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こんな人にオススメ
・一気読みしたい
・青春物で熱くなりたい
・追いかけている夢がある



あらすじ・内容
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ
あの事件から10年が経った
アパート「スロウハイツ」ではオーナーである
脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが
共同生活を送っていた
たくさんの夢を語り、物語を作る
好きなことに没頭し刺激し合っていた6人
空室だった201号室に新たな住人がやって
くるまでには・・・


     




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ネタバレ・感想
辻村深月は初読だったが面白かった
物語は緻密に作り込まれていたし
終盤の伏線回収は読みごたえがあった


オーナーで脚本家の環を筆頭にみんな
何かしらの創作に情熱をそそいでいる
住人のみんながか輝いて見えた


コウちゃんが初対面の環に言った
「お久しぶりです」の意味
それをずっと根に持つ環(笑)
そしてエピローグでの「お久しぶりです」
この流れが最高すぎて感動した
互いに二人にはつらい過去があった
しかし、コウちゃんは「天使ちゃん」に
環はチヨダ・コーキの小節に助けられ
問題を克服することができた


201号室に新たな住人・莉々亜
最初から何か怪しい雰囲気はあった
チヨダ・コーキのファンを公言し
コウちゃんに懐いて部屋を出入りする
その正体は黒木が送り込んだ鼓動チカラ
だったw(゜o゜)w
コウちゃんの部屋を出入りしていた
のは小説の情報を盗むためだった
これに気付いた環は黒木に激怒して
自身が「鼓動チカラ」になり原稿を
書くことを申し出る
この場面は環が格好良くてシビれた
しかし、多忙な環は過労で倒れてしまう
このオーナーのピンチを救ったのは
「スロウハイツ」の住人たちだった!
正義が指揮をとりみんなを動かし
狩野をはじめ、元201号室の住人のエンヤ
“本物”のコウちゃんまでもが手伝い作品
を仕上げてピンチを乗り越えた
「鼓動チカラ」の最終話は巷のウワサ
通りに“本物”を超えたのかもしれない


また、「ダークウェル」の原作者・幹永舞
は何と・・・狩野だった!

幹永舞(ミキナガマイ)
→カンエイブ
→can とable
→可能
→狩野

正義が読み間違えてヒントを出して
いたのに全然気付かなかった


また、様々な伏線が張り巡らしていた

・「お久しぶりです」の意味
・コウちゃんには甘い環
・狩野の正体(ダークウェル原作者)
・プラズマテレビ
・「オズ」のケーキ(三食、コンビニ)
・コウちゃんコスプレと職質
・莉々亜の正体(鼓動チカラ)
・環と莉々亜が同い年(天使ちゃん)
・「加々美さんさ」と言われた時の環の反応

全部わかった上で読み返せば
作者の仕掛けた伏線をより楽しめる
一番好きなシーンは鼓動チカラの最終話
をスロウハイツの住人で仕上げるところ
これは未来への大きな伏線になっている
環の夢は脚本家としてアメリカで賞を
取ることなので

チヨダ・コーキの作品を映画化
原作・・・・チヨダ・コーキ
監督・・・・長野正義
脚本・・・・赤羽環
協力・・・・狩野荘太
ポスター・・森永すみれ

こんな感じてアメリカで映画化され
アカデミー脚色賞を取って欲しい
 

そして、一番気になることは
コウちゃんと環は今後どうなるのか?
明るい未来があるのは間違いない
二人にはくっついて欲しいが
今の距離感も美しくて良い
とにかく幸せになってほしい


「お久しぶりです」をここまで
感動できる言葉にする辻堂深月は凄い
他の作品も是非読みたい

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