サラリーマンの読書

読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

タグ:石持浅海

college-4727066__480



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・頭脳戦を楽しみたい
・ロジカルなミステリーが好き



あらすじ・内容
投資家・小池規彦の前に同じ大学の後輩
にあたる田島裕也が現れた
立ち上げたばかりのベンチャー企業への
出資を求に来た院生の田島は熱意と情熱
に満ち溢れた若者のように見えた
しかし、彼の謎めいた行動から小池は
田島が母校の大学に復讐心を持っている
ことを見抜く
そして、実は小池自身も同じ復讐心を
胸に抱いていたのだった……。
「実行者」と「支援者」ふたりの天才が
繰り広げる極限の推理劇!


    


 
――――――――――――――――――――――





ネタバレ・感想
本作も石持浅海ワールド全開だった
復讐の対象が人ではなく大学という
設定が面白かった


主人公の田島の推理が凄い
些細な事や言葉からの考察が鋭い
弦巻が作ったミニゲームの解釈や
女子大生の自殺未遂の考察には驚いた


田島同様に頭の回転が早い小池との
駆け引きや頭脳戦には痺れた
互いに自身の復讐心は隠しながらも
理詰めで相手をじわじわと探っていく
展開がスリリングでハラハラした


動機の面が少し弱い気がするが
(石持作品に共通している)
恨みや怒りは本人しか分からないし
そんなことで?という理由で殺人が起こる
人間の危うさや不安定さを表現していた


石持作品の醍醐味である心理戦が良い
少ない情報から推理して相手の考えを
どんどん読み取っていく
田島も小池も深読みが凄かった
二人とも“大学に復讐する”という
同じベクトルを向いていたのに
小池が殺されるラストは残念だった
田島は単なるから復讐者から社員を思う
経営者の顔になっていた
これが小池の誤算になってしまった
全くためらい無く殺人を犯す田島
こんな人が周りにいたら怖い((( ;゚Д゚)))


二人の心理戦から目を離す事が出来ず
先の展開が気になって一気読みでした
ロジカル好きな方にオススメの1冊です!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

master-bedroom-96086__480



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・頭脳戦を楽しみたい
・どんでん返しが好き



あらすじ・内容
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」
その夜、中条夏子はかつての親友
である黒羽姫乃を殺害した
愛した男の命を奪った女の抹殺を
自らの使命と夏子は信じていた──
証拠隠滅は完璧で、さらに死体が握る
“カフスボタン”が予想外の人物像へ
疑いを向ける
夏子は完全犯罪を確信した
しかし、ゲストの碓氷優佳は姫乃が
残したメッセージの意味を見抜く
最後に笑う「彼女」は誰か……



    




――――――――――――――――――――――


ネタバレ・感想
碓氷優佳シリーズ三作目で今回も
鋭い推理が冴え渡る
一作目「扉は閉ざされたまま
二作目「君の望む死に方
同様にハラハラした頭脳戦だった


倒叙ミステリーになっており
犯人の視点で物語が展開する
完璧に証拠隠滅したはずだったが
死体には見覚えの無い“カフスボタン”
が握られており自体は一変する


なぜ“カフスボタン”があるのか?
犯人の夏子自身もこの謎に挑む
この一風変わった設定が面白い
姫乃自身が握ったと考えると
なぜ夏子を助けるような事をしたのか?
良太に罪を擦り付ける意味も分からない
先の展開が気になり一気読みだった


また、「君の望む死に方」に出てた
堀江比呂美が本作にも登場
碓氷優佳の友達になってるし(笑)
犯人には興味のない碓氷優佳
夏子に比呂美の恋について相談し
ついでくらいの感覚で夏子と話す
「中条さんは逮捕されちゃいますから」
これには冷徹すぎて驚いた( ´゚д゚)
カフスボタンの謎を解きたい夏子は
そのまま優佳と対峙する


優佳は全ての謎を解いていた
姫乃も夏子同様に殺す機会を待っており
刺し違える覚悟でいた

【夏子が死んでいた場合】
→カフスボタンを手に入れる
→夏子を殺す(焼酎の瓶や鈍器)
→カフスボタンを握らせる
→良太を犯人にして脅す
→良太を利用し死体を処理

カフスボタンは良太を利用する為だった
良太と話し込んでいたのは計画の一部
お土産としての焼酎を凶器に使用する
死体や凶器の処理まで計画していた
姫乃恐ろしい((( ;゚Д゚)))


そして、優佳のこのセリフ
「どちらかといえば、黒羽さんの計画
の方が成功してほしかった気がします
その方が美しいから
優佳もっと恐ろしい((( ;゚Д゚)


そして、ラストではどんでん返しが!
車に乗り込む夏子は胸騒ぎを感じる

・珍しい姫乃の遅刻
・姫乃は車が趣味
・車で死体を処理する計画

気づいた時には遅かった
下り坂でブレーキが効かない!
ガードレールの切れ目に勢いよく
突っ込む描写で物語は幕を閉じる
姫乃の方が数段上手だった
優佳はどこまで読んでいたのか?
おそらく全て推理してたのだろう
今回も石持ワールドを楽しめた
ロジカル好きにはオススメの1冊です
石持さんアイスピック好きだなー

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

robot-1797548__480



こんな人にオススメ
・緊迫した話が好き
・頭脳戦を楽しみたい
・切ない話が読みたい


あらすじ・内容
水野が所属する携帯アクセサリーの開発
チームが大ヒット商品を生み出した
だが、祝勝会の翌日に、リーダーの粕谷
が社内で不審な死を遂げてしまう
死因はニコチン中毒だった!
当初は事故と思われたが、水野は恋人の
早智恵が犯人である決定的な証拠を発見
してしまう
なぜ、彼女が・・・・・!?
人間のエゴと感情の相克を浮き彫りにする
傑作心理ミステリー




------------------


ネタバレ・感想
今回も石持ワールド全開で面白かった
終始、主人公の水野の視点で描かれる
もし、自分の恋人が殺人犯人だったら
どう行動するか考えながら読み進めた


登場人物
水野・・・・・主人公、早智恵と交際
早智恵・・・水野の恋人(ベイビーハンド)
粕谷・・・・・開発チームのリーダー
尼子・・・・・気配り上手(ベイビーハンド)
桜沢・・・・・勘が鋭い頭脳派
千鶴子・・・童顔のヘビースモーカー


序盤に粕谷が不審なニコチン中毒死を遂げ
恋人の早智恵の部屋のゴミ箱からタバコの
レシートが見つかる
早智恵はタバコを吸わないので事件に関係
している可能性が高いと水野は推理する


ここから水野は頭をフル回転させていく
恋人が殺人犯と思いながら過ごすのは
精神的にもつらし怖いのに落ち着いていた
早智恵の逮捕前に別れて犯人の元恋人で
いたいと保身に動こうとさえしていた
自分が同じ立場なら、しばらくは恋人の
動向に注意し、自分も殺される可能性が
あるので食事には特に警戒するだろう
神経をすり減らしてボロボロになっている


同僚の桜沢の推理力は見事
いいキャラで作品に深みが出たし
水野とのディスカッションでは石持作品
の醍醐味を十分楽しめて大満足
犯人が分からない中、独自の感覚で
真相に迫っていくのは読み応えがあった 


犯人の動機は推理しやすく石持作品
にしてはしっかりしている
早智恵の罪を重ねる冷静さは恐ろしく
憎しみの強さを感じた
殺したい人と一緒に仕事や飲み会をしたり
早智恵は本当につらかっただろう
殺人の動機も水野との恋愛も切なかった


終盤の水野と早智恵との会話で
「僕は君を愛している。
でも、君がいなくても平気だ
ここでミステリーから恋愛小説に変わる
最後まで楽しめた1冊でした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

diving-813028__480


こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ロジカルなミステリーが好き
・クローズドサークル物が読みたい


あらすじ・内容
大時化の海での遭難事故を経験した6人
その経験により信頼と強い絆で結ばれる
その中の一人、米村美月が自殺した
遺された5人は彼女の自殺に疑問を持ち
死に隠されてた謎について議論を始める
お互いを信じ、海に魅せられた者達が
小さな手がかりから論理展開していく!


 


-------------------

ネタバレ・感想
今回も石持ワールド全開でした 
6人の仲間の内、一人が自殺する
遺された5人が彼女の死について議論する

舞台は、マンションの一室

設定が変わっているのは自殺は確定で
“悪意”が全く無いミステリーという事


・青酸カリの瓶の蓋は誰が閉めたのか?
・何故、自殺したのか?
・協力者は誰なのか?


ストーリーは地味で派手な展開も無い
仲間内で自殺の真相を論理展開する内容
でも、ロジカルで面白い!!
頭をフル回転させながら一気読み


美月の死が自殺と確定しているので
小さな違和感から協力者を推理していく


児島克之
→美月の自殺を発見している
 主人公なので協力者では無い

三好保雄
→自宅マンションで自殺される
 遺書からも協力者とは考えにくい

吉川清美
→主人公の恋人
 児島とのやり取りから考えにくい

大橋麻子
→サバサバした性格
 麻子だけが“美月”と呼んでいる

磯崎義春
→冷静で頭が切れる
 細かい所に気が付く


探偵と犯人の心理戦では無く
あくまでも仲間内で納得できる“答え”
を目指して議論を繰り広げていく


美月に人工呼吸しようとした児島を
磯崎が止めていたので磯崎が協力者である
と推理する事はできた
(青酸カリでの自殺と知っていたから)


ただ、美月自殺の理由は分からない
せっかく遭難事故から生き延びたのに
自殺を選択する意味が分からない
生死の極限状態を体験したら変わるのか?
運命共同体の絆ができるのか?
その絆は自殺する程なのか?
自殺の動機は理解できなかった


ラストシーンでは磯崎が青酸カリ入りの
魚肉ソーセージを食べて自殺する
悲しい余韻を残して物語は終わる
磯崎は自殺しなくてよかったと思うが
磯崎なりの信念があったんだろう


ビールを飲みながらの推理(議論)と
いうシチュエーションは良かった
ビールが飲みたくなりました(笑)


ただ、三好は自宅マンションで
仲間が2人自殺と災難すぎる
それだけで三好の人の良さが分かります
三好みたいな人が知り合いに欲しい


磯崎と美月の間に子供が出来ていれば
こんな結末にはならなかっただろう
仲間の信頼を証明するための推理
美しく切ないミステリーでした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村


pocketknife-795946__480



こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・頭脳戦を楽しみたい
・サイコパス物が読みたい


あらすじ・内容
並木直俊は決意した「3人の人間を殺す」
完璧な準備を整え、自らには疑惑が
かからないような計画で
標的は、仁美、真理江、幸の美女たち
倫理観?命の尊さ?そんな問題ではない
「破滅」を避ける為には、彼女たちを
殺すしかないのだ!!
しかし、事態は思わぬ方向へ転がり始める
驚愕と緊迫の連続殺人ストーリー





-------------------

ネタバレ・感想
並木は、たった一晩で何人もの親しい
友人たちを殺害する
1人目の恋人あかねは正当防衛だった
その殺人をきっかけに次々と人を殺す
物語はほぼ並木の視点で描かれおり
「殺人」にあたる緊張と興奮、そして快感
を丁寧に描写していて緊迫感があった


殺人という極限状態の中で冷静に判断して
行動する並木が怖かった((((゜д゜;))))
普通に考えて一晩で3人を殺す事は難しい
しかも、準備もしていない
ぶっつけ本番で数時間しか猶予は無い

・そもそも彼女たちは家にいるのか?
・1人でいるのか?彼氏は?友達は?
・ドアを開けてくれるのか?

不確定要素が多くて行き当たりばったり
その中で効率良く、証拠を残さずに
頭をフル回転させながら行動していく
並木の視点で「自分ならどうするか?」と
考えてながら読んだのでハラハラした


動機は隠されながら物語は進行するが
分かった時は少し腑に落ちなかった
並木は「覚醒」止めようと行動したが、
自分自身が「覚醒」してしまう事になる
結局、幸も「覚醒」してしまい
被害者支援団体の関係者は殺害され
誰も救われていない


面白かったが、それよりも・・・
こんな石持浅海は読んだ事が無い
ロジカルで息を呑む頭脳ミステリーを
想像していたらシリアルキラー?
これが一番驚きました


本作は幸の今後が気になる終わり方
「覚醒」した幸の続編が読みたい!
できる事なら作品間リンクさせて
座間味くんか碓氷優佳と対決して欲しい

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ