持っていた槌屋麻由のリックの
伏線は回収して欲しかった
バレないように偽名を使うくらいだから
家にあった貰いものを使ったんだろう
第二章の隠匿で「ボク」の正体が分かる
「ボク」は男ではなく、女だった
ここでようやく違和感の謎が解ける
この章は律子の視点で描かれている
匿った知実がバレないかハラハラした
警察の取り調べのシーンは緊張感があった
カイロの指紋から知実の関与が発覚し
警察が徐々に律子の周囲をマークし始める
律子の精神が衰退していく様子が
痛々しくもあり、読んでいて疲れた
第三章の転落では知実の狡猾さや執念
人の善意の裏にある悪意が描かれている
被害者である律子が加害者の知実を匿った
理由がようやく明らかになる
何と、息子を殺したのは知実ではなく
律子で知実は身代わりになっていた!
知実が殺していないと推理していたが
これは予測できなかった
また、叙述トリックのミステリーに目が
行きがちだが、メインは子供を失った
母親の苦悩と転落を描いたダークな物語
律子は今後どうなるのか?
罪を償って穏やかに生きて欲しい
心理描写が見事に描かれた1冊でした

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