サラリーマンの読書

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タグ:西澤保彦

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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・どんでん返しが好き
・ユニークな設定を楽しみたい



あらすじ・内容
人里離れた全寮制の「学校」で、生徒は
厳しい制約を受けながら推理ゲーム
などの風変わりなど課題に挑んでいた
やがて、次々と殺人事件が起こる・・
はたして犯人は誰なのか?
生徒たちは、なぜ集められたのか?
全貌が明らかになったとき、
大きな衝撃が読書を襲う!
驚愕の長編ミステリー!
    
―――――――――――――――――――――――






ネタバレ・感想
まず、設定がよくて面白かった
殺人事件が起きてからは一気読み

・世界中から子供が集められている謎
・陸の孤島で次々と起きる殺人
・怪しげな登場人物たち

登場人物
マモル・・主人公
ステラ・・マモルと仲がいい女子生徒
ハワード・【ちゅうりつ】
ケネス・・【詩人】
ケイト・・【妃殿下】
ビル・・・【けらい】
ルゥ・・・【新入生】
シウォード博士・【校長】
パーキンス・・・【寮長】
ミズ・コットン・【寮母】

序盤は登場人物がカタカナだったので
少し読みにくかった(・・;)


マモルたちは自分たちが何の為に
学校に集められたかを推理していた
実習で推理ゲームをしていたことや
最新のハイテク機器がある部屋から
プロの探偵養成所と考える
確かに普通の学校とは違うのは
間違いないが違和感があった

・病院を改装した施設
・年頃の男女が同じ施設内
(せめて部屋割りを変えるべき)
・味が薄く歯に負担のない食事
・生徒数が少ないすぎる


第一の殺人
ビルが建物の外で倒れている
(マモル、ケイト、ハワードの4人は
ステラの部屋にいた)
ステラが窓の外で人影を目撃
犯人はミズ・コットンか?
ケネスが何らかの事情を知っている様子
「ビルはたしかに、さっき──」
急いでいたマモルはここまでしか
ケネスの言葉を聞いていない

その後、ビルの様子を確認しに向かう
マモルの後にミズ・コットン
ハワード、ケイト、ステラの順で集まる


第二の殺人
ケネスが中央ホールで刺される
(マモル、ケイト、ハワード、ステラ
はビルを確認する為に外にいた)
犯人はミズ・コットンか?


第三の殺人
ミズ・コットンがハワードに射たれる


第四の殺人
ケイト爆発に巻き込まれる
事故か?殺人か?
(殺人であればステラかハワードが犯人)


第五の殺人
ハワード自室で絞殺される
(ステラしか残っていないので犯人確定)


犯人はステラとわかったが、それ以上
に終盤のマモルの言葉が衝撃だった

「じゃあ、こう訊きましょう。
ぼくはいま、ほんとうは
いったい何歳なんです?



何と!生徒たちは11~12歳ではなく
70~80代だった( 。゚Д゚。)
これには大きな衝撃を受けた
この展開は歌野晶午の
「葉桜の季節に君を想うということ」
と同じく年齢の叙述トリックだった
完全に騙された


シオゥード博士の実験は
高齢者に対して互いを少年少女と
思い込ませる心理実験だった
この真相は絶望的で切なかった
人間の思い込みや集団錯覚は
興味深くて面白かった
自分が見ているものが真実とは
限らないという怖さもあった


独特の世界観と真実が分かったうえで
読み返すと感じていた違和感が無くなり
スッキリした!
犯人捜しの展開も二転三転する
伏線も至るところに張り巡らせていて
かなり作り込まれた作品だった


あなたが見ているものは真実ですか?


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こんな人にオススメ
・騙されたい
・どんでん返しを読みたい
・ロジカルなミステリーが好き



あらすじ・内容
見ず知らずの若い男性に殺されそうに
なりながらも、何とか助かった梢絵
だが、なぜ襲われたのか全く分からない
警察の調べでは男が残した手帳から
連続無差別殺人事件の犯人である可能性
が極めて高いという事が分かる
最後のターゲットだった梢絵だけが
助かり、男は事件後に失踪している
事件から4年後、梢絵は男が自分を襲った

理由をはっきりさせる為に推理集団の
「恋謎会」に調査を依頼する
大晦日の夜、「恋謎会」のメンバーは
それぞれ独自の推理を繰り広げる・・・
どんでん返しロジカルミステリー!

 


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ネタバレ・感想
読み終えた感想は面白かった
見事に騙されましたΣ( ̄□ ̄)!
正直、序盤はダラダラした展開で
登場人物の名前も分かりにくいし
少し読みにくかった


しかし、中盤以降の推理合戦は見物
ミステリー作家が多数いるからか
「恋謎会」の考察は奇抜な物が多く
同じ証拠でも色々な解釈があり面白い
強引な推理や都合の良い解釈には笑った
推理が進むにつれて少しずつ事件の
繋がりや真相が見えてくるが、事件の
“動機”は「恋謎会」でも分からない


第9章の解まで読んで推理すると
・投書絡みであるが無差別殺人
・口羽がサイコパスである
・籾山の同居人怪しい(関係者か?)
“動機”は投書絡みの逆恨みか?


第10章の殺で真相が明らかになる
なぜ梢絵は事件後にわざわざ
マンションの“1階”に引っ越したのか?
双侶がこの違和感から推理を展開
そして衝撃の事実が・・・


梢絵は実際に口羽に襲わているが
襲われたのは1997年11月6日ではなく


1997年2月15日だった!


これには完全に騙された

最後のターゲットと考えられていた
梢絵は実は最初のターゲットだった

1.架谷(はさたに)
2.矢頭倉(やとくら)
3.寸八寸(かつま)
4.梢絵

ではなく、実際には
1.梢絵
2.架谷
3.矢頭倉
4.寸八寸

口羽は梢絵に殺されていて
全ての罪を口羽に被らせる為の犯行
梢絵が襲われた“動機”を考えながら
読み進めていたので全然気づかなかった
梢絵が犯人だと分かった上で読み返す
とかなり作り込まれた話だった
「恋謎会」の推理での梢絵の描写が絶妙
真相を知った後はとえら方が変わる

・口羽死亡の可能性が高いとの考察シーン
梢絵はショックを受けて驚いているが
これは襲われた“動機”がもう分からない
ショックではなく、本当は「口羽の死」
を第三者から指摘された為だった

・2月15日の話が上がったシーン
梢絵は2月と聞き戸惑う描写が描かれて
いるが、普通に読めば「どうして自分の
事件ではなく2月から始めるのか?」
という戸惑いに読める
だが実際には「どうして、口羽を殺して
しまった2月の話から始まるのか?
もしかして、口羽殺害がバレたのか?」
という戸惑いだった


他にも伏線は散りばめられていて
ミステリーとしての破綻は無い
被害者の中の生き残りが犯人という
ありがちなオチだが、梢絵が実際に
第1章で襲われている点と“動機”の解明
に焦点を当てさせるミスリードに完敗


ラストで双侶は梢絵に殺されてしまう
双侶は死なないで欲しかった
そして、口羽を許せない梢絵が口羽を
陥れる為に連続殺人者になるという
恐ろしいシーンで幕を閉じる
可哀想な被害者と思われていた梢絵が
実はダークヒロインだったという
どんでん返しに驚いた1冊でした

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