サラリーマンの読書

読書好きのサラリーマンです オススメの本を紹介しています! 生活に活かせる情報も発信中(^_^)/

タグ:秋吉理香子

christmas-village-1088143__480



こんな人にオススメ
・ハラハラしたい
・ミステリーが好きに
・心理描写を楽しみたい

 

あらすじ・内容
三田由紀恵は病院勤務の看護師
幼い娘の育児と仕事の両立に限界を
覚え退職を決意した
クリスマスイブの今日が勤務最終日
夜勤の間は夫の雅之が面倒を見ている
だが、ラインのメッセージに返信がない
電話をかけても繋がらない
由紀恵は自分に執着していた不気味な
患者を思い出し胸騒ぎを覚える
由紀恵に看てもらうために自らの身体
傷つけてくるほどで、病棟を移るたびに
損傷箇所は増えていった
家族の絶望と狂気、そして再生を描いた
旋律のサスペンス!


 





―――――――――――――――――――――――



ネタバレ・感想
ハラハラする展開で一気読みだった
そして見事に騙された
秋吉理香子はやっぱり面白い


衝撃的な表紙だか内容も同様だった
雅之の監禁シーンと由紀恵の病院のシーン
が交互に展開し“生死”が描かれていた
病院のシーンでは看護師の仕事の大変さ
がリアルに書かれ興味深かった
3Kならぬ8K、人によれば10K(;つД`)

・きつい
・汚い
・危険
・休暇が取れない
・帰れない
・給料安い
・規則が厳しい
・化粧が乗らない
・結婚できない
・子供埋めない

心優しい患者もいればセクハラをする患者
もいる、病院だけに亡くなる人もいる
忙しく働く中で普段厳しい師長の素顔を
知り由紀恵は数年後の復帰を決意する
病院小説としても楽しめた
師長みたいな上司が欲しいと思った


監禁シーンは緊迫感が凄い
監禁された夫は意識を取り戻すが
椅子に縛られ自由に動けない
犯人との会話から犯人が由紀恵の患者
だった柿沼とわかる
二人の攻防は手に汗握る攻防で終始
ハラハラしながら夫の無事を祈った
一人で家に残された舞衣子も気になる
舞衣子の描写が一切無いので嫌な予感が
強まりいっそう緊迫感が増していく
命からがら柿沼を撃退し家に帰る夫
舞衣子も無事で本当に良かった



しかし、これだけでら終わらない
ここからのどんでん返しには驚いた
帰宅した由紀恵が発した言葉が・・・














「どうしてあんたがここにいるのよ」
博信 Σ(*゚Д゚*)!?




家にいたのは雅之ではなく
前夫の博信だった!!
秋吉作品だから何かあるとは思ったが
これは予測できなかった
シチューを作るシーンで雅之にしては
手が込んでると違和感を感じたが
まさかの前夫だった((( ;゚Д゚)))
ストーカーVSストーカーのバトルを
読んでいたのか(笑)
話が通じない博信との会話が怖かった
人間の過度の執着心は恐ろしい


ここからの展開もハラハラした
雅之は博信に監禁されて別の部屋に
いて体は冷えていたが生きていた
隙を見て何とか逃げ出した由紀恵
隣の住人に助けを求める
しかし、出てきたのは・・・






博信  Σ(*゚Д゚*)!?




何と、博信は隣の部屋に住んでいた
このシーンが一番驚いた
前夫が隣の部屋に住んでいる異常さ!
しかも、由紀恵達の部屋はカメラで
監視され生活は全て把握されていた
これだけではなく合鍵まで作られ
由紀恵が不在の時に部屋に侵入し
舞衣子の子守りをしていた
もう怖すぎて言葉が出ない((( ;゚Д゚)))


由紀恵は雅之と協力し博信と対峙する
一進一退の攻防でハラハラした
博信を見殺しにせず救急車を呼ぶ選択
をした由紀恵は凄い
その後、待望の子宝にも恵まれ
新居のマンションに引っ越すシーンで
で物語は幕を閉じる
未来に希望が持てるラストで良かった
ただ博信がマンションのパンフレット
を見ているのが気掛かり

・12階建ての建物
・駅から徒歩15分
・近くにショッピングモール、保育園あり

これだけ分かれば特定される
出所後に同じ事を繰り返しそうで怖い
このゾワゾワを残す感じが秋吉作品
らしくて良かった


由紀恵はストーカーを呼ぶ体質なのか?
同性の同僚からキレイと言われ
ドクターにもファンがいるくらいたから
美人で優く魅力的なんだろう
雅之は大丈夫?もしかして雅之も?
たった一夜の話だったが展開が凄い
ゾワゾワしたい人にオススメの1冊でした

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

child-3355623__480



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・どんでん返しが好き
・心理描写を楽しみたい



あらすじ・内容
郊外の町で幼稚園児の遺体が発見された
被害者はには性的暴行の跡があった
事件のニュースを見た主婦・保奈美は
大切な一人娘は無事かと不安に陥る
警察は懸命に捜査を続けるが犯人は
一向に捕まらない
「この子を、娘を守ってみせる。
そのためなら何でもする。」
母が取った行動とは──。
驚愕のサスペンス・ミステリー!



     




――――――――――――――――――――――





ネタバレ・感想
やっぱり秋吉作品はおもしろい
完全にミスリードされてしまった
見事に騙されました(≧口≦)
美奈子、真琴、刑事の坂口&谷崎
それぞれの視点から物語は描かれる


46歳の保奈美と3歳になる子・薫
長く辛い不妊治療を経て授かった娘
ある日、近所で幼児殺害事件が起こる
犯人はまだ捕まっていない
保奈美は、娘を守ると決意する


序盤で真琴が犯人と判明するが
そこからの展開に目が離せない
真琴は整った顔立ちに優しい性格
しかも真面目で成績も優秀
人気者で女子からの告白は絶えない
少し口は悪いが年頃の高校生


まず、驚いたのは真琴はだった
しかも、さらっと書かれている 
言葉づかいや告白されるシーンから
完全に男だと思っていたΣ(´Д`;)



また、美奈子が蓼科の鍵を盗んで
コピーするシーンはハラハラした
蓼科のアパートにも侵入するし
美奈子暴走し過ぎだろ!!
結局、蓼科を自殺に見せかけて殺害
美奈子も真琴同様に恐ろしい(( ;゚Д゚))


美奈子と真琴がどう繋がるのか?
これから逮捕されるのか?
先の展開が気になり一気読み
帯のラスト25ページ、世界は一変する
に期待しながら読み進める





そして、終盤には衝撃のどんでん返し
何と・・・












美奈子の娘は真琴
真琴の娘がだった(*゚Д゚*)


真琴は過去に蓼科からレイプされ妊娠
出産した後は薫を養子縁組していた
美奈子は辛い不妊治療を経て真琴を
出産しているので子供をおろさせる
選択は無かった
(不妊治療の辛さや大変さが丁寧に
描かれ悲しみが心に残った)


真琴の犯行の証拠を隠滅していたのは
美奈子で娘を守るためだった


「この子を、娘を守ってみせる」
この書き方が絶妙で上手い
冒頭から答えを言っていた……

この子→
娘→真琴



ラストはベテラン刑事・坂口と谷崎が
美奈子の家を訪問する描写か描かれる
この後はどうなるのか?
読者に委ねる終わり方だった
真琴は捕まらないでほしい
あと坂口&谷崎はいいコンビなので
是非、他の秋吉作品に登場してほしい


不妊治療と過去のレイプ事件
子供を思う母の想いなどの伏線が
キレイに回収される
犯人は序盤に分かるにも関わらず
先が読めない展開にどんでん返しで
最後まで物語を楽しむ事ができた


美奈子と真琴目線の母が違い過ぎて
同一人物とは思えなかった
美奈子・・ヒステリックおばさん
真琴母・・明るく娘を大事にする母
視点が違うので別人に見える手法に
まんまとミスリードされた


全てを知った上で読み返すと
実に上手く描かれていて凄い

・藍出市幼稚園児殺害ネットニュース
→読みたくないが情報は欲しい
薫を守るために情報が欲しい
(真琴が犯人なので情報が欲しい)

・美奈子が日曜日に寝坊したシーン
→昨日も、遅くまで起きていた
遅くまで翻訳の仕事をしていたのか?
(真琴の犯行を隠蔽して遅くなった)

・ベランダから不審者を発見
→あの男はもしかして……
怪しい人物を幼稚園児殺人犯と思う
(蓼科に似ているがどうなのか?)

・不審者は畑を借りていた
→近所を堂々うろつく為
思い込みがひどい保奈美
(蓼科は真琴を狙っているかもしれない)

・蓼科の部屋に侵入
→娘が写った写真を発見する
何で薫の写真があるのか?
(実際にあったのは真琴の写真)

・真琴が告白されるシーン
→ああ、これだからは女は
告白した女の子が面倒くさい
(真琴自身が女で面倒くさい)

・家族でテレビを見るシーン
→テレビの音や声を落とすように言う
真琴の母は神経質なのか?
(寝ている薫が起きてしまうから)

・さとしのズボンを脱がせるシーン
→慣れた手つきで脱がせる
何で慣れてるのか?剣道教室か?
(薫の世話をするので慣れている)


他にも色々あるが違和感やミスリード
が繋がった時はスッキリした
ミステリーに加えサスペンス要素もあり
蓼科が車を探していたと分かった時は
怖くて気持ち悪かった
もし、美奈子が殺していなければ
また被害に遭っていた可能性が高い
美奈子の暴走とも思えた行動も
真琴の事を考えての行動だと分かれば
納得のいくものだった


防具袋のトリックは良かった
また、真琴が自分の犯行を知る人物
と刑事に怯える描写はリアルで
読んでいて手に汗握った


暗黒女子」が有名だが本作も面白かった
読み返しても楽しめる1冊でした
他の秋吉作品も注目です!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

flowers-2088340__480



こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・イヤミスが好き
・女子校が舞台の作品が読みたい



あらすじ・内容
名門女子校でもっとも美しくカリスマ性
のある・いつみが死んだ
一週間後に集められたのは、いつみと
親しかった文学サークルのメンバー
ところが、彼女たちによる証言は
思いがけない方向へ──。
はたしていつみの死の真相とは?
全ての予想を裏切る黒い結末まで
一気読み必至の衝撃作!


   



――――――――――――――――――――――




ネタバレ・感想
自殺なのか?他殺なのか?
他殺なら誰かいつみを殺したのか?
文学サークルのメンバーが各自が書いた
「白石いつみ」をテーマにした小説を
朗読するというユニークな展開
誰が真実を語り、嘘をついているのか?


1年A組 二谷美礼
・メンバー唯一の奨学生
・いつみからバレッタをもらう
古賀が犯人と告発


2年B組 小南あかね
・老舗料亭の娘
・料亭が放火される
バレッタを盗んだ二谷が犯人と告発


留学生 ディアナ
・姉の代わりに留学
・いつみから貰った人形を持ち歩く
高岡が犯人と告発


3年B組 古賀園子
・医者を目指している
・白石氏に相談の為、家に通う
ディアナが犯人と告発


2年C組 高岡志夜
・フランス帰りの帰国子女
・作家デビューしている
小南が犯人と告発


それぞれが特定の人物を犯人と告発
重複した人物がいないので真実か嘘
かが分からない
先の展開が気になり一気読みだった
ここまで読んで矛盾点が二つあり
バレッタは貰ったのか?盗んだのか?
古賀はいつみの父親を誘惑したのか?
いつみの証言が正しいなら

・バレッタは二谷が盗んだ
・古賀は父親(白石氏)を誘惑した

逆に二谷と古賀の小説が正しいなら
いつみが嘘をついている
文学サークルメンバーはいつみは死んだ
と思っているから小説のは自分に都合
良く書いている可能性が高い


そして、いつみの小説(代読・小百合)
で驚愕の真実が明らかになる
いつみは文学サークルメンバーの秘密
を公開する


二礼・・・援助交際
小南・・・老舗料亭を放火
ディアナ・姉は事故の犯人
古賀・・・不正アクセスで成績改ざん
高岡・・・デビュー作は盗作


いつみは顧問の北条と交際しており
小百合がフォローしていた

いつみ妊娠する
→父親へ報告しても反対される
→中絶出来ない時期まで隠す
→いつみ体調不良(つわり)
→何故か父親に見つかり危機

誰が裏切ったのか?
父親が持っていたのはブルガリアで
いちゃつく二人の写真とエコー写真
高岡か?ディアナか?古賀か?小南か?
何と!5人のメンバーが結託していた
これに対していつみは復習を決意
5人をテラスに呼び出し目の前で
飛び降り自殺を図る(死なない様に細工)
すずらんを握り他殺に見せていた
小百合がいつみの机に花を飾り
死んだかのように見せていた
そして、朗読会に参加してすずらん
を闇鍋の中に入れた
(すずらんには強い毒性がある)
やられたらやり返す
いつみの執念が恐ろしい((( ;゚Д゚)))


これで5人の嘘つき達が死んで終わり
と思いきや驚愕のどんでん返しが・・・
いつみの協力者だった小百合が裏切り
闇鍋にはすずらんを入れずに
いつみが飲むアールグレイに入れる
そして、いつみはこの時に死んでしまう
復讐劇と思いきや主役交代の物語に!
このラストは予測できなかった


・名門女子校という特殊な環境
・平然な顔で行われる壮絶な主導権争い
・保身の為に嘘をつき他人を陥れる怖さ

何が真実か分からない状態であれこれ
考えながら読み進めるのは面白かった
まさかの全員が暗黒女子だった
主役は小百合に変わったが今後は
どうなるのか?怖いなー


主役を争う人間関係にゾワゾワした
綺麗な物の裏側の闇をさらりと描く
全員が探偵かつ容疑者という設定は
緊迫感があって良かった
小百合はいつみに完璧な美しさや刺激
を求めていたのだろうが狂っている
一番のエゴイストでサイコパスだった!
それにしても闇鍋怖すぎる((( ;゚Д゚)))


秋吉作品を読んだのはサイレンス
続いて2作品目だったが面白かった
まさにタイトル通りの1冊だった
緻密な伏線が見事なミステリー作品
他の作品も是非読みたい

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

snowfall-201496__480


こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・ハラハラしたい
・心理描写を楽しみたい


あらすじ・内容
深雪は婚約者の俊亜貴を連れ故郷である
雪之島を訪れる
結婚をしてありふれた幸せを手に入れる
はずだったが、祝宴の席で思いもよらない
事を島民から聞かされ状況は一変する
やがて俊亜貴は行方不明に…
この島は何かがおかしい──。
人間の奥底になる執着心と狂気を
描いた傑作サスペンス!


    


―――――――――――――――――――――

ネタバレ・感想
サスペンスに加えてミステリー要素
やホラー要素もあって面白かった
島の良い所と悪い所が絶妙に描かれ
それぞれの登場人物の視点の心理描写
が丁寧なので感情移入しやすかった
章ごとに視点が変わっていて
それぞれの視点から物語を楽しむことが
できる読みごたえのある作品でした
章ごとの視点は下記の通り

第一章 深雪
第二章 俊亜貴
第三章 深雪
第四章 達也
第五章 深雪
第六章 弥生


深雪が婚約者の俊亜貴を連れて島に
帰ってくるところから始まる
雪の寒々しい感じや島の閉塞感が
感じられて少し怖い雰囲気だったが
本当の怖さはそこではなかった
イヤミス要素や読者の想像を掻き立てる
描き方でグイグイと作品に引き込まれた


人が殺される記述は一切無く
全てを明かさない終わり方で描かれ
あくまでも読者の想像にまかせる
弥生は最後にどうなるのか?
幸せになって欲しいが…



回収されない謎もあった
俊亜貴はどうなったのか?
・フェリーに乗って帰った描写はない
・紫色のスマホが雪室で見つかる
・行方不明のまま姿を表していない


第四章での達也と俊亜貴の会話や
達也の心情から推理すれば殺していない
助手席にあったスコップは雪掻きで
使うのでおかしくないし
で見つかった紫色のスマホは
雪室用の雪を集め回っていた達也が
雪と一緒にすくい雪室に入れてしまった
こう解釈してもおかしくない


しかし、達也がフェリーに乗った描写が
ないからこそ殺された可能性もある
俊亜貴が殺されているなら1月2日
そして、1月3日には雪室で長時間の
作業をしている島の男達…
かなり時間が掛かっている様子だった
俊亜貴を埋めた雪が溶けないように
雪室を固めていたと推測される
鈴木のスーツの写真を見た朋子の反応
から殺されている可能性もある
もし、殺されている場合は達也は
トラックの荷台に死体がある状態で
深雪とキスをしている
それなら達也がサイコパス過ぎる!
(その場合、鈴木も殺されている)
怖いのは神でも自然でもない
結局、人間が一番怖い((( ;゚Д゚)))
俊亜貴がしっかりした人間だったなら
無事に深雪と一緒に島を出れたのだろう


最後は深雪が幸せになったように
感じるのにスッキリしない読後感
弥生が冬に婚約者になる彼氏を
島に連れて来ても大丈夫なのか?
深雪が冬に連れてきたらいいと
したアドバイスが意味深だった
俊亜貴を連れてきたのが冬なのに…
もし、俊亜貴が殺されていたとして
全部を理解した上での発言なら
深雪に狂気を感じて恐ろしい
純粋に島の魅力の一つである雪(雪室)
を知ってもらう為だと思いたい


もっと深読みすれば雪菜は誰の子か?
深雪が島に戻って3度目の夏の時点で
1歳8カ月(わざわざ月齢まで記載)
最後に深雪が俊亜貴と関係を持った
タイミングからすると俊亜貴との子供
でも不思議ではない


ラストの深雪と義母の微笑みも怖い
真相は語られないが、ゾワゾワした
先の展開が気になって一気読みの1冊
秋吉作品は初読みでしたが大満足
島おこしの話も面白くて興味深かった
他の作品も是非読みたいと思います!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ